2014年05月08日

SEMに支配される我が1日

今朝は7時半起床だった気がする。
センターに到着してしばらくしてから徒歩で帰宅する20時になるまで、殆どの時間を走査型電子顕微鏡関連の作業に費やし、その大半は資料作りの時間であった。すなわち、昨晩水和させたとあるカワゲラの卵を再び固定し、脱水させ、乾燥させ、金蒸着をして、ようやく観察にこぎつけたのである。比較的大きくて丈夫そうな卵を8つ用意したのだが、気が付けば全ての工程をクリアできたのはわずかに4つ。ある程度無くすことを前提にして準備するのが吉だろう。それが許されるほどにカワゲラの産卵数は多く、卵は小さいのである。
ちなみに資料の出来は良好で、大変きれいな卵を観察することができた。もちろん比較的頑丈な卵を採用したこともあるのだが、これで610は一人でSEMをいじるためのお作法がある程度身についてきていることが確認できた。たいそう時間を食ってしまうことがネックなのだが、資料を作ってしまえばあとから何度でも観察できるわけだから、行程中に生じる待ち時間をうまく利用することで、ほかのグループの卵もどんどん準備していきたい。

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明日はゼミがあります。前回発表を行ったので今回は聞く側です。先輩方の話し方や着眼点、議論の仕方などを学びたいところです。
SEMでいい写真を撮れたこの気分を利用して、明日は蛍光染色の下ごしらえに着手したいものです。

本日、BOSSからある論文を渡されました。BOSSの後輩で、610の前にカワゲラの研究を行っていた方のもので、軽く目を通してみたところ、自分が取り組もうと思っていることとオーバーラップしていて、果たしてカワゲラに支配される我が人生を送ることに意味があるのかと消極的な疑問が湧いてきました。簡単に言えば、先行研究の追認をしようとしているだけなのではないかという、自分のやっていることに対する無意味さを見出したのでした。
ああこれはBOSSと相談した方がいいのかなあと思っていたのですが、SEMによる支配から解放されたときにBOSSからとても積極的なお言葉を頂き、考えを改めるというか、先行研究で知見を得たときに取るべきモチベーションのあり方を垣間見ることができました。簡単に言えば、先行研究は私の敵ではなく味方であると考えることです。また、論文に書いてあることが真実を射抜いているとは限らないわけですし、違う結果が出たなら出たで、そのもっともらしさを論理的に主張すればいいだけのことですし、自分の考えと近いと感じたらそれを踏まえてさらに広くて深い知見を加えていけばいいだけのことです。
そういうポジティブさで持ってもう一度内容を思い返してみたところ、この論文を基にして新たな知見を増やしていくことはそう困難なことではないのだろうという感じがしてきました。それに今の610にとってはとても有益な情報がちりばめられているものでもあります。

まあ、全ての元凶は軽く目を通しただけで中身をしっかり読んでいなかったり、或いは知識が不足していることにあるのですがね。論文を読んで何が明らかになっていないのかはっきりさせないことには研究も始まりません(ちなみにこの精神はロシア政治で学びました)。


Posted by Impulse610 at 18:10│Comments(0)
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