2011年08月19日

三角紙が足りない! 

5時起床。昨日寝る前に冷房をつけたはずだが部屋の中がやけに熱い。起きてみたら体が完全に布団から出ていたのだが、その原因は「暖房」を稼働させていたことだと分かる。610の操作ミスのせいだが、言い訳が許されるのであれば、石垣島に暖房は必要ないのでは?
MaxValueにてバナナ・酒・水を買いに行くのだが、ここまで西に来るとこの時間でもまだまだ暗い。東の空にオリオン座がはっきり見えて、星がとてもきれいに見えることに気が付く。
昨夜少し出歩いた段階で、市街地には全然昆虫がいないことが予想された。これはずいぶん意外な事態で、いくら海に近いとはいえ、勝山よりはるかに虫が少ないのは不思議だ。ちょっとした草地でコオロギが鳴いてはいるものの、自販機の灯りや街灯の集虫力の低さだけを目の当たりにするとここが石垣島であるのか疑問に思えるほどだ。ただヤモリはずいぶんたくさん張り付いているところに、かろうじて内地との「格の違い」を感じる。そんなことを考えているうちに、石垣第一号の昆虫を発見!



キイロヒトリモドキのようだ。ただ今は採集道具を持っていないためどうするわけにもいかず、放置。酒を買うときに年齢確認がされるかどうか気になっていたのだが、チェックはされなかった。購入品の組合わせで用途が見抜かれたのかもしれないし、20歳以上に思われたのかもしれない。
朝食はバイキング形式。610の食べるスピードは相当速いらしい。確かにMDSでもさっさと食べ終わってほかの人の終了を待っていたしなあ…

準備を整えてGTさん運転の車に乗り込みバンナ岳を目指す。ふもとのあたりでリュウキュウマツの立派な木を見かけたのだが、そのあたりでニイニイゼミの鳴き声が聞こえてくる。道沿いにはチョウがたくさん飛んでいて、見るたびにワクワクしてくる。展望台のある駐車場に差し掛かると、前方にはウスバキトンボの群れ。今まで見たことも無いような個体密度だ。バンナ岳には通り抜けできる道が整備されているのだが、工事のため通り抜けが出来なくなっていた。そのため駐車場周辺で捜索をすることに。






風景の撮影もそこそこに、オオゴマダラがハイビスカスに吸蜜しに来る姿を見つけ、これが今回の初採集種となった。とにかくチョウがとても多い。多すぎて目移りしてしまって逆に採れなくなったりするようなことは、なかなか内地では体験できない。YさんやGen君に教えてもらってミカドアゲハを初めて見、採集したのであるが、図鑑に書いてあるように(八重山地方のものは)表の青味が強く、一見するとアオスジアゲハとの区別がつかない(訪花時には青い斑点がやけに多いので判別可能となる)。宝篋山で取り逃がしたアオバセセリのリベンジを果たしたことも嬉しかったが、ここではキミスジを捕まえられたのが一番の収穫である。和名の響きが610好みであるだけでなく、迷蝶として石垣島で見つかってからまだ日が浅いということもあって、採集の瞬間は誰にも見られてはいなかったものの、心の中でひそかにガッツポーズ。
チョウだけでなくハチもずいぶんたくさんいる。花にどんどん飛んできているのだが、アシナガバチ・ベッコウバチ・スズメバチがその大半を占めているようだ。中でもツマグロスズメバチは日本ではこのあたりでしか見られない南方系Vespa(スズメバチの属名)であるから、内地での経験を活かして採集。すなわち、網の中にいるスズメバチを直接毒ビンの中へ誘導させるのだが、これだと採集が完了するまでに時間がかかるのが難点である。
ワァンワァンワァン…とヤエヤマクマゼミの鳴き声が聞こえてくるのはいいが、主を見つけ出しても網の届かないところにいるか、見つけてもすぐ逃げてしまうかで採集するのは難しそうだ。ところでこの鳴き声は内地のミンミンゼミのように聞こえる、と書けばもう少しわかりやすいかもしれないのだが、むしろクマゼミのシャアシャア…の部分が連続せず、シャンシャンシャン…と途切れているようにも聞こえた。言葉での表現には限界を感じるが、クマゼミとは同属なんだなあと思えてくるのである。



