2014年09月10日

ダートで菅平脱出

今朝は8時ごろ起床、午前中はカワゲラのお仕事をしてから午後は採集を兼ねて菅の沢林道に挑む。


最初からクライマックスになるが、ふもとには林道の入り口を示す標識がある。
菅平に戻り、まず林道の入り口を探したのだが最初は間違えてスキー場(畑)に迷い込んでしまい凄まじい切り返しを迫られる結果となった。だがそこは我がブラボー、大した問題ではなかった。


日曜日には反対側の山の頂上からこちらを眺めていたものである。


林道に入りダートに変わり、草がだいぶ繁茂し時にはフロントガラスに達することもあるが問題ない。ほどなく峠のような所に差し掛かる。


ここではゴイシシジミがたくさん飛んでおり、えっちらおっちら降りていたところ複数の個体が集まっている場面を見つけ車から出て確認してみたところ・・・交尾個体に交尾を仕掛け、さらにその個体に交尾を仕掛ける修羅場であった。人生いろいろである。


さて道中ダートな道が続くのだが、そこそこ大きな落石があったり、陥没しているところがあったり、ここでスタックされたら死にはしないが面倒だなあと思いつつ下る。対向車が来たら大変面倒だなあと思っていたのだが、結局この道でヒトとすれ違うことが無かったので杞憂に終わった。だが後に調べてみるとここは林道好きなライダーがしばしば来るらしい。ブラボーはタイヤが小さいとはいえそこそこ車高があること、四駆であることによってそこまで走行に恐怖を感じなかったのだが、ジムニーやパジェロミニで下ったらもっと楽しむ余裕もありそうだなあという感じであった。
そうやって下っていると大きなヒキガエルが道路でたたずんでいるのを発見、危うく轢いてしまう所であった。


途中から沢が現れたのでちょくちょく網を入れつつ降りていく。ミネトワダカワゲラの幼虫が見つかりちょっとテンションが上がるが、徒歩圏で採れるんだからわざわざここまで来る必要もなかろう。
しばらくすると林道の脇に大きめのトリがいるのを確認。気付くのが遅れて藪に逃げられてしまったのだが、車が全然来ないのをいいことに道路上に陣取り、戻ってくるまで待つことに。




ヤマドリのメスであった。オスは筑波山で拾われたものを見たことがあったが、メスは初めてである。手元には高倍率のカメラも双眼鏡もあるので観察したい放題である。とはいっても彼女はほとんど動くことなく、実験的に車を近づけて行ってようやく道路を横断したのみであった。やはり見慣れぬ物体が近くにあることに警戒をしていたのだろうが、車だと結構近づけた。




更に下り、クロヒゲカワゲラと思しき成虫を採集。その近くで巨大なキノコを発見。今度菌研の方に尋ねてみたい。このキノコの上にルリコガシラハネカクシ?が多数這い回っており美しさに魅了される。

ほどなく林道終点に差し掛かり楽しいドライブもひと段落。さすがにこの道で帰るのは大変そうなので、寄り道をしつつ普通の道で帰菅。菅平から真田へ向かう林道は他にも2本ほどあるらしく、そのうちの1本が風光明媚のようなのでいつか試してみたいものである。


寄り道したところで網にかかったきれいなカメムシ。名前は不明である。図鑑を使えば分かるかな。


センターに戻るとリスのプチ観察会が行われていたので足を運ぶ。クルミを齧っている音がよく聞こえたが、技官さん曰く熟練すると齧る時間も減るらしい。

さてその後蛍光観察の準備を行うのだが、菅平周りの林道を調べているうちに旧規格の軽自動車の走行性能の良さを知るに至った。我がブラボーは信号待ちで発車するときに他の自動車の追随を許さないものすごい加速を見せるのだが、こういう振る舞いは車体が軽い旧規格だからこそできるものらしい。ただ今のところ、他のメリットを感じるような出来事は無い。車幅が狭いからすれ違う時とか狭路走行時に真価を発揮しているはずだがあまり意識していないなあ。そんなこんなで、オオルリの羽処理に充てるべき準備の待ち時間をそっくりクルマの情報あさりに費やしてしまい、22時過ぎ帰寮。今日は車を買ってから初めて助手席以外にも乗り人が現れたのだが特に問題が無くて安心。後部座席にはシートベルトが存在しないので高速道路での走行はできないが(そもそもこのクルマで高速を走りたくない)

