2013年11月29日

久々の骨いじり

久々の骨いじり


さて昨晩は、17時を回る前から夕食を取り始め、17時40分頃から解剖を始めたのだが…腹部から切開しようとすると、毛が毟れる。う~む、いやな予感がする。そういえば昨日は、お腹の方がへっこんでいるのが気になったと書いたが、切開をすることでその理由がなんとなくわかった。あはれ、内臓が腐りはじめていたのである!あるはずの腸が無くなってしまっていたからお腹がへっ込んでしまったのだろう。それにしても、もともと小さいヒミズ、腐ってしまっているとにおいも強烈だし、毛皮もはがしづらいし、筋肉の色合いも新鮮味がまったく感じられず何ともグロテスクである。
久々の骨いじり


更には背骨も折れてしまっていた。拾った時は斜面の脇に落ちていたので、新しい住処を探している途上で力尽きたものだと思っていたのだが、もしかしたらネコか何かから攻撃を受けたのかもしれない。しかし幸いにも頭骨は破損しておらず、そのことで何とか解剖を続けることができた訳だが、腐りかけの筋肉と格闘するだけの集中力が切れてしまい、1時間もしないうちにギブアップ。まあ、骨作りを根本から諦めたわけではなくて、骨格標本作りの為に必要不可欠な除肉を、タンパク質分解酵素に代行してもらうことにしたのである。骨の状態が良くても、肉が腐りかけているものをいじることはあまり続けたくはなかったのだ。610としては、つい10分前まで食卓であった場所で獣をさばくことに抵抗はないわけだが、どうやらそれは新鮮な個体に限られることで、腐っていたり、腐りかけている生き物を「生で」いじることは苦行であるらしい。
ひとまず大まかな皮剥ぎ・除肉を終えたヒミズを水と共にタッパーに注ぎ、そこにさらにパイプ洗浄剤を1錠投入し、試験運用中らしい温水暖房の装置の上に放置。これが24時間稼働してくれれば困らないわけだが、しばらくすると暖房が仕事を放棄してしまうのが難点である。

さて今朝は7時に起床。論文読解を後回しにして、ヒミズの除肉作業を優先する。やはり昨日とは段違いに作業がやりやすくなっており、素手での除肉ができるようになった。ピンセットとかメス、ハサミを使っても除肉はできるが、やはり素手で行うのが一番手っ取り早いし、骨や筋肉、筋の様子がよく分かる。
久々の骨いじり


左腕が取れてしまったことと、頬骨を両方とも破壊してしまったことが悔やまれるのだが、それ以外は今のところ深刻な失敗は無さそうだ。今後は四肢や肋骨、脊椎といった強敵と向き合わねばならないのが不安ではあるが、問題は先延ばしにして、再びパイプ洗浄剤に漬けこむ。

処理が終わってから部屋の掃除を始めたのだが、その時に菅平の虫採り実習で採集した標本の中に蟻の行列を見出した。彼らの巣は10月に入る前に一度駆逐したはずなのだが、どうやらまだ残党が居座っているらしいことは、いつもパソコンをいじっている時に蟻がキーボードの上を通過していることからも明らかであった。ここにきて実害が出たので駆除を行うことにしたが…
久々の骨いじり


コピー機が無いのになぜかコピー用紙は常備していて、それをどかしてみたところ、彼らの住居を発見。
久々の骨いじり


久々の骨いじり


前回駆除したときには、ワーカー、ソルジャー、卵、幼虫その他もろもろをエタノールプールにぶち込んでいるため、今回改めて標本採集をする必要は無い。しかしまともな写真を撮っていなかったと思い出し、彼らが四散する前に撮影だけは済ませておいた。ソルジャーに特徴があるので、調べれば種名が分かるかもしれない。ということで絵合わせしてみたところ、イエヒメアリに似ている。
さて彼らはコロコロによって一掃されたのであった。冬越しの為にやってくるテントウムシとかハムシとかカメムシたちは放っておくのが常だが、アリたちはひと様の標本とか蛇の皮、シマヘビが食べなかったカエルを勝手に食べるので虫たちに寛容な610でも放っておくわけにはいかないのだ。

さて電顕バイトの最中はあまり深く物事を考えることはできなかったが、これからどうやってやどけんに関わっていくのがいいかを考えてみた。やどけんではあまり4年生やOB・OGが現役生と関わらないのが通例だったようだが、その通例に従ってやどけんの活動から身を引いてしまうのが何となく躊躇われるのである。もちろん上級生が居座り続けることで下級生が窮屈に感じるようだったら参加しない方が良いと思うが、干渉の仕方をうまくずらせれば双方に利益があるかもなあ、と思う次第である。例えば、夏合宿の行き先についてはOBOGが口出しをせず下級生に決めてもらい、合宿先で落ち合って現地で一緒に生き物さがしをしたり情報交換ができたりするとよいと思うのである。あとは、たまにミーティングに来て企画を持ちかけたり、葬崩災や新歓祭のときの活動をサポートしたりできれば日常的な交流も可能かもしれない。
これができるようになるための課題は、OBOGの集いを同期との憩いの時間にしてはいけない、ということだろうか。現役の学生の貴重な時間を、我々年上の人たちのノスタルジーの追憶でもって蝕んではいけない。同期で集まるのなら集まるで別個のグループを作ればいいし、何も現役生を巻き込む必要は無い。ここで大事なのは、接点がどんどん薄れていく下級生とも、やどけんを通した生き物観察(必要ならば飲み会)で一体感を作り出すことである。
これは結構難しいことである。5歳も6歳も、あるいはそれ以上も年が離れた人と打ち解けるのがどれほど難しいことか、賢明な読者の皆さま方なら何となく察していただけよう。上の人たちが現役生と交流を持とうとしてもうまくいかないのであり、それが現状のOB会と現役生との交流の少なさを反映している。
かくいう610は菅平へ行ってしまうので交流断絶街道まっしぐらなわけだが、果たしてつながりを維持することはできるのだろうか。そしてそのつながりというものができたとして、自分が現役時代につながりのあった小集団内での自己満足になってしまわないだろうか…

~・~・~

明日は例によって宝篋山に行ってきます。どうやら、昔やどけんに入りたいと宣言していた方がいらすようです。楽しみですね。



Posted by Impulse610 at 18:10│Comments(0)
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