2014年03月17日

二狸を追うもの一狸しか得られず?

今朝は8時起床。冷凍タヌキを外に出し、しばらくエンジンが入らなかったのだがお昼過ぎからトビの除肉作業を開始。採取した当時は匂わなかったのだが、どうも上腕骨あたりがにおう。なぜなのかなあと思案したのだが、どうにも髄に水が入り込んでしまっていることが影響していそうだ。
毎度のことだが、除肉を続けているとだんだん精神がすり減ってくる。同じ解剖道具を大した手入れもせずに何度も繰り返し使っているから切れ味が悪く、ただでさえ強靭にこびりついている腱や正体不明のヌルヌルした膜状構造に何度も何度も挑んでいると作業効率の悪さにイライラし、脚の指先に到達すればパーツが小さくてまともな作業ができなくなる上に、翼・脚の中で最も肉や腱が緻密なところであるから、適宜休憩をはさまないとやってられない。
で、息抜きを兼ねて16:30頃にこのブログを書いているのだが、進捗状況はというとトビの体幹部(脊椎と胸骨)以外の除肉が完了したにとどまっており、タヌキは未だに凍ったままである。今日は暖かだからすんなり解凍されると思っていたが、読みが甘かったらしい。最悪、剥皮できれば良いので表面だけでも解けていてほしいが、その前にトビを片付けねばならない…

一講に解けることを知らないタヌキは、水を張った衣装ケースに本体を投入することで回答を促す強硬手段に打って出るしかない。四肢が動くようになり、何とか正中線を確保できそうになったので無理やり剥皮を開始したのだが、皮と肉の間に指を突っ込んでいけばどんどん剥がせていくので道具いらずなことと(手袋はした方が良い)鳥と違って皮が切れないのでなかなかいい気分である。
こうして延々3時間くらい皮を剥ぎ、いよいよ顔面に差し掛かったのだが、悲しいかな鼻面の毛が次々と脱落していった。腐敗していたのか水を吸い過ぎてしまったのかよく分からないが、剥皮標本を作ろうと思っていた610の野望を一瞬にして打ち崩してしまった。だがしかしめげてはいけない。慎重な剥皮(途中で大雑把になったが)によってタヌキの全容が見えてくるに従い、蓄えている脂肪の多さとか、腹斜筋の整然とした様子、思っていたよりも小さな子宮といったものが観察できたのだし、拾った当初は外傷もなく病死の可能性を感じたものだが、右耳と鼻から出血していたし、右大腿部には痛々しい内出血の跡もあったから、急ブレーキをかけてゆっくりになった車に衝突してしまったのだろうことも推測できる。
ちなみに内臓は腐敗が始まっていて小腸が溶けていたこと、血抜きされていない血がたまりにたまってどす黒くなっていたこと、何よりも長時間の作業で忍耐力が欠如してしまったことにより観察を断念。翌朝に除肉をすることにし、大まかなパーツを切り分けてから作業を中断。明日の朝は煮込み作業に追われそうだ…

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明日は波崎でビーチコーミングをしてきます。何でもYさんが車を使って610を捨ててきてくれるとのことです。ありがたく捨てられてこようではありませんか!



Posted by Impulse610 at 18:10│Comments(0)
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