2013年06月20日

さよなら母集団

昨晩20時前に理論生態学の試験問題がアップされたのだが、木曜日にはこれ以外にも2つの課題(専門語学の発表と、数理生物学の課題)があって、そちらを優先したがためにほとんど手を付けないまま、22時前にいったん就寝。
シロマダラが見つかっていなければ、もう少し余裕を持って取り組めたのだが・・・あまりに突発的であったが、何せ相手は「幻のヘビ」である。自称宝篋山マスターの610としては、実物を拝まないことにはつくばを去ることができない。
結局は徒労に終わってしまったものの、宝篋山通いのモチベーションはこの一件で強くエンハンスされたのであった。

今朝は4時に目覚め、専門語学の原稿を書き写してからいざ理論生態学の課題に挑む。
色々考えているうちに、何となく道筋が見えてきたので一安心。身支度を済ませ、始発のバスに乗って端末室へ移動し、さらに問題を精査しながら解答を作っていくことにする。今回はプログラムのスクリプトを提出する必要は無さそうで、それはそれで一安心しているのだが、ささっとシミュレーションを行うプログラムをかけたらさぞかし楽しいのだろうなあと言う気もする。

1限:理論生態学
さて6時半ごろから延々解答文を作っていたのだが、他の受講者と話したことで、自分の方針がひねくれていること、回りくどいことが判明。さらにRのプログラム作りを端から放棄していた610とは違って、何とか限られた時間内にプログラムを作り出そうとする気概が感じらた。それに触発されたので何とかしようかと思ってみたものの、プログラミングの知識のないものが1時間や2時間で試験問題の解答に足るスクリプトなぞ構築できるはずもなく、結局はA42ページに及ぶゴミのような解答(開き直った610はLATEXで文書を処理したのである)を送信し、Toque先生によるおそらく最後の授業を後にしたのであった。

2限:専門語学(英語)CI
さて5分間のスピーチ課題の題材にはムカシトンボを採択し、その生活史とか見聞に基づく行動、GWに観察に出向くことを強く進める旨を述べた。先週、学生のスピーチを聞いたときに感じた「専門用語の聞き取り辛さ、理解し辛さ」を極力排除するよう、内容はいささかScienceの本質に迫るものではなかったものの、直観的に理解しやすそうな単語を並べて喋ったつもりであったが、きっとそう思っていても内容の半分以上は伝わっていないのだろうなあ・・・
さてMattewからの公表では、英語の発音とか内容に関しては特にコメントを頂かなかったのだが、「ムカシトンボ」が聞き取り辛かったと指摘されてしまった。あまりに日本人学生に意識を傾け過ぎてしまって、日本語を外国語として耳にする人の存在をまるっきり無視してしまったのだ。英語でスピーチする機会はそうそうないと思うが―ひょっとしたらロシア語の方が多くなるかも、それはそれでそうなってほしいとも思うが―、これは今後に生かさねばならない。

3限:数理生物学I
無作為化検定についてのお話の後、締めくくりとして統計に関するチェックリストをもとに、気を付けるべきポイントを再度確認する。9回の講義を通して、統計のエッセンスを学ぶことができた。まだまだ完全な理解には達していないのだが、手元には作り込まれた資料と34ページにわたる講義ノートがある。これから先、統計処理を行う場面に出くわすことであろうが、ひとまず一人で立ち向かうだけの準備は整えられたと言ってよかろう。時間に余裕ができたら、手元にある昆虫標本を使って統計の練習をしたいものだ。

4~6限:発生生物学実験
先週いろいろと準備したショウジョウバエの胚に染色を施し、それを実際に観察。染色のパターンはグループごとによって異なり、かつどの遺伝子を染めているのかについては答えを伏せられている。なので、学生は与えられた情報をもとに、どの遺伝子の発現を確認しているのか観察を通して当てなければならない。
610が担当したものでは、随分染色が薄く、しっかり染められている胚はごくごくわずかではあったのだが、それでもきれいに遺伝子の特徴をとらえているものが認められた。2つの異なるステージの胚でうまく染色されているものが見つかったのは非常に嬉しいことであった。
ちなみに、遺伝子発現を推測する際にはweb上のデータベースを利用することがほぼ必須である。そのため、なんとiPadが学生に配布されたのである! もちろん実験室から持ち出すことなどできはしないのだが、初めてタブレットを操作する610にとっては非常にワクワクするものであった。だが、実際に使って分かったことは、せいぜいロシア語やヘブライ語の入力がとても快適に行えることくらいであり、実験で利用することに限って言えば、PCで検索した方がよっぽど使い勝手がいいということであった。
今回610が感動した外国語入力のやりやすさについて、おそらくこのブログを読んでいる人の中で共感される方はいないと思われるのだが、これが如何に素晴らしいものであるかについて一応記しておこう。
PCの場合は言語入力は簡単に切り替えられるのだが、目の前にあるキーボードに表示されている文字は英語とひらがなのままである。つまり、別の言語の対応表を座右に置かない限り、あるいは暗記しない限り、とても使いづらいのである。
iPadの場合は、言語を切り替えるたびに画面に表示されるキーボード上の文字も入れ替わるのである。これはすごい!тараканосверчкиもיהוהも、日本語でタッチパネルを扱うのと同様の感覚で入力できるのだ!


実験終了後、例によって買い物に出向いたのだが、用水路脇から怪しい声が聞こえてきた。
暗くて様子が分からなかったのだが、声の主は鳥のヒナのような気がして、とても苦しそうなのである。もしかしたら、巣が落ちてしまったのだろうか。あるいは、用水路に落ちてしまったのだろうか。いろいろと気になるのだが、明日様子を見に行く余裕はあるだろうか・・・

~・~・~

明日は午前中雨のようですが、シロマダラがいると分かってしまったら、あまり天候は関係なくなります。
と言うことで、おそらく宝篋山へ出向きます。
午後の実験が終わったら、グループの人たちと夕食に出向きます。こういうイベントは610は滅多に参加する機会が無いので、なかなか楽しみです。  


Posted by Impulse610 at 18:10Comments(0)