2013年06月08日

(自戒をこめて)団体行動のむずかしさを筑波山で学ぶ

今朝は5時半起床。眠いうえに天気も悪いのだが、ハッチョウトンボ見学を企画してしまった以上は時間通りに集合しなければならない。ところが、いざ7時に集合してみても誰もいない。やはり日程に無理があったのかなと思いつつ、一度帰宅して二度寝ののち、ポイントへ向かう。



まだオスの未成熟個体が見つかったのは驚きであった。初めてこの場所に来たのは2週間前のことで、その時から今に至るまでのんびりとヤゴが孵っているようだ。






例によって成熟オス個体を確認したのち、この場を後にしてレンタカーを借りに移動。問題なく車を借りてからいったん自宅に戻り、荷物を整えいよいよ筑波山キャンプの始まりである。荷物を搬入してからキャンプ場へ移動する。今回は参加者が多かったのでロッジを借りたのだが、これがなかなかいい感じの解放感と広さを兼ね備えていた。
例によって、筑波山頂へ向かうグループと沢へ向かうグループに分かれる。610は去年から引き続き沢へまっしぐらなのだが、なかなかサンショウウオの幼生を見つけることができない。



大きな幼生はその場にいた人たち全員が包囲網を敷き、何とか確保したものである。黄色っぽいラインが尾部にはっきり伸びているところ、ツクバハコネサンショウウオに相違ないだろう。幼生はそこそこ見つかったので生体に会いたくなってくるのだが、あいにく見つけられず。



サンショウウオ探しのついでにカエルを発見。ここに来る前にヤマアカガエルらしき個体が採集されていたのだが、これはこの外見だけでもヤマアカらしい雰囲気はしない。きっとタゴガエルなのだろう。今回のキャンプでひそかに見つけたかったので、出会えて幸いである。彼はこの語、610家の仲間入りを果たすことになる・・・



今回は参加者が多いのだが、使える車が2台しかない。そのため荷物を含めて全員を一回で運びきることができず、A氏に荷物輸送を、Yさんには乗り切らなかった人たちのピストン輸送をしてもらうことで実施に踏み切るという、かなり強引なスケジュールを組んだ。いったん下界に降り、途中合流者と食材を拾いに行ったYさんが戻ってきたので散策を切り上げ、夕食の準備を始める。



参加してくれた新入生の多くが色々な生き物に興味を持っていることは素晴らしいのではあるが、野菜を切ったり火おこしの準備をするといった作業を特定の人たちに任せっきりにしてしまうのは良くないなあと感じる。もちろん器具やスペースの限界があってあぶれる人が多いのも事実だし、「先輩に雑用をやらせるとは、どういうことか分かっているのかね?」というような中学高校レベルの上下関係の強要もまた望ましくない。むしろ、絶対にそういうヒエラルキーをやどけんに持ち込んではならないのだが・・・
「自分がやらなくてもだれかがきっとやってくれるだろう」という感覚を承認し、大勢で共有してしまうと、その空気が今後活動を行っていくうえで大きな障壁として後輩達の前に立ちはだかるであろう。少なくとも、これは作業効率を著しく損なう。サークルの活動に即して言うと、片づけが進まない/始まらないために、フィールドに出られる時間が減ってしまうのである。

う~む・・・
なぜ私は新入生を批判しているのだろう。思ったことを書いているうちによく分からなくなってしまった。本来、生き物のことしか考えていられず、食事の準備とか部屋の片づけといった作業を丸投げしていても許容される空気があったのではなかったのか。そもそも610自体がその権化ではなかったのか。なのに、なぜそれを拒絶するのだろうか。
キーポイントがあるとすれば、サークルの「大所帯化」なのだろうなあ。少人数であった今までならカバーできたものが、人数が増えてそうもいかなくなってしまったのだろう。私には20人以上の組織を引率する力が無いことは1年の時に立証済みだし、これ以上大きくなることで「指示待ち・他人任せ」の空気が濃くなってしまうのだろう。
なら、いったいどうすればいいのだろうか・・・やっぱり丸投げするしかないのだろうか・・・

さて気持ちを切り替えよう。
去年のように食材がいつ届くか分からない、という焦りは感じられなかったものの、今年は木炭が足りなくなるハプニングが発生。その辺の落ち枝でカバーしつつ、何とか消費すべきものを食べ終えることができた。
2年前のキャンプでスイカがふるまわれ、処理するために食べまくった出来事が610の心に深く印象付けられている。そのため、これをキャンプの「伝統」に仕立て上げようと密かに目論んでいて、今年もスイカを買ってきてもらったのであるが、夜になって思いのほか冷えてしまったこともあってか、新入生にはそこまで人気が無かった。彼らに強い印象を与えることができなかった時点で、スイカの「伝統」としての役割は終焉を遂げてしまった・・・

食事を終えて部屋でのんびりしてから、夜のサンショウウオ探しへ向かう。昼間よりもよく見つかるようで、生体らしきものも確認できたようだ。それはそれで良かったのだが(この手の言い回しは後にお小言が続くことを予感させるものである)、一応、夜の山の中で活動していることを念頭に置いていただきたい。別の沢へ移動するときには、なるべく誰かにその旨を告げてもらわないと、移動しない人たちのもとには不安が残されるのである。生き物が好きなのは分かるし、サンショウウオを観たい気持ちも分かるし、それに熱中してしまうことも分かる、分かるのだが・・・団体行動をしている以上、その活動を企画し、参加者を募り、行動に移す責任者がいるのである。そして、責任者は他人を巻き込んでいる以上、彼らの挙動にも気を配らないといけないのである。

ぬえの声を聴きつつ、日付が変わる関わらないかのあたりで部屋へ戻る。610はかなり無理をして夜の散策に出て行ったのでものすごく眠たかったのだが、全然眠たくなさそうな人たちもいる。夜に強い性質は610にとってもとてもうらやましいもので、例えばシロマダラの発見に有利に働くことが容易に想像できる。そのことは十二分に承知しているのだが・・・
610が何を言いたいのかは、もはや書かずとも自明でしょう(´Д`)  


Posted by Impulse610 at 06:10Comments(4)