 展望台で休憩していたところ、林道へ突入しようとしていたYさんが採集可能な位置で鳴いているヤエヤマクマゼミを発見し、Gen君の網を借りて無事に採集。日本一大きなセミだけあってずいぶんと迫力がある。ただのクマゼミと違うのは、手で持っていてもあまり鳴きわめかないことだ。後に鳥に捕まえられた叫び声を聞いた時も同様、あまり悪あがきをしないらしく、その潔さ(?)には好感が持てる。
とりあえず何匹かは採集したときの感想も交えて報告したが、当然これ以上たくさんのムシたちを捕まえていて、その一種一種について書いていくといつまでたっても旅行記をまとめられない。とまあ、文章を書く上では取捨選択ができて便利ではあるのだが、実際採集にあたっていた610の三角ケース内では収容できる昆虫の頭数が飽和状態になってしまう。この先必要な昆虫だけを選別しようとしても、その判断が意味をなすとは思えない(=大体必要だから!)のでGen君に救済を申し入れ、三角紙を何枚かわけてもらう。とりあえず数匹を一つの三角紙に押し込むなりすればこの先の採集も続けられそうで安心するが、U君がホテルに戻ることもあってバンナ岳での採集品を宿に持ち帰るチャンスを得てひとまず窮地を逃れることができた。一応三角紙原紙は持ってきているので明日以降用意しておけばいいのであるが、事前の準備が甘かったのは言うまでもない。出発前にバナナトラップを仕掛け、市街地まで戻ってきたついでに昼食をMaxValueで調達。費用も時間も節約できるのはありがたい。





 この後はゲンゴロウがいるかもしれない池めぐりをしようと考えている。とはいっても採集地の選定は610が勝手にやっており、Gen君にきちんと意見を仰ぐ必要があったのかもしれないのだが、結局その池にはアプローチできなかった。というわけでその近くの川に降り立ってみるのだが、ここはトンボがとてもたくさんいる。今まではkojeeeさんの案内で数多くのポイントを案内されたのだが、ここの生息数の多さは多くのポイントに引けを取らないのではないかと感じる。ベニトンボはショウジョウトンボと同じように尾っぽを天にかざして日陰を用意しようとしており、タイワンウチワヤンマは枝先で淀みの侵入者を見張っている。川辺に降り立つと小さなトンボが飛び出してくるが、形態はイトトンボ様ではなくガッチリしている。これがコシブトトンボか! ハッチョウトンボを見る前だったらもっと小さく感じられただろう。
 GXはベニトンボの撮影をしているときに熱中症になってしまって使えなくなってしまう。しかしながらコシブトが目の前で打水産卵をしているではないか! まあGXでも撮影が成功するのかどうかは分からないが、やはりシャッターチャンスをAFの精度が悪いスペアカメラで撮って失敗すると悔しいものだ。コシブト♂のみの接写も、GXが稼働できればもう少し自分で納得のいくものが撮れたのだろうなあ…
 川の横にはサトウキビ畑が広がっていて、所々にコンクリートで囲まれた水たまりが設置されていて、そこではベニトンボやオキナワチョウトンボがテリトリーを張っている。あまり近寄れないのでいい写真が撮れるとは思えないのだが、AF精度が悪いスペアカメラに対する腹立ちは募る一方である。しばらく川沿いに歩いて行ったのだが、岸辺に降り立てそうもないので引き返して残り時間をアカナガイトトンボの捜索&採集に充てるも、結局捕まえられず。車に乗ろうとした際、目の前のススキに何かが止まる。緑色っぽかったがイワサキクサゼミか?と思い(当時まだ出現時期を把握していない)捕まえてみると…アオムネスジタマムシ! 内地ではヤマト・ウバ以外に大型タマムシには縁がなかったので発見できてよかった。



