2012年03月25日
天狗舞う森の沢で
3時に目覚ましをセットしていたが、気が付けば5時。昨日高速バスから帰ってきて就寝するまで一睡もしなかったのが間違いだったのかもしれない。普段なら蒲田まで歩いていくが、今日は時間を京急線で買うことにする。渋谷から高尾まで京王線経由で出て(JRの半分以下の運賃で移動可能)、高尾からは中央線で山梨は梁川で下車。およそ3時間の移動中に『必笑小咄のテクニック』読了。ロシア人のユーモアのセンスはとても洗練されているなあ…


谷沿いにアプローチを仕掛けてはガロアムシを探すのだが、どうにもしっくりこない。ガレガレした場所が乏しく(石がゴロゴロしていない)、土質も固く、オサムシが越冬する分には都合がいいかもしれないがあの柔らかなガロアムシが好きこのんで入り込むとも思えない。それに谷は険しく林道からは近寄れない。

石の下にはカゲロウの亜成虫(成虫の前の段階)と思しき個体が潜んでいた。
href="//img01.tsukuba.ch/usr/ashihara/sR0012229.jpg" target="_blank">
あてもなく林道をフラフラと歩いていると、目に入ってくるのは山かます。昆虫のなす繭の中でもその美しさは最たるものだと思う610にとっては、手が届く限りのものはすべて回収しておきたくなる。

この木の下には谷が深く刻み込まれているのだが、登れば山かますが2つ手に入る。落ちたらここへ戻ってくるのは大変かもしれないが死ぬことはないだろうと肝を据えて真ん中あたりまで登って無事に採取。これらも含めて5つ取った(一つどこかで落としたようだ)が、それぞれ微妙に色が違っていて面白い。
いくら寝坊したとはいえまだ11時過ぎ。このまま帰るのは勿体ないというかガロア屋としてのプライドが許さない。裏高尾でリベンジをしようか。どうせ高尾で乗り換えするのだから交通費は余分にかけなくても済む。でもハイカーが多そうでいやだなあ…
結局高尾で下車して木下沢林道まで歩いていくことに。思えば昼ごろ高尾に来るのも久々のことで、やはり登山者が多い。それに加えて梅園が解放されているということもあってか車の往来も多く歩いていて嫌になってくるが、どうせここにいる人たちの誰も立ち入らないような涸れ沢の上流でひたすら石を掘ることになるのだから、と思うことで気を紛らす。

ガロアムシ調査で探し方のコツを体感出来たのでさっそく応用にかかる。今までは「石起しこそガロア掘りのAでありZである」というような信念に沿っては悲惨な結末をもたらし続けてきたのであるが、全てのガロアムシが石を起こされるのを待っているわけではない。沢の両岸というか、直接水のかからない辺りの堆積を鍬でもって掘り起こす作業を延々と行う。これは崖を掘るだけで良いオサ掘りと違ってかなり腕が疲れる。そしてガロアムシの生息密度の低さを思うとなかなか気の遠くなるような作業にも思えてくる。
すると何の前触れもなく、突然視界にガロアムシの幼虫が現れた。不意打ちをかけられた610はたじろぎ、アタフタしているうちに悠々と小石の隙間からどこかへもぐって行くのを見届けてから我に返って慎重に潜った地点を掘っていくと、また何事もなかったかのように再登場。とにかくじっとせず動き回っているので捕まえるのは至難の業。無事にタッパーに移しても壁を登ってくることがあるから油断できない。

無事に採集してから別の堆積へ移動。オサムシと違ってすぐ周囲からガロアムシが見つかるとは思えないので移動を余儀なくされるのだが、そこでは先ほど同様、気が付いたら2匹目のガロアムシが登場していた。どうやら掘ってから姿を確認するまでにタイムラグがあるらしい。そして3匹目も似たような状況で発掘したのだが、こちらは逃げられてしまった。生態写真を撮りたかったのだがとてもじゃないがそんなチャンスには恵まれない。そして今日見た3匹ともに体格の良い終齢幼虫か、その一歩手前だったように思われた。願わくば成虫が欲しかったのだが、それはまた今度。とりあえずこの幼虫たちは飼育しよう。
無事にリベンジを果たせたので帰りはバス利用。混雑していたが歩いていくよりは疲労度が格段に軽減されると思えば耐えられる。
あとは来た道を引き返すのみ。途中品川ではスタンプラリーを達成したついでにクリアファイルをもらう。
帰宅してからは明日の準備を…
~・~・~
ということで明日から28日まで高校の臨海実習のTAとして参加してきます。610が現役のころは勝山寮でやっていたのですが、去年?から油壺にある東大の研究所を使うことになったとのこと。初訪問なので楽しみであると同時に、自分はTAであるという立場も踏まえた行動を取れるよう(要するに自分が磯採集を堪能しすぎないということ)気を付けないといけません。
ブログの更新は28日まで放棄します。 続きを読む


