2014年12月07日

私はイカルの奴隷になりたい

今朝は7時ごろ起床。早起きをしたかったが叶わず、だがひとまずセンターによって朝ごはんを済ませ、鳥見道具を用意してから上田に降りる。本日のアメダスによれば今日は菅平に来てから一番冷え込んでおり、路面も白くなっていたり凍っていたりしていたので山下りに緊張を強いられたのだが、ゆっくり走ったからか死を感じるような場面には立ち会わず。ただ何度か「ああこれはスリップしているなあ」と分かる場面に出くわす。


ちなみに雪が降るとこんな感じになる。幸いにも菅平の雪はさらさらなので雪を払うのはたやすい。


道はこんな感じである。初めて菅平に来たときにこんな状況になったら死を覚悟しそうな世紀末を予見させるが、ここは天気が良いと見晴らしも良く気分の良い道路である。
上田城には9時過ぎに到着。さっそくお堀に向かい、久々にスズメを見る。菅平ではまだ見ていないのだが、そもそもいないのかもしれない。




お堀にはカルガモ・マガモ・コガモしかいないようだ。カルガモは菅平湿原でも見ているのであまりグッと来ないのだが、あちらと違ってここにいるカモたちは人をあまり恐れていない感じで観察しやすい。


ヒヨドリも近い。いや、近すぎる。呑気に草をついばんでいたが、そんなんで大丈夫なのかこの界隈は。


オシドリが見当たらず、陸の鳥の探索に切り替えようかなと思って梢の方を見てみたら見慣れた鳥が群れている。もしやと思い確認してみたらやはりイカルであった。寒くなっていなくなってしまったと思っていたが、こんなところに降りてきていたのか。無類のイカル好きの610にとっては素晴らしい発見であり、オシドリがいてもいなくてもどうでもよくなってしまうくらいの出逢いなのであった。
その後イカルを求めてフラフラしていたのだが、梢の方で済ました声で鳴いている彼らは気配に敏感で近寄らせてくれない。また来週リベンジするかなと思って帰ろうとしていた時、彼らは空気を読んだ!


ああ、なんと美しい御姿…


灰色の地色に黒と黄色のアクセント。この完成された様式美に見とれるばかりである。配色で卒研発表のスライドを構成したいくらいである。


ご覧のように美しいイカルでも、なんだかお茶目に見えてしまう一瞬がある。そこがまたグッとくるものである。


これを絶景と呼ばずして何と呼ぼうか。




まっすぐと人生を見据える姿に心が打たれる(くちばしの汚れは見えていない)。ありがとうイカルさん。私も人生を直視して真直ぐ生きていくと誓います。それにしても、イカルというお名前の何と心に響き素敵なことか…

さてイカル祭りを終え、買い物を済ませて帰菅。昼食後解剖合宿(EB61610 菅平動物解剖学実習 不定期開講, 個人科目, 61.0単位)2日目を開始。


本日はアオダイショウの皮標本および全身骨格標本作りを実施。轢かれて死んでいたはずだが、皮が数か所破れているのと頭骨が若干壊れているのを除いて状態が良かったため、ヘビ類初の骨格標本を作ってみる機運が高まった。今までは骨がたくさんあってどうにもやる気が出なかったのだが、同質的な骨格が連続的に並んでいるおかげで除肉がしやすいという発想の転換に行きついたのであった。また、スクレイパーの導入により、皮なめしがものすごく楽になったこともあり時間的余裕が生まれたことも大きい。4時間半ほどかけて、皮は乾燥・整形まで終え、骨はパイプ洗浄剤で除肉し来週以降に持ち越す段階まで仕上げる。ヤマドリと野菜を炒めた晩御飯のおかずに感銘を受けてから―メスはオスより肉が柔らかいような気がする。これ火が通っているの?と不安になるくらいに柔らかい―カモの翼標本に挑む。


生態学研究室の先輩がマガモのペアを頂き、いろいろあって翼標本作りの任を与えられた。昨日のヤマドリと違って狩猟で得たものだからか、とにかく状態が良い。この美しい状態をどこまでキープできるか気になるところだが、ひとまずメスの翼を1つ仕上げる。本当は4つ全部やってしまいたかったが、思いのほかヘビに時間がかかったこと、少しはセーブしないと明日からのカワゲラ隷属生活に影響が及ぶことなどを考慮して20時半過ぎに終了させる。


昨日のヤマドリとマガモの比較。整形の仕方もあるだろうが、マガモが羽化したてのスズメガで、ヤマドリがボロボロのヤママユガのように見えてしまう。そしてその見え方を信じれば、彼らの飛翔能力の違いを示唆しているようにも思える。色々な動物で比較すれば翼の形態と飛翔力の相関を見出し分かるかもしれない(そういう研究はとっくになされているだろうなあ)。21時過ぎ帰寮。外の気温が朝より寒くなっていて驚く。

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さて、解剖セットは撤収しました。平日はなるべく趣味を隠してカワゲラに隷属していかないといけません。
  


Posted by Impulse610 at 18:10Comments(0)