2015年01月04日

推敲すべきは自分の原稿,考えるべきはカワゲラの行く末

今朝は7時起床,体の節々が悲鳴を上げているが無視しなければならない.8時にセンターに到着し,まずはゴミ当番となっていたのでゴミ処理を行い,その後カワゲラに隷属.昨日と違って卵の薄皮を剥くのにコンディション的な問題は感じなかったのだが,調子に乗って大量の卵を処理しようとしたあまり集中力の限界を迎えてしまった.昼食後には手つかずの卒研要旨と発表スライドに加工をしようとしたのだが,新年早々の動物愛護ネタを見出してしまいしばし作業中断.

*意見書・要望書のお願い - 全国動物ネットワークANIMALS NETWORK JAPAN

神事の廃止を求める根拠は以下の2つにまとめられます:
1. 串刺しは残虐な殺し方であるから
2. 子どもへの影響から

1. について問題に思うのは,この団体が「神事=カエルの串刺し」と,事態を極端に簡略化している所です.一応神事の説明はありますが,生贄にする背景を充分に捉えていないまま,串刺しにして殺すことの残虐さだけを過剰に取り上げているように思います.
そのことが 2.に繋がります.凶悪犯罪と動物虐待に関するデータが示されていないところが気になりますが,それを差し置いても,この神事をきっかけとして子どもが動物虐待に走るとは思えません.まず,串刺しにされているカエルは参拝客には見えないようですから,残酷な場面を子どもが直接目にするわけではありません.「見えていないから自分で試してみたい」と思うかもしれませんが,この神事を取り巻く非日常
的な感覚が,あるいは大人の適切な言葉が,子どもを非行に走らせずに済むかもしれません.
まあもっとも,ヒキガエルがいるかいないかと言った土地で育った610でさえ,公園のアリの巣に水を入れて壊滅させたりして遊んでいたわけですから,神事があろうとなかろうと,カエルを潰して遊ぶ子は遊ぶでしょう.
もう少し付け加えるならば,私の中学時代の国語の先生は,子供の頃にカエルを潰して遊んだと仰っていました.昔のことですから,今以上にいろんなところでカエルがいたでしょうし,潰していた子供も多かったでしょう.ただ,犯罪との相関を示すデータがあるとすれば,こういう体験談を持っている人は凶悪犯罪を犯すリスクがあったのだと結論付けられてしまいます.
そういうことを考えると,1000年近く続いている伝統に対して,正当かどうかも分からない根拠を楯に廃止を求めるというのは非常に益のない行動だと思います.

明日の元旦の朝も、諏訪大社でカエル串刺し儀式が行われます。これに抗議します。 - 全国動物ネットワークANIMALS NETWORK JAPAN


このページも上の団体と同じ(つくば市に本部があります!)です.冒頭で諏訪大社の神様にバイアスをかけていますが,いったい誰に向けたメッセージなのでしょう.このページでは上で紹介されていた神事の概要についても触れていませんし,もっと洗練する必要があるんじゃないでしょうか.
あと,アオガエル系の画像がありますが,出典を明記していない点(かえる かわいい 画像で調べると疑惑が生じる)が問題です.海外の画像なので著作権的に抵触するのか知りませんが,画像の解像度を落として出典が見えなくなっている所に意図があるんじゃないかと勘繰ってしまいます(実際はアップできる画像の容量的な問題かもしれませんが).この団体で,動物愛護の理想を達成するために多少の悪事を働いても構わないといった空気があるのであれば,ずいぶん危険なことだと思います.

諏訪大社。蛙を捕まえて、生きたまま串刺しにする愚かな神事 ( その他ペット ) - 俳優 ヤブキ レン 公式ウェブサイトおまけページ - Yahoo!ブログ
コメント欄の意見をまとめてもらえばよいと思いますが,この記事は随分無礼に見えます.私は無礼そのものを否定しませんが,初対面の人間に無礼な物言いをして,主張を聞き入れてもらえるとは思えません.また,神職の方の貴重な時間を無礼な電話で奪ってしまうことは看過できません.神職の方が御気の毒にも思えてきます.「神の名のもとに動物を殺していいのか!」という叫びが,「動物愛護の名のもとに土地の文化を殺していいのか!」という主張は構造的に同じであることを,筆者は心得ているのでしょうか.
また,このブログの筆者は俳優として活動されているようで,実名も公表しているとのことです.俳優なので演技で評価されれば問題ないのかもしれませんが,素顔をあまり表に出さない方がいいんじゃないかなあと感じました.神職に対する横柄な接し方,伝統的な神事に対する見識を前にして,ファンの方の印象も変わってしまうかもしれません.

犬猫救済の輪 動物愛護活動ドキュメンタリー ☆4日(日)は、蒲田里親会 ☆諏訪大社蛙狩神事(生きたカエル串刺し生贄神事は代用品で) 2015.1.1抗議行動
蒲田が出てきてびっくりしましたが,本質はそこではありません.
さて,ここで抗議行動に参加した方が神事を見てその「真実」を報告していく,とありますが,恐らく伝えられていくのは彼らのバイアスがかかった「意見」でありましょう.真実を伝えるのであれば,可能な限り価値判断を排して「事実」を伝えていくしかないと思うのですが,この団体関係者の文章を見ていると,多くの内容がアジテーションと化しているように思えます.

蛙狩神事 : 古代諏訪に秘められた欠史
さて,この抗議行動は地元の新聞に報道されました.マスメディアへの露出は団体(一番上の団体と実際に抗議した団体はおそらく同じ)の目的の一つであり,それを達成できはしたものの,失敗に終わったと思われます.この団体ではカエルを串刺しにすることが一般人の感覚からかけ離れているとしていますが,実際に新聞に登場する一般人の方の意見は,団体が描く理想との乖離を清々しいほどに示しています.一般の人が動物愛護に対する精神が欠如しているというより,動物愛護のためには多少の逸脱も辞さないという団体の方針が疑われてしまうでしょう.
個人的には,動物愛護団体の抱く,動物の生命に対する絶対不可侵的な信仰を課すような二元論的な,一神教的な態度よりも,時と場合により生き物を殺すこともあるし,その時にはそれなりの弔い方をしているからいいじゃない,と言った柔軟な姿勢がしっくりきます.
また,この新聞記事は神事の妨害をいさめる体裁ではありますが,目的を達成するためには手段をいとわないありとあらゆる行動に対する忠告であるとも解釈の出来る,今年最初の良記事の一つであると思っています.

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意見の探索に飽きてきたころ,カワゲラに呼び戻され隷属.考察スライドを1枚創成し,BOSSから帰ってきた真っ赤な原稿に手を加え,真っ青なコメントを散りばめた第四稿の原案を創成.夕食後19時過ぎ帰寮.

明日は今年最初の蛍光観察を行うつもりです.その後はぶれずにカワゲラに隷属しなければなりません.  


Posted by Impulse610 at 18:10Comments(0)