~・~・~

今日はだいぶカワゲラ以外の遊び要素が増えてしまったので、明日は大人しくカワゲラに隷属します。
  


Posted by Impulse610 at 18:10Comments(0)

2014年09月09日

院死の結果が分からない人生

今朝は7時半起床、このところとても冷え込んでいて本日の最低気温は6.3℃となり、2位の土呂部を大きく引き離し、栄えある全国最低記録を達成。それでも8時には15℃近くまで上がり、半袖で出動。本日は昨日の宣言通りにカワゲラに隷属し、まず蛍光観察を行い、昼食後カワゲラ卵の固定と蛍光観察のためのソーティングを行い、夕食後には再度蛍光観察。いまは2番目と3番目のカワゲラ卵を見ているが、2番目が中々いい感じであるが3番目がいまひとつ。気を長くして待つのが今のところの最適解なので、焦らずじっくり行きたいところである。

~・~・~

明日もカワゲラに隷属しつつ、昨日拵えたオオルリの羽を整理しようと思います。  続きを読む


Posted by Impulse610 at 18:10Comments(0)

2014年09月08日

без названия

今朝は7時半起床、9時出発。今朝の最低気温が8.6℃となり10℃を下回り、かつ全国最低気温ランキング2位に食い込む健闘を見せる。
午前中には固定卵の処理を行い、お昼過ぎからオオルリの羽むしりを始める。ぺちゃんこになっていて部位の判別に手間取ったり、換羽中らしくひどく痩せたみすぼらしい羽に拍子抜けしたりしながら部位ごとに並べ乾かす。


肩や頭の部分羽自体は小さいものの、たくさん集まることで青みが強く見える。明後日にはスケッチブックに張り付けていきたいのだが、さてこの小さいきれいな羽の処遇はいかにせまし。


外を見ればモズが草の上にいる。X-5を使えばデジタルズームになるがかなり拡大可能で目玉がくりくりしている様子がよく分かる。


さて今日は十五夜で中秋の名月だが、ここ最近曇りがちだった菅平ではまぶしいくらいよくお月様が見えた。風もなく、また虫の音も絶え果てたかのような冷え切った夜の暗がりで月を見る心地、何にたとふべき。
オオルリの処理を終えた後はカワゲラ卵の蛍光観察準備を行い22時前に帰寮。

~・~・~

明日はカワゲラに支配される人生を送ります。蛍光観察がうまく見られるとよいのですが、見えても撮影がうまくできないとあまり意味がありません。これからどんどん小さな卵を見ていかねばならず、しかし蛍光顕微鏡は実体顕微鏡なので悩みどころです。
  続きを読む


Posted by Impulse610 at 18:10Comments(0)

2014年09月07日

羽標本作りへの第一歩

今朝は9時前に起床、のんびりセンターへ向かいカワゲラ卵の固定をしてから買い物へ出かける。初めて同乗者ありの移動をしたが何事もなく終わり安心。菅平に戻ってから、先日処理したコガモの羽標本を整理する。


いろいろな方法があるが、簡便さを好む610はスケッチブックにポリプロピレン製のテープで留める方法を採択。裏面が見えない不具合があるが、そういう時はテープを外せば観察できるだろうという魂胆である。


やはりコガモといえば次列風切に集中する緑色の輝きが印象的である。とはいえ、この標本では図鑑とかネットで見つかる他個体の標本と比べて明らかに光沢のある羽の枚数が多い。しかもサイズが図鑑に載っている原寸大の羽の写真よりも大きい。こいつは本当にコガモなのだろうか、そういう疑問が未だに晴れないのだが、産地の西表にはカルガモとコガモしかいないようだし、性差(図鑑はオスが載っている)なのかもしれないなあ…
夕食後同期N氏の案内で菅平にある3か所の灯火ポイントをめぐる。中秋の名月を明日に控えているだけあって月は大変美しく輝き、虫は大変少ない。なんでも昨日はクスサンとかカッコいい某コガネムシがやってきたらしいが、今宵は見る隈もなし。

~・~・~

明日はオオルリの羽標本準備に手を出してしまいそうです。同時並行でカワゲラ卵の整理および蛍光観察のためのソーティングをやりたいところです。  続きを読む


Posted by Impulse610 at 18:10Comments(0)