 そして本日最後の目的地、於茂登岳を目指す。時間的に登山は難しいと判断したので途中経由する林道で散策。オサ屋の習性として側溝があるとついつい覗き込んでしまう。石垣島でオサムシはいないか、いてもエゾカタビロくらいで全く期待してはいないものの、今回はなんとなくサキシマヒラタやヘビ・セマルハコガメがいるかもしれないなと思っていると、前方に大きな石を発見。何かいるに違いないとひっくり返してみたところ、大きなタイワンサソリモドキが鎮座していた。かっこいいと言われれば納得がいくが、610の場合は前半部分に限らせてもらいたい。よく分からないが気味悪く感じるのだ。下手に刺激すると尻から酢酸を飛ばしてくるという情報も加担しているようだが、一番の原因はその大きさにある。もう少し小さければなあ…
 そんなことを感じながらも、付近の石をひっくり返してはサソリモドキと対面していく。Mさんの先輩?がハサミムシを研究していて、今回捕まえられたらあげたいと仰っていたので探してみたのだが、予想に反して見つからない。それ以外にも本物のサソリを見てみたくもあったのだが、こちらもいない(サソリは木を探した方がいるみたいだが)。せっかくなのでサソリモドキはカタツムリの殻(クロイワオオケマイマイ?)と一緒に採集しておく。






 林道をしばらく歩いていると、イヌビワが落果していい匂いを放っているところに遭遇、たくさんのヤエヤマイチモンジが集まっている。スペアカメラ泣かせでピントが合わないのだが、こうやって群れている光景は本土で見た記憶がない。側溝にクワガタがいてもいい気がするが、イヌビワは好みではないのか、それとも生息密度が低いのか知らないがめぼしい虫はいない。歩いていくうちにコノハチョウ・コブナナフシ・クロカタゾウムシを発見。コノハチョウは沖縄県指定の天然記念物に指定されているためか、誰にも採集されないのをいいことに我々が近づいても逃げる気配を見せず、コブナナフシは擬態に絶対の自信があるようで、我々がいくらいじっても枯れ枝気取りを止めようとはせず、クロカタゾウムシに至っては自分より硬い虫はいないぞと言わんばかりに610の手の上を我が物顔で歩き回っている。
 於茂登岳登山道の分岐点へ差し掛かったが、崖崩れのため通行止め。沖縄県最高峰へ到達する目標はついえてしまう。気を取り直してクワガタの気持ちになってトラップを仕掛けて帰路へ。

ホテルに戻ってシャワーをひと浴びした後夕食を求めて市街地へ。海鮮丼を注文。いくつか名前のわからない魚を食べる。



 暗くなってからバナナトラップと街灯めぐりを実施。GTさんに運転してもらい、Gen君と3人で出撃。まずはバンナ岳の様子を見に行くが、トラップにはアリ位しか見つけられない。まあ設置して時間もたっていないから仕方ないかなあ…と街灯めぐりに切り替えるが、ここでサキシマヒラタの♀を発見! ずいぶんと大きいが、附節がいくつか欠けている。でもまあひとまず目標が達成されたから良しとしよう。ガ類はあまり採集する気が無かったので三角ケースをホテルにおいてきてしまったのだが、シンジュサンの存在を想定していなかったのは失敗だった。しかし星が信じられない位綺麗に見える。車に戻るまで上を向いて歩いていたら流れ星を目撃、何かいいことがあるかも… 続いて於茂登岳へ向かう。こちらでは大きく黒光りする虫がくっついていて一瞬期待してしまったのだが、直ちにヤエヤママダラゴキブリであることが分かり、そう簡単にクワガタが見つからないことを学ぶ。こちらは街灯も何もないため、灯りを消すと周囲は真っ暗になり、たいそう星がよく見えるのである。月も輝いていたので、肉眼だけでも林道を歩こうと思えば歩けるが、けっこう勇気がいるなあ…

 23時過ぎに部屋に戻って就寝。



Posted by Impulse610 at 06:10│Comments(0)
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