谷沿いにアプローチを仕掛けてはガロアムシを探すのだが、どうにもしっくりこない。ガレガレした場所が乏しく(石がゴロゴロしていない)、土質も固く、オサムシが越冬する分には都合がいいかもしれないがあの柔らかなガロアムシが好きこのんで入り込むとも思えない。それに谷は険しく林道からは近寄れない。

石の下にはカゲロウの亜成虫(成虫の前の段階)と思しき個体が潜んでいた。

あてもなく林道をフラフラと歩いていると、目に入ってくるのは山かます。昆虫のなす繭の中でもその美しさは最たるものだと思う610にとっては、手が届く限りのものはすべて回収しておきたくなる。

この木の下には谷が深く刻み込まれているのだが、登れば山かますが2つ手に入る。落ちたらここへ戻ってくるのは大変かもしれないが死ぬことはないだろうと肝を据えて真ん中あたりまで登って無事に採取。これらも含めて5つ取った(一つどこかで落としたようだ)が、それぞれ微妙に色が違っていて面白い。
いくら寝坊したとはいえまだ11時過ぎ。このまま帰るのは勿体ないというかガロア屋としてのプライドが許さない。裏高尾でリベンジをしようか。どうせ高尾で乗り換えするのだから交通費は余分にかけなくても済む。でもハイカーが多そうでいやだなあ…
結局高尾で下車して木下沢林道まで歩いていくことに。思えば昼ごろ高尾に来るのも久々のことで、やはり登山者が多い。それに加えて梅園が解放されているということもあってか車の往来も多く歩いていて嫌になってくるが、どうせここにいる人たちの誰も立ち入らないような涸れ沢の上流でひたすら石を掘ることになるのだから、と思うことで気を紛らす。

このイシノミの複眼を見よ!
ガロアムシ調査で探し方のコツを体感出来たのでさっそく応用にかかる。今までは「石起しこそガロア掘りのAでありZである」というような信念に沿っては悲惨な結末をもたらし続けてきたのであるが、全てのガロアムシが石を起こされるのを待っているわけではない。沢の両岸というか、直接水のかからない辺りの堆積を鍬でもって掘り起こす作業を延々と行う。これは崖を掘るだけで良いオサ掘りと違ってかなり腕が疲れる。そしてガロアムシの生息密度の低さを思うとなかなか気の遠くなるような作業にも思えてくる。
すると何の前触れもなく、突然視界にガロアムシの幼虫が現れた。不意打ちをかけられた610はたじろぎ、アタフタしているうちに悠々と小石の隙間からどこかへもぐって行くのを見届けてから我に返って慎重に潜った地点を掘っていくと、また何事もなかったかのように再登場。とにかくじっとせず動き回っているので捕まえるのは至難の業。無事にタッパーに移しても壁を登ってくることがあるから油断できない。

無事に採集してから別の堆積へ移動。オサムシと違ってすぐ周囲からガロアムシが見つかるとは思えないので移動を余儀なくされるのだが、そこでは先ほど同様、気が付いたら2匹目のガロアムシが登場していた。どうやら掘ってから姿を確認するまでにタイムラグがあるらしい。そして3匹目も似たような状況で発掘したのだが、こちらは逃げられてしまった。生態写真を撮りたかったのだがとてもじゃないがそんなチャンスには恵まれない。そして今日見た3匹ともに体格の良い終齢幼虫か、その一歩手前だったように思われた。願わくば成虫が欲しかったのだが、それはまた今度。とりあえずこの幼虫たちは飼育しよう。
無事にリベンジを果たせたので帰りはバス利用。混雑していたが歩いていくよりは疲労度が格段に軽減されると思えば耐えられる。
あとは来た道を引き返すのみ。途中品川ではスタンプラリーを達成したついでにクリアファイルをもらう。
帰宅してからは明日の準備を…
~・~・~
ということで明日から28日まで高校の臨海実習のTAとして参加してきます。610が現役のころは勝山寮でやっていたのですが、去年?から油壺にある東大の研究所を使うことになったとのこと。初訪問なので楽しみであると同時に、自分はTAであるという立場も踏まえた行動を取れるよう(要するに自分が磯採集を堪能しすぎないということ)気を付けないといけません。
ブログの更新は28日まで放棄します。 続きを読む
Posted by Impulse610 at
18:10
│Comments(4)