2014年09月06日

山頂から自宅を探す楽しさ

9月5日
蛍光観察をしたり、卵の固定をしたりする。49歳のピッチャーが先発出場したプロ野球の試合が気になり、夜はオフィスでグダグダと過ごす。

9月6日
6時半起床、7時過ぎに出発。センターで支度をしてから菅平牧場に向かい、4度目の根子岳登山を開始。展望台へ続く最初ののぼりで飛ばし過ぎて心臓と頭を痛め、以降樹林帯を抜けるまで苦行が続く。調子に乗って飛ばし過ぎると必ずその負担がのしかかってくるという人生の真理の一つを垣間見たような気がする。




さてなぜ突然の根子岳登山を行ったのかというと、このチョウ、ベニヒカゲの観察をしたくてたまらなかったからである。ベニヒカゲはミヤマモンキチョウと同じく高山蝶の一であり、長野県では天然記念物扱いされており採集が禁止されている(北海道にも分布しており、そちらでは広範に見られるようで、採集も可能である)。こいつら、なかなかすばしっこくて敏感なうえに訪花もあまりしないようで、なかなかきれいな写真を撮らせてくれない。


クジャクチョウみたいに、花の上で翅を広げてのんびりしている様を、できれば麓の菅平が写り込むようなアングルで撮影したいものだが・・・




ベニヒカゲたちはあまり花に来ない代わりに、610の不潔な作業ズボン、靴、あるいはリュックやカメラの紐に舞い降りた。どうやらそういう所に高密度で存在する汚染物質に誘引されたようである。まあ一言でいえば汗を吸いに来たわけであるが、地面やササにいるときの敏捷さはどこへ行ったのかと思いたくなるほど熱心に口吻を伸ばして動かない。






汗を吸う性質を利用すれば、一生懸命ズボンの上で吸水しているベニヒカゲを指の上に誘導することも容易い。こうして本来の望みとは若干ずれてしまったものの、菅平を背景にして好きなだけ撮影することに成功。この点、ミヤマモンキチョウより観察がしやすい。


彼らは一度汗を吸いだすと微動だにせず、ちょっとくらい息を吹きかけたり指で動かししても一心不乱に口吻を伸ばし続けている。ひょっとしたらこのまま頂上まで連れて行けるかもしれないと不毛な登頂に挑んでみたのだが、山頂に着く直前でお腹いっぱいになったらしくどこかへ飛び去ってしまった。まあこうして、誤解を産みそうな写真の撮影に成功したので悔いはない(高山蝶パトロールのアルバイトをするような人間がこっそり高山蝶を採集していたらその人の人間性は疑われるわけだが、残念なことに610はそこまで落ちぶれていない。というか採集グッズの一切を持っていないので捕まえたとしても保管ができないし、本当に採集したかったら北海道に行けばいいだけのことである)。




手乗りでない自然状態の撮影は、雲海を眺めている様子を捉えるので精いっぱいであった。ただ、訪花個体を撮影できたのはよかった。今回は鳥見も兼ねてGXRだけでなくPENTAX X-5も持参したのだが、これが大当たり。敏感で近寄れないベニヒカゲを遠くから撮影できた(ちなみに鳥は全然ダメ。ホシガラスを見たかったが気配すら感じられなかった。時期が悪いのだろうか…)。




さて本日、午前中は空気が澄んでおり、アルプスの山々だけでなく富士山をも眺められ、天空の絶景を堪能することができた。菅平に移住したことにより、こういう天気の良い時にだけ山を登るというぜいたくもできるのだな、と悟る。
今まで3回の登山では迂闊にも双眼鏡を持ってこなかったのだが、今回は持参。山頂からでもセンターの大明神寮や我々が住まう寮がはっきりと確認でき、標高2000メートル級の山頂から自分の居住地が確認できるなんてそうそう経験できることではないだろうから、なかなか愉快であった。

さて下山を始めてほどなくして、2人の登山客と行き違う。その際に上田市職員と誤認されてしまい、すぐにそうではない旨を告げたものの、根子岳の景観に対する要望を聞かされてしまった。曰く、昔は花がたくさん咲いていたのに今はササばっかり、役所の方にササ刈りをしてもらいたいとのことであった。ここで高山蝶パトロールのあれこれを持ち出すと面倒かなと思いそのことは黙っておきながらも、昔は山頂まで放牧されていたからササもなく花がたくさん咲いていたということをお伝えし、ベニヒカゲをぜひ探してみてくださいと謎のアピールをして立ち去った。うーむ、どうして私はこう、ホームセンターの従業員とか市の職員といった人物像で解釈されてしまうのだろう。実際はただのカワゲラの奴隷なんだけどなあ…



