2014年05月19日

カワゲラの居場所にいたのはクワガタ

昨晩は餃子をたらふく食べ、23時前に就寝。すごく恐ろしい夢を見て2時15分に目が覚めたのだが、内容を失念。
今朝は7時起床。菅平のアメダスを見てみると、最低気温が-0.1℃を観測していた。下界、例えばつくばでは最低気温が14.4℃らしいのだが、すでに雲泥の差である。まあ昼間になればあったかくなるのだが、センター内では暖房がストップしていて室内はとても寒く、未だに冬の服装でいたほうが快適であったりもする。寮を出る前にカッコウの声を認識。初めて聞くわけではないが、中学校の林間学校で野辺山に行ったときに聞いたり、或いは日帰りの採集で高地に来たときくらいにしか耳にしないので、シーズン中毎日のように聞ける環境にいるのは初めてのことである。

・ドイツに関する話し合い
9月の初めに無翅昆虫学会というのがあり、BOSSと無翅昆虫を研究しているTさんがそれに参加すると同時に、著名な昆虫形態学者のいる研究室へ有翅昆虫組も含めてお邪魔しいろいろ教わろうという話である。補助が下りるとはいえ、車を手に入れるであろう後にさらなる出費を両親に乞うことに対する抵抗感もあるし―恐らく金銭的に無理だとはおもうが―一週間近くもカワゲラからの支配から逃れることは許されないことである。そのため、参加を見送ることにした。

先日から懸念していたホソカワゲラは、正常に発生していることが確認された。一緒に採れたオナシカワゲラの卵がダメそうな感じになっていたのだが、これでいい気分になる。10個の卵の処理をすると半分程度はつぶしてしまうし、しかも1卵当たりにかかる下ごしらえの時間が全カワゲラ中最大であるだけでなく、その際に生じるストレスも半端ない、そして何より、数が少ないという最高難度の材料なのだが、まさにカワゲラに支配される人生がこの卵にかかっているのだと思うと俄然やる気が湧いてくる。

ホソカワゲラとのバトルを終え、お昼ご飯を採ってからホソカワゲラの追加のため滝へ向かう。
カワゲラの居場所にいたのはクワガタ


gxr S10を手に入れたため、ようやく滝の近くで撮影できるようになった。ご覧のとおり、まだ滝の周りは枯れているのだが、先週までわずかに残っていた雪も無くなった。ちなみに菅平では桜が散り、木々も芽吹いてきている。

いつものように石の上を見ながらカワゲラを探していく。序盤で卵を抱えているオナシカワゲラを立て続けに2匹発見、素晴らしい。ホソカワゲラもうじゃうじゃいる。淡々とカワゲラを吸いこんでいたのだが、ふとある石の上に眼をやると、2センチ程度の甲虫がいる。滝の周りはカワゲラだけでなくキクイムシとかハネカクシといった小甲虫がよく止まっていて不思議に思っていたのだが、この虫は何だろう、ハムシか何かかなあ・・・いやこれは、ハムシじゃない・・・
カワゲラの居場所にいたのはクワガタ


クワガタだああぁぁぁ!!!

パッと見た感じ、クワガタに思えないかもしれないが、このクワガタはブナの新芽が出るような時期に現れ、ブナの新芽に頭を突っ込み、新芽をかみ切って出てくる汁を吸って生きるルリクワガタというグループのものである(おそらくコルリクワガタ)。先輩からセンター内でも見つかっているとの情報があり、いつか見てみたいものだと思っていたのだが、まさかカワゲラの居場所で見つけることになるとは思ってもみなかった。それにしてもなんと美しいことか。カワゲラ探しを放棄してコルリ探し・撮影に没頭したくて仕方が無かったが、もちろん許されない。野外で写真が撮れたことだけでも感謝すべきことである。
カワゲラの居場所にいたのはクワガタ


コルリも念頭に起きつつカワゲラを探していると、なぜか今度はアメンボが見つかった。たしかに滝の周りは風も強いし水も波打っていてすいすい泳ぐのは難しいだろうし、陸に上がって避難する気持ちも分からないでもないが、滝壺の周りで泳いでやろうと思ったであろうそのガッツに溢れる冒険心は評価に値するだろう。
カワゲラの居場所にいたのはクワガタ


ホソカワゲラは今までで一番沢山いたような気がする。体長は1センチ程度だが、幅が2ミリくらいしかなく本当に細長い。だが遠くから見ると翅が反射して石から浮き立つので、カワゲラに支配されるようになれば見つけるのはたやすいことである。

さて沢山捕まえたのはいいのだが、それを飼育容器に移すのは地獄である。今日も2時間くらい作業に時間を取られ、数匹のカワゲラが研究室に舞ってしまった。もっと楽なシステムを考えないといけない。

~・~・~

明日も滝の方へ行ってコルリ探しをしたくなりましたが、まあカワゲラに支配されるのがオチでしょう。



Posted by Impulse610 at 18:10│Comments(2)
この記事へのコメント
コルリクワガタ、沢で見つかるとは驚きですね。
沢沿いにブナがあったのでしょうか?
私もいつか見てみたいです。
Posted by rvstone313 at 2014年05月20日 21:02
rvstone313さん

見つけたときはハムシか何かかと思いましたね。滝の周りはそこそこ開けているので、何となく立ち寄ったのかもしれません。ブナは無いようです。
Posted by Impulse610Impulse610 at 2014年05月22日 21:36
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