2017年02月18日

2017. 2. 17, 18 の人生

2.17
午前中に、”飢”えと”苦”しみ、”死”をれ”ん”そうさせる申請書についてBOSSと相談。投稿論文についてもついでに相談。
午後は電顕観察。はじめてまともに某法で観察したが、その簡便さと、観察対象にどんな変化が起こるのかを確認。

2.18
久々の仮剥製づくり。今年度の秋から冬にかけて入手したシメとマミチャジナイをさばき始めるが、シメは尾部の扱いを誤って尾羽をすべて切り落とすミスを犯してしまい、やる気がプッツンと切れる(仮剥製の中でも剥皮はべらぼうに神経を使う)。仕方なく翼標本・羽標本に切り替える。
マミチャジナイをいじり始めたところ、腹部に見慣れぬ虫がくっついているのに気が付く。一応死体回収時にチェックしていたつもりだったが見落としていたらしい。羽毛をかき分けた段階では、ダニ?、いやでもおかしいな、という感じだったが、はがしてみて翅があるのに仰天。これはシラミバエだ。鳥獣に寄生するという平べったい変なハエで、かつて BOSS についていた(寄生かもしれない)ものを 1 度見たことがあるだけの存在であった。これまで何度か鳥をいじってきたが、翅が生えている虫を得たのはこれが初めてのことである。
さて今まで仮剥製を作るときは、胴体を分離する前に翼・脚の除肉をしていたのだが、これだと胴体が羽にくっついて汚れやすいし、そもそも物理的に邪魔である。そこでまず胴体分離をしてから除肉するやり方をしてみたところ、こちらの方が圧倒的に作業しやすいことが判明。今後はこうやろう。
さてこのマミチャジナイ、講義室の窓にぶつかったせいか、口から血が流れ、腹部右側で激しく出血している有様であった。この血が白い羽に結構ついてしまい、出来栄えが懸念されたのだが、洗剤を投入したぬるま湯で何度か洗った後にすすいだところ、きれいに落ちた。なのでよっぽどひどく汚れなければ、除肉の段階であたふたしなくてもよいらしい。
マミチャジナイは結構脂肪を蓄えており、それを皮から伸長にはがすのは骨が折れる。その上鳥皮は信じがたいぐらい破れやすく、ピンセットの先で少しでも強く突いたら孔が開き、向こう側から羽毛がやってきてしまう。もたもたしているとどんどん乾燥して、もともともろい皮がもっともろくなる。今までは筆で濡らしたりキムワイプで保湿したりしてきたのだが、細かい除肉、脱脂はすすいだ後に水に浸したまま行うのもよさそうだ。皮が破れやすいのには変わりがないが、乾かないのと、透明になって脂肪がどれだか判別しやすくなる。
すすいだ後のトリは正体不明の様相を呈している。このままだとどうしようもないので、ドライヤーで乾かす。しばらくすると羽がふかふかになり、トリに戻る。だが、根元の綿毛状の部分が必要以上にふかふかになるせいか、特に背中側の毛並みが不自然になってしまう。マミチャジナイの場合だと一様に抹茶色をしているはずだが、銀色の綿毛のせいでまだら模様になってしまう。この辺りは改善の余地がありそうだ。
菅平に来て初めて作った仮剥製が実はマミチャジナイである。それと今回のものを見比べてみたが、顔周りは格段にきれいになっている一方、背中は不自然。また、綿詰めも不出来で不格好になってしまった。  


Posted by Impulse610 at 21:38Comments(0)