2016年06月23日

人生

「kawaii理科プロジェクト」に物申す理系のひとたち - Togetterまとめ

同じ大学出身の人たちを中心に作られたまとめがあるのだが,なんだかなあと感じる.
この,自分たちの身近な叩きやすい話題に対して言いたい放題言っている態度が気に食わない.
ああだこうだ言うものの,問題解決に向けてつぶやく以上の行動を起こさない.
それでいて,相手に対する軽蔑を感じさせるような態度でプロジェクトの問題点を指摘する.

現状多くの問題があるようだが,理科嫌いに対する問題提起として行動を起こしている点においては,このプロジェクトをリスペクトすべきだろう.
ただ好き放題つぶやいているだけで,具体的な解決に向けた行動も起さない,単なる叩きやすいネタの消費に終始するようなことを,聡明であろう人たちが行っているのを目の当たりにすると寂しい気持ちになる.

だいたい,ほんとうに問題だと感じるなら,まずプロジェクトの関係者に問い合わせをするべきだろう.
問題のtweetを見て,このプロジェクトの一次ソース(webサイト)に直行し,お問い合わせのメールを送った人はいるのだろうか.

大学で科学的教育を受けているのなら,
このような問題に直面したとき,解決に向けて取るべき行動はどんなものか学んだか,実践しているはずである.
不確かな情報源をもとにして,大した調査もせず,「自分の意見=理系一般の意見」と誇大に解釈して,
しかもそういう意見を直接相手に言うわけでもなく,単なるつぶやきとして発信する.
そして,同じような所属の人たちの意見を集約して上記のリンクのようにまとめ,それでひと段落.
今回は幸いにもプロジェクトの人たちがtwitterをやっていて,色々な意見に目を通してはいるので伝達自体はしているらしい.
しかし,twitterをやっていなかったら,意見は届かないのである.

同胞が抱く懸念はさもありなんと思うのだが,
その表明の仕方においては,スポーツ観戦をしている観客が飛ばすヤジと同じくらいの価値しか見いだせない.

Webページにはプロジェクトのメンバーが掲載されている.
彼らが大学院生あるいは教員ということが,その内容から伺える.
そういう人たちが行うプロジェクトに,どうして突っ込みどころの多い問題が生じてしまっているのか.

恐らく,企画しているのは若い院生たちなのだろう.
彼らもしっかりとした科学的教育を受けているはずだが,まだしっかりとした筋が完成していない.
そういう曖昧な状態のまま,ミーティングに出席する.
参加している院生の多くがそんな感じだったりすると,隙の多いものが仕上がってしまう.
実際はそんな感じだと推定できる.

そうやっていろいろ時間を割いて企画運営しているであろうメンバーの苦労もよそに,鬼の首を取ったように偉そうに文句を言う.
困ったものだ・・・

明らかに問題行動をしていたら厳しい態度で叱責するのももちろん必要である.
でも,見ず知らずの人―しかもある程度科学的素養を持っている―が表層的な理解に基づき高慢な態度で指摘してきたとして,
それが建設的な議論につながるとでも思っているのだろうか.
そんなんだから,いつまでたっても理系の人たちはとっつきにくい,理系の世界は暗いという印象をぬぐえないのではないか.

思うに,こういう話題はtwitterで議論すべきではない.
もっと時間をかけて腰を据えて話し会うべきもののように思えるし,
科学的営みというものが時間をかけた議論によって行われているわけだから,
今回の件のような問題に対しても,そういうアプローチで臨むのが,科学教育を受けたものが取るべき振る舞いだろう.
そもそもtwitterでしっかりとした議論を展開するにはそれなりの素養が必要だろうし.

~・~・~

久々の長文投稿でした.  


Posted by Impulse610 at 06:06Comments(0)