2013年10月05日

やどけん史上最高の危機を招く

昨晩は12時過ぎまで寝付くことができない中4時15分ごろ起床。この睡眠時間で果たして安全に運転ができるのだろうか…

集合時刻が6時なので、カーシェアの車を取りに行くために30分前には自宅を出発したのだが、今回はいつも借りている車が先約で使えないので、より遠いところまで取りに行かねばならない。雨が降っている中、この時点で面倒極まりないのだが、さらに困ったことに、車が新しすぎて何が何だかわからないのである。キーを取り出してみるとまったくキーらしくなく、エンジンの駆動にえらく手間取るし、おまけにトランクを開けることができない。この辺の機能は車種やメーカーによらず共通だと思うのだが、微妙に違うのだろうか、あるいは自分が気が付けていないだけなのだろうか。結局トランクの開閉は問題なく行えることが分かり、懸念していた雨はそこまで降っていないようで安心しながら八溝を目指していく。

さて3時間近く走ったところで、程よい沢沿いの林道を見つけて散策を開始したのだが、車を止めて支度をしようとしたところ、山沿いの落ち葉が積もっているところでうごめく奇妙な物体を発見。それがヘビであることは一瞬にして判明したのだが、黄色くてしかも真ん中に黒いラインの走っているものが何だか分からず、気が付けば手が伸びていた。


全体の姿を見て納得。これこそタカチホヘビ、シロマダラを差し置いて未だ出会ったことのない、最後の本土産ヘビであった!

出足から素晴らしい発見に恵まれ、上々の気分で沢に入る。この時点では増水していることもなく、あまり雨の影響が感じられなかったので水の中の生き物を探したり、ガロアムシを探したりする。


水の中では、サンショウウオの幼生やムカシトンボのヤゴが数匹発見された(ちなみに、610はどれも見つけていない)。特にムカシトンボは異なるサイズの幼虫が同所的に見つかり、これは610にとって初体験であったためテンションが上がる。

さて610の本命であるガロアムシの方は、乾燥気味の条件の悪い場所ながらも序盤に中くらいの幼虫を1匹採取し、いることが分かったので重点的に調べていったのだが、結局小さい幼虫に逃げられただけに終わり、最低限の収獲は得られたものの、不本意な結果に終わった。
このほかイシノミと、こういうガレ場でおなじみのかっこいいナガゴミムシ(学名をとってプテロと呼ばれる)を採集。プテロたちはオサムシと同様に地域ごとの分化が激しく、ものによってはガロアムシ以上にガレ場掘りを要求される珍品も多い。ちなみに、種類は不明である。

あーガロアムシ出てこないかなあとガレ場をいじっていたところ・・・


2匹目のタカチホヘビが出現! その色合い、姿から、一瞬オオミスジコウガイビルが出てきたものかとビックリさせられた。そりゃもちろん、サイズや生息場所が全然違うので間違えようがないのだが、610はヘビを探すために土に鍬を当てているわけではないので、予想外の生き物が出ると初期段階では正しい解釈ができない。
1匹目を採取したときは、飼育が難しいからという理由で採取後標本にしてしまおうと考えていたのだが、2匹目が見つかった時ふと「これ雙峰祭で展示してみたら面白そうだ」ということに気が付き、先ほどの個体よりきれいなこのヘビを持ち帰ることに決定。そこで餌となるミミズも採取していくことになったのだが、気が付いたときには1匹しか集めることができず、移動時間となってしまった。

ここでお昼を取っていた時、すぐ近くで伐採作業を行っている関係者のおじさんにお叱りを頂く。許可なく通行禁止の林道に入ってきたことがまずいぞと言われてしまったが、それ以上の追求というか懲罰が与えられずに済んだ。幸運というのはふさわしくない気がするのだが、ずいぶんと大人の対応をしていただけたように思う。

さて次なる林道を目指して再び山の中へ入っていったのだが、こちらは未舗装路でしかも道には水が流れている。先ほどの快適な舗装林道とは打って変わって、とてもガロアムシが出てきそうないい雰囲気を感じられたのだが、林道が随分荒れていたこともあって転回スペースが無い疑惑が生じ、途中で引き返した方が良いとの結論に至る。610はこの時、次の転回スペースで車を停めようと思っていたのだが、これ以上進むことが危険である旨をMさんから告げられたため、しばらく前に通り過ぎた第一の転回スペースまでバック運転をしながら引き返さざるを得なくなった。




