2015年05月07日

(テーマを与えた指導教官に向かって)何でおれはカワゲラなんだよ!

5月6日
1日の大半は何かをして過ごしていたのだが忘れてしまった.エッセイを書こうとしてWikipediaを読んでいるうちに深みにはまって,気が付けば終戦前の和平締結に活躍した日本海軍の要人の生きざまを耽読していた.そしてこのせいでブログの更新を忘れる.

5月7日
8時前にセンター着.いつもの作業をしてスライドをいじったりする.午後には先日完成した「樹冠タワー」の利用法の説明を受け実際に登ってみる.敷地内のアカマツを囲うように足場が設けられているのだが,頂上からの眺めは良好で,ここで1日鳥見をしていたい気分になった.
その後は思うことがあって「カワゲラ 人生」で検索を実行していたのだが,私関連の怪しいサイトが乱立する中に味わい深いブログ記事の発掘に成功した.
「醜いアヒル」と「カワゲラ」の救い: 仏滅上等
嫌だったカワゲラとしての人生を誇りを持って生きていく覚悟

今の私にはこの覚悟が足りているのだろうか(別に奴隷人生が嫌だったわけではないのだが).そういう疑問を胸に,実際にこのアニメを視聴してみた.ここに生物学的な茶々を入れるのは無粋というものだから無視するが,自らの使命に誇りを抱き,ありのままを受け入れられるに至ったケン(カワゲラ)の心境の変化していく様子に感銘を覚えないわけにはいかない.私にもいつか隷属を誇りと思えるような奴隷になれる日が訪れるのだろうか.

~・~・~

明日も明日とてカワゲラに隷属.お昼に地元の方との懇親会があるようですが,学生はどこまで干渉できるのかは知りません.

さて,件の「みなしごハッチ」に現れたカワゲラですが,カワゲラの奴隷としてはどうしても同定をしたくなってしまいます.パッと見た感じでは,以下のような特徴から,ミドリカワゲラ科 Chloroperlidae が現生のカワゲラで最も類似しているように思えます.

・幼虫に鰓が無い(ミドリ以外にもオナシカワゲラ上科 Nemouroidea やアミメカワゲラ科 Perlodidae の一部が当てはまる)
・成虫の体色が黄色系で,尾毛が成虫になっても減少することなく明瞭に存在(ここで Nemouroidea が脱落)
・羽を背中に折り畳んだ時,尾毛が翅の先端からはみ出ない(推測だが.この点で Perlodidae が脱落)
・黄色身を帯びた翅脈や体色,全長に対して体の幅が狭い,尾毛が短いなどの特徴が Chloroperlidae に近い
※父親のケラ吉の中・後胸背板正中線上の黒色部分はセスジミドリカワゲラ属 Sweltsa を想起させるが,前胸背板に存在していないところが現実と一致しない

頭部形態がかなりデフォルメされており同定形質として役に立たない点が痛いところですが,それでも十分同定できてしまうのが愉快です.もちろんさらに詳しくやるためには翅脈のパターンの検討や,各種計測も必要でしょう.他にも生息環境との整合性もチェックしないといけません(流水にハスが咲いていたりタガメが泳いでいたりする世界観の解釈が難しそうですが).こういうくだらない研究を何らかの形で発表したいなあと真剣に考えているのですが,BOSSに言ったら叱られそうです.なのでやるとしたら,あくまで内密に,息抜き程度にやるしかないでしょう.


Posted by Impulse610 at 18:10│Comments(0)
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