2012年07月07日

乱れそめにし我ならなくに

なんと819起床。昨日は昨日で23時過ぎまで寝付けず夜更かしをしてしまったのだが、徐々に体が「つくば時間」へ移行していっていることを実をもって体感。とりあえずいつもの水色作業着に着替えて出発。途中道草を食いながら目的地周辺に到着。数年前に来ればきっとモートンもいたであろう休耕田を見つけて入ってみたのだが・・・
乱れそめにし我ならなくに


乱れそめにし我ならなくに


ハラビロトンボは宝篋山でも見かけることができるが、ツマグロイナゴはkojeeeさんに案内してもらったハッチョウトンボのいる湿地で発見して以来の再会。

それらしき場所を発見したのはいいが、610の思惑に反していたので見送り、付近で良さそうな場所を探す戦略に転換。クロゲンが一か所でしか発生していないのかは分からないが、周辺の様子からすれば移動の障害は無さそうにも思える。
ある田んぼに目をやると、随分水が湛えられている。私有地に勝手に網を入れるのは本来避けねばいけないことなのだが、マツモムシ、シマゲンがサクサク入ってしまうことに驚愕、イネには手を出さないよう慎重に縁を探索。
乱れそめにし我ならなくに


短時間で信じがたいほどのシマゲンを始め、ガムシやミズカマキリも見つかる。惜しくも目的のクロゲンは見つけられなかったものの、これだけ水生昆虫が豊富ならばいてもおかしくない気もする。一回網を入れればシマゲンが1匹見つかるような状態に置かれるとテンションがかくも高まるのかと良い勉強になったが、今回は「収穫欲」を満たすのみにとどめ、ガムシ以外はすべてリリース。ガムシは♂であったこともあり連れて帰ることに。一瞬クロゲンなのかと焦ったのだが、それにしては大きく、しかものろかったので若干がっかりしたのだが、自転車で行ける範囲で見つかると分かって非常にうれしい。

今度は掘割を見つける。何故か周囲に誰もいないので「ここ入ってもいいですか?」と聞くことができない。そういうこともあってずかずかと入ってしまうのではあるが、いちおうこちらにはそれ相応の言い分を用意してある。今回は個人的な採集というよりかはサークルの名を背負った調査のつもりであって(腕章をつけているのもそういう理由)、この辺りの水生昆虫の動態を知りたいので調べており、その成果は雙峰祭で生体展示などの形で還元したいと考えている。本来は周りに誰も居なくても、近くの家に伺ってその旨伝えたうえで探しにかかるのがマナーだと思うのだが、ここもまた非常に状態がよろしくてそんなことを忘れてしまうくらい熱中してしまう。
こちらではゲンゴロウの絶対数こそ先ほどの水田には及ばないのだが、目を疑うほどたくさんのイトトンボの幼虫、大小さまざまなタイコウチの幼虫、ミズカマキリ、ガムシとおおよそこの辺りの水生昆虫をほぼ網羅しているような場所であった。発見したことが無いので何とも言えないが、時期によってはここでタガメが採れるのではないか。何となくいそうな雰囲気はある。網を入れれば必ず何かしらの虫が入っている場所に立ち会ったのはおそらく生まれて初めてのことで、ある程度の情報は仕入れたとはいえ自分の足で見つけ出した達成感も相まってか、何とも形容しがたい楽しさに酔いしれる。
繰り返しになるが、自転車で行ける範囲でこんなに水生昆虫が豊富な場所があることが分かって、今まで自分には縁のない世界がこれほど近くにあることが分かって、居ても立っても居られない嬉しさに我を忘れてしまった、とでも言えようか。ゲンゴロウなぞ、六郷に住んでいたころには京急線のガード下の水たまりにいるハイイロ、マメゲンゴロウしかおらず、田んぼも大田区には恐らく皆無であって、水辺で網を入れることなぞ、およそ空想の世界でしかなかったのだ。ところがつくばに引越してきて、宝篋山やここではそれが現実にあることが分かった。ここで冷静になっていられようか?

このように久々に陽気にはなったものの、このような恵まれた環境はほんのわずかしか残されていないこともまた事実である。ちょっと場所をずらすと、似たような場所だというのに「不吉な紅い何か」がひしめいている。だいたい彼らがいる場所には適応力の高い水生昆虫しかいないことになっているのでそういう場所では捜索を行わないことにしているのだが、先ほどの場所にはアメリカザリガニはいなかった。彼らの適応力からすればあの場所に住み着くのも楽チンだと思うのだが、なぜ進出しないのだろうか。610なりに仮説の一つは思い浮かぶのではあるが、それをここに記すと今日訪問した場所が特定されそうなので敢えて公開することはしない。ただ、そんな小難しいことではなく、色んなフィールドで観察を続けている人にとっては簡単に思いつくのではなかろうか。
結局お目当てのクロゲンは見つけられずじまいであったが、いる可能性は捨てきれない。ここまで来るのがたいそうしんどいのではあるが、通う意味は充分にありそうだ。

さて、盛り上がった後の帰り道は非常に辛い。行きと同様に向かい風の中を走る辛さ、どら焼きしか摂取していないためのエネルギー不足、そして日ごろの運動不足(宝篋山一往復など運動には入らない!)により、ヘロヘロになりながら帰宅。こんなに朦朧とするのは記憶の無いことで、まあこれも仕方ないことだろうなあとは思いつつ、ゲンゴロウ水槽に新たにガムシを入れるとキャパシティを越えそうに思えたので、「ガムシ水槽」の新設を決定、体力を回復させてからタヌキモを取りに向かう。
乱れそめにし我ならなくに


昨年同様キイトトンボを発見。とりあえずいることは分かったのだが、生憎採集道具を持ってきていない。そのうち捕まえておこう。
乱れそめにし我ならなくに


6月中旬あたりからそこらじゅうでよく見かけるこの花。らせん状に花を咲かせる様子から、なんとなくランの仲間なんじゃないかなと思っていなのだが、調べてみたらそのとおりで、ネジバナというそうだ。どことなく外来植物のような気もしていたのだが、百人一首に読まれている(別称もぢずりとして)ことから昔から日本に分布していたものらしい。しかし、去年はこんな花全く見た覚えがないのだが、なぜだろう・・・
乱れそめにし我ならなくに


そして水槽は3段になった。つくばにいる分ならこの程度の管理は問題ないのだが、実習や旅行で不在の時にはかなり面倒なことになる。今のところ帰省ついでに六郷でしばらく預かってもらう予定だが、それもそれで不安だからなあ…やどけん部室に置いておけたら最高だが、今のところ生き物たちは「私物」なので、誰かに管理を丸投げさせるのはどことなく抵抗がある。

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さて、明日は宝篋山近辺を巡ってみようと思います。この辺りで「ガムシ」がいたら面白いのですが・・・



Posted by Impulse610 at 18:10│Comments(0)
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