良好な水田環境を求めて、畦道を盲進していったのだが、途中で行き止まりになり、バックのまま転回スペースまで戻らねばならない困難を招いた。操作を誤れば車ごと田んぼに突っ込む恐怖と戦いながら、山場を乗り切り、転回スペースまであと数メートルに迫った矢先、あまり配慮していなかった山側の溝に後輪が突っ込んでしまった。いくらエンジンをふかしても復旧させることができず、結局レッカー車を呼び、44000円の損失を招いたのであった。

去年の夏こんなトラブルを起こしたことを思い出すと、今回も道を踏み外して沢に落ちてしまうのではないかという危機感が途端に現実味を帯びてくる。だが勿論そんなことが起こってしまってはならないわけで、Namaさんに先導してもらいながらえっちらおっちら安全地帯まで引き返していったわけだが、ハンドルを切る勝手が前進と後進で違うということがいつまでたっても頭で理解できず、何度となく行ったり来たりを繰り返す羽目になったわけだが、そんな状態でも無事に安全地帯まで達することができたのは誠に不幸中の幸いといったところである。

路肩には落石も多く、それをNamaさんにどかしてもらいながらバックしていったのだが、待っている間、K君が山際にネズミがいるのを発見。
外にいるNamaさんに確認してもらったところ、それはネズミではあったが、特別なネズミだった…


Ой、ヤマネではないか! なぜこんな時に、こんなところで出くわすのだろうか!
この場所は完璧な植林地帯で、しかもヤマネは倒木の脇から顔をのぞかせていた。樹上性で、主に夜活動する生態的特徴や、あるいは島民にはまだ早い季節を考慮すると、どうも我々の前で見つかった合理的な理由が見つけられない。となれば、山の神が我々を救うために現れたとしか考えようがない!

無事に安全圏まで戻ってきたのはいいが、すっかり採集する意欲を削がれてしまった。610の独断でプランがころころ変わるのは良くないのだが、参加者の了解が得られたので茨城県最高峰の八溝山頂へ向かうことにした。


予想通り、山頂からは一面白い雲が広がっていて全然展望を楽しむことはできなかった。ただ、先日の鳴く虫観察の時にはすでにいなくなっていたと思っていたヤブキリが展望台にへばりついており、まだまだ彼らが死に絶えた訳ではないことが分かった。

その後はひたすらつくばを目指して帰っていく。この日は土浦で大きな花火大会があるため、その混雑に巻き込まれないよう思いっきり迂回をして栃木経由で帰ることになったのだが、休憩のためのコンビニがなかなか見つからなかったり、あるいは雨の中夜道を走る難儀を強いられたりしたわけだが、林道バックに比べれば大した困難ではない。

つくば到着後、有志で夕食を食べに行ったのだが、その時地球学類生のMさんから散策のアドバイスを頂く。
先ほど出くわした「林道に水が流れている」状況というのは、土砂崩れの前兆で非常に危険だということを教わる。道に水が流れているということは、山側では水が飽和状態になっているサインであって、土が浮いてしまっているのだという。そんなことも知らずに林道を突っ込んでいったのだから、何とも命知らずなものである。一人で突撃する分にはまあ勝手にすれば、という感じではあるが、やどけんの企画でこういう行動を起こすのは、企画者及び責任者として最低であり、失格である。
雨が止んでいて、沢も大して増水していなかったからといって、安全に散策ができるかというとそんなことは無くて、山には今まで降ってきた水が沢山溜まっているのである。そういう所まで判断が及ばずに今回のようなヒヤリハットを招いてしまった。これは猛省すべき事項である。
今後のやどけんの活動でこういう危険を冒さないよう努めねばならないし、次の代のメンバーにも周知せねばならない。次期会長をはじめ下級生がいたので、ぜひともこのようなイベントは他の人に起こさせないような対応をしてもらえればせめてもの救いである。

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明日は、本日の疲労を回復させつつ、一日目をそむけていた課題の消化に努めたいところです。  


Posted by Impulse610 at 06:10Comments(0)