2014年10月23日

ゼミから解放される人生

今朝は7時15分ごろ起床し45分ごろ出発、例によってミネトワダカワゲラの様子見と固定卵洗浄・卵固定を行う。このところ死亡個体の発生率が上昇中で懸念材料であるが、補充したらしたで卵地獄に一直線ということを考えると、どっちに転んでも闇である。
さて午後のゼミでは以下2本の論文を紹介:

Shigekazu Uchida, Yu Isobe (1988)
Cryptoperla and Yoraperla from Japan and Taiwan (Plecoptera: Peltoperlidae)
Aquatic insects, 10(1): 17-31

James H. Marden, Melissa G. Kramer (1994)
Surface-Skimming Stoneflies: A Possible Intermediate Stage in Insect Flight Evolution
Science, 266(5184): 427-430.
http://www.sciencemag.org/content/266/5184/427

前者はノギカワゲラとミヤマノギカワゲラの分類体系を整理したもので、後者はカワゲラ(とカゲロウ亜成虫)に特異な "Surface-Skimming" という飛翔スタイルが、昆虫の翅の起源を説明するモデルの一つである「鰓起源説」の傍証になる可能性を示唆したものである。Surface-Skimming とはどんなものかは、以下のリンク先の動画を見るとお分かりになろう(重いかもしれません)。なかなか面白い内容だと思うが、カワゲラよりもカゲロウの方がより祖先的な分類群であるから、亜成虫を扱うのは難しいとは思うが、カゲロウで調べた方が説得力が増すだろう。付け焼刃の知識ではあるが、データが随分きれいに出ているように思う。Scienceに掲載されるだけのことはあるのだろうなあ。
http://www.personal.psu.edu/jhm10/movies/SixLeg.mov

さて、前回のゼミの準備を含めて3週間近く拘束されてきたわけだが、これにてようやく解放された。ゼミが終わったらアナグマの歯を接着することに決めていたので早速取り掛かる。




ビックリするくらいに白い。3週間水に浸けていただけだが、脂もすっかり抜けてしまったのだろう。容器のふたを開けたときに襲ってきたあの言いようのない外見と腐臭が通過儀礼であったとしても構わない美しさである。つくばにいた頃はこの手法を知らなかったのが惜しいことである(知っていたらうまく分割してかさを減らすことで、宿舎内でも平気で肉を腐敗させただろう)。これからはこの手法を採用してどんどん骨格標本を作っていきたい。ただ、菅平では野外に水を張ったコンテナを放置できなくなるので、必然的に室内に邪悪な物体を保管する必要に迫られるのが悩みである。しばらく全身骨格は諦めて頭骨に絞っていった方が良さそうである。
ちなみに、パイプ洗浄剤で化学処理した影響もあるかもしれないが、においは全くない。


さて下顎骨の臼歯を引っこ抜いてみたところ・・・細い歯根が密に生えている不気味なありさまを知ってしまった。歯根は無いよりあった方が頑丈になるだろうが、こういう細いものでも折れなければ作るコストを気にする必要が無いのだろうか。

その後夕食の前後に第4と第9(!)のカワゲラの蛍光観察の準備を行い21時過ぎ帰寮。

~・~・~

本日ゼミを無事に切り抜けたため、今週末は「剥製合宿」と題しトリとモグラの剥製づくりを行うつもりです。明日はその材料調達並びに土日の時間を少しでも剥製づくりに充てるべく、山を降りて買出しに行くつもりです。もちろん、これらの振る舞いは決してカワゲラへの隷属に優先することはありませんが…



Posted by Impulse610 at 18:10│Comments(0)
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