2015年04月02日

カワゲラの奴隷の1日は長い

今朝は目覚ましを使わず5時半ごろ起床.外が明るくなるのと,部屋が暑いのとでいやでも目が覚めるようだ.6時台に出発し,午前中は卵固定をしたり水洗いした貝などを片付けたりしていたが早々にやる気が失われたので早めに昼食を済ませ滝まで散策に出向いて気分転換を図る.




菅平に春を告げるフクジュソウを見たり,エルタテハが春の喜びを体現して飛び回っていたりするのを見て心を落ち着かせる.




なおバードウォッチングではベニヒワをはっきり目撃し,アカマツの枝先に多数のマヒワを確認したほか,初めてヒガラを認識(写真はコガラ).シジュウカラと鳴き方が随分違うのに驚く.それから一直線に飛び去っていく猛禽をも見たのだが,あれはなんだったのだろう.根拠はないが,ハイタカのような気がする.


そして本日最大の収獲はこれである.道端に突如として産み落とされたカモシカの糞である.なかなかの量であると思うが,私が知るMAXの量に比べれば微々たるものである.ちなみにこの近くにもっと小規模な糞塊が 2 or 3 箇所ほど認められた.残念ながら鮮度に難があったようで落とし主に出会うことは叶わなかった.

さて心をリフレッシュしてから論文整理というか,こんがらがっていたりあるいは空っぽなカワゲラの知識の整理を目論む.あまり大きな分類群でないからか研究が比較的まとまっている(ように見える)Pteronarcyoidea, すなわちオオカワゲラ上科に属するPteronarcyidae (オオカワゲラ科), Peltoperlidae (ヒロムネカワゲラ科), Styloperlidae (ビンナンカワゲラ科)の論文を読んだり,目を通したり,探したり,まとめたりする.不完全な理解でモノを言うのもどうかと思うが,今の所,発生学的に新たな系統仮説を立てるのは困難があるように感じる.またこれらの分類群に関連して,この先1週間以内に西日本に行く可能性が浮上したことが特筆すべきことだろうか.すなわちヒロムネカワゲラ科に属するチビノギカワゲラ(ヒメノギカワゲラ)のシーズンが訪れているのである.これを逃すと1年待つことになるので,咲けることはできないかもしれない.うーむ,死ぬのでは...

夕食も早く食べて,本日のメインイベントである蛍光観察に挑む.昨日,固定液を変えて用意した黒い悪魔の卵はどうなっていたか.待っていたのは絶望の2文字であった.ただ僅かな希望の息吹も感じており,観察が失敗する原因が固定液ではなく染色時間だということに気が付かせてくれた.なお悪魔の卵については惨敗したものの,別の2種類のカワゲラに関して良好な結果を得られたので良しとしたい.うち1つに関しては,BOSSを驚かせることすらできるかもしれない快心の染色結果を見せてくれた.
23時帰寮.この長きにわたる拘束時間に奴隷の本領発揮を感じずにはいられない.

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明日は今日の片づけをしたり,写真をまとめたり,BOSSにいろいろ相談できればと思います.  


Posted by Impulse610 at 18:10Comments(0)