2013年10月27日

マニュアル志向的自然観察のすすめ

今朝は7時半ごろに起床、比較的すがすがしい目覚めであった。外の天気が良かったからなのか…?
とりあえず昨日PCに貼り付きすぎた反動であまりいじりたくなったので、この隙にサンスクリットを片付け、論文も読み終える。論文はこれからレジュメづくりをしなければならないが、時間にまだ余裕があることと、ヘビのエサのストックに余裕がなくなったために宝篋山に行くことを決意。ただ洗濯物を干したくなったり、昼食を摂ったりしていたためにずるずると出発が延期していく。本当は早くいきたかったのだが…

しかし、この延期が結果的に素晴らしい収獲を招いた。
久々の晴天に気分を良くしながら洗濯物を干していた時、Yさんからロードキル情報が届いた。聞けば、とても状態の良いイタチを発見したとのこと。部室が空いているか分からないことと、開いていても収納スペースがないため我が家に届けてもらうことになったのだ。


確かに外傷も見られず、しかも触診(?)をしてみてもろっ骨が折れているだとか、頭蓋骨が陥没しているだといったこともなさそうだ。イタチだから匂いがきついかもしれないなあと思っていたのだが、それも恐れるに足らなかった(まあ解剖時に苦しむのだろうが…)。
それにしてもY氏、なかなかのやり手である。


このノウサギのロードキル情報も彼女によるものだし、先日のミーティングでは華麗にウシの骨接ぎを決めて見せた。彼女には獣の死体を惹き付ける力があるのかもしれない。私に分けてくれないかなあ…

さて、高鳴る胸を沈めてイタチを冷凍庫(もちろん、この冷凍庫は610が生きるために食べるものも入っている)へおさめてから宝篋山へ繰り出す。


久しぶりにヤマカガシに遭遇。手元にある写真によれば、6月23日にNamaさんとマムシ探しに行ったとき以来の捕獲であるようだ。そうか、それほど離れ離れになっていたとは・・・


山に入ってミミズを探してみたのだが、最初にアタックした場所があまりよくなかった。結局気が乗らぬまま1匹しかみつけることができなかった。カエルに関しては、ウシガエルの新成蛙が数多くいるようだがとても敏感で近寄ることができない。ようやく見つけたアカガエル(ニホンアカガエル?)はシマヘビに与えるには大きすぎて、むしろ610に与えるのにちょうどよいサイズであった(採集せず撮影のみ)。


キノコに関してはさっぱり分からない。


いたるところで見られたのはオオアオイトトンボ。春先の宝篋山はホソミオツネントンボの天下であるが、秋口はこのオオアオイトトンボがそのニッチを占めていると言えよう。昨年は失敗した連結したペアの撮影を成功させリベンジを果たす。個人的にはオオアオより粉をふく範囲の広いアオイトトンボも撮りたいところだが、どうやら610が散策するあたりにはいないらしい(見落としているだけかもしれないが…)。


甘酒と甘柿で一服するのは至福である。


とある脇道で骨を発見!最初は頭骨の一部かなと思ったのだが、しばらくすると骨盤のように見えてくる。写真では見えないが、ちょうど丸く穴が開いているように見えている部分の裏側に関節(球関節)があり、ここに大腿骨がジョイントしているのだと考えると結構それっぽく思えるのだが…これはYさんに協力を求めた方が良いだろう。

骨を拾ったすぐ近くの原っぱで突然ドンと音がしたのだが、何事かと思って振り返ってみると立派なキジが歩いていた。いいチャンスだと思ってカメラを起動していたのだが、その間に彼は藪へ戻って行ってしまった。何となく癪に障ったので泥団子をこねて2発ほど藪に投擲し、キジを挑発してみたのだが応答は得られず、完敗。
※ちなみにしばらく歩いていたら、先ほどの場所で彼の勝鬨が響き始めた。キジの観察に関しても修業が必要だなあ…








さて、上の4枚は「あしあと集」である。雨が降った後にぬかるみに目をやれば、動物たちの足跡を見出すことができる。
おそらく、これがその場でぱっと同定できるようになると散策の楽しみも増えるだろうが、悲しいかな610がこの中で即答できたのは一番最初のイノシシのみである。イノシシやクマの場合、足跡を見つけたらそれとは逆の方向へ戻るのが良いだろう。彼らにはできれば死体か骨の状態で会いたいものだ。
ちなみに、2枚目は恐らくネコで3枚目は不明。4枚目は「ツメ」の跡がはっきりしていることから、タヌキであろう。キツネとイヌも似たような足跡を残すようだが、この場所は水を抜いた池であるからイヌであることは考えにくく、キツネの足跡だとすると後ろの肉球の形が似ていないし、何よりこの辺りでの発見事例を知らない。個人的にはタヌキよりも珍しいものか、或いはこの辺りにはいないのだと思うが、ともかくこの足跡はタヌキの可能性が高いように思うのだ。
あしあとを調べていると菅平の幸せな日々を思い出すと同時に、今冬こそは雪が降ったら宝篋山に繰り出してあしあとめぐりをしたいものだ。
宝篋山ならウサギとイタチ、ハクビシンもいるであろう。それぞれ特徴的な足跡をしているので是非地元で見てから菅平に行きたい。


さて散策も終えようとしていた時、目の前に衝撃的な光景が飛び込んできた。田んぼの脇に板がうちやられていたのだが、そこがアカトンボのたまり場になっていたのだ。その数がやたら多く見えてドキドキしたわけだが、一か所で多くのトンボが集結している様子はなかなかお目にかかれないものなのだ。この画像には全部で19匹のアカトンボが写っている。おそらく、1フレームに収めたトンボの個体数としては自己最多であろう。

本日はヘビのエサの為のミミズ、カエル、トカゲを探しに行ったわけだが、結局見つかるのは虫と哺乳類の痕跡ばかりであった。近頃の自分の興味関心を思いっきり反映しているようで、いつの間にこんなに哺乳類に対する意欲が湧いてきたのかと自分でも不思議に思うくらいであった。ただ、哺乳類の場合は虫と違って「きっかけ」はとてもはっきりしている。いつどこで買ったのかは忘れたが、今年の1月9日に初めて目を通したらしい。それ以来、過去虫ばかりに気を取られて無視していた他の生き物に対する心の空白を、哺乳類の骨と死体を集めるという形で補っているように思えてくる。我ながらとても狂気じみていると思うし、この補完が将来の進路設計にすら影響を与えているのだから・・・う~ん、人生ってちぐはぐなんだなあ・・・

~・~・~

さて明日は普通の月曜授業です。朝のうちにちょっとした収獲をしてこようかと目論んでおりますが、収獲したものを加工する時間はあるのだろうか…

※追記ではやどけんメンバー向けの、610の私見が書かれています。個人的に「よく言えたぞ!」と思っているのですが、この状況は好ましくありません。私の自信を粉々に打ち砕く痛烈な批判を―人格攻撃は避けてほしいですが―お待ちしています。  続きを読む


Posted by Impulse610 at 18:10Comments(2)