キベリタテハ。近寄ったらものすごい勢いで飛んで行ってしまったが、たいそう美麗であった。クジャクチョウの派手派手しさとは対極の落ち着き払った色合いにファンも多いのだが、610は観察経験に乏しい。ぜひ採集してみたいチョウの一である。


キタテハではなくシータテハ。翅が強くえぐれているように見えるのと、裏にcのアルファベットのような模様があるのだが、この写真ではどちらも分からない。幼虫は先週沢沿いで見つけて採集し、今は蛹となっているのだが成虫は初見。もうちょっと翅の切れ込みが強い個体を見てみたい。


写真の〆はオオセンチコガネ。太陽光の下で見ると赤紫色に輝き、まるで宝石が動き回っているようにも思えるのだが、写真でとるとただのセンチコガネよりも汚らしくなってしまう。

4時間程度の根子岳登山を終了し、ベニヒカゲウをはじめとする多くの昆虫類を観察できて気分が良かったので牧場のソフトクリームを頂く。その後寮に戻って一休みし、センターに戻ってブログを書いてから昨日固定した卵の処理をする。学生も教職員もほとんどいないとどうにもやる気が出ず大した作業ができないが、610の場合は基本的に月月火水木金金で研究室に滞在しているので、こういう日の怠惰ぶりを問題視するのはかえって危険なことかもしれない。ならばオオルリの処理をとも思ったが、これは作業が未知の領域なので、そっと冷凍庫に仕舞ったままにしておくのがよろしい。

~・~・~

というわけで本日は久々の写真付き長文ブログをお送りしました。
そろそろマダラヤンマの撮影にも行ってみたいものですが、それは来週のお楽しみにとっておきます。明日はいつものように買い物をしてからカワゲラに隷属です。余裕があればオオルリの羽むしりもしたいところ・・・
  


Posted by Impulse610 at 18:10Comments(0)

2014年09月04日

ラボに誰もいないので

今朝は7時半起床、8時半出発。ドイツに行かないラボの先輩が就活のためいなくなり蟲研は610一人になってしまった。粛々と研究を進めるべきだが、広い研究室のスペースをしばし優占できるチャンスでもあるので、趣味の作業を少し進める。すなわち、つくばから持ってきたタヌキとウサギの標本の油抜きをするべく大きな容器を用意して水を張り、そこに骨を沈めた。また、同じくつくばから持ってきたコガモと思しき翼(西表島産、田んぼの鳥よけの糸に引っかかっていて一旦は取り外し逃がしたものの、後日現場に来て見つけたもので、恐らく猛禽かイリオモテヤマネコに喰われた残骸)から羽を抜きとった。
しかしこの羽の主、本当にコガモなのだろうか。蔵書に鳥の羽を掲載しているものがあり、それを使ってコガモと比較してみるのだが、次列風切羽の緑色の光沢を放つ羽の本数が図鑑に掲載されているものよりも多いし、そもそもサイズが異なっている。西表で見られるカモはカルガモとコガモのみのようなので、単に性差や個体差によるのかもしれない。
同時並行で蛍光観察の準備や一般染色に着手してみたりしたのだが、一般染色のやり方は未知であり、聞ける人もおらず、今やらなくてもいいんじゃないかとすら思えてくる。ただBOSSから「もうやった? やってないの、ああそう、すごくきれいに染まるからね、やってみてね」という感じでGOサインが出されているので、せめてBOSSが帰ってくるまでにカワゲラに有用かどうかくらいは知っておきたいものである。

~・~・~

明日は明日とて、車を買った帰りに拾ったオオルリの羽むしりをしようと考えていますが、本業の作業内容的に無理かもしれません。まあ急ぐことは無いのですが…  


Posted by Impulse610 at 18:10Comments(0)

2014年09月03日

без названия

9月2日
BOSSの誕生日を前祝するイベント。先輩が作ったイシノミを模したケーキが素晴らしい。その後蛍光観察を続け、ひと段落つく。卒研発表までにこの作業をあと8セットやれたら素晴らしいが、出来るかな?

9月3日
カワゲラ卵を固定したり、ハチ採り学生Sさんから依頼されたマレーゼトラップの回収に苦戦したりする人生。9月20、21日に出身高校で文化祭があり、在学時にSSHの活動をしていたが、その成果を発表するポスターの更新をしてほしいとの連絡があり、久々に20時台に帰宅したので実行に移ったが、色々と高校時代のことが懐かしく感じ、普段滅多にいじらない某SNSに菅平の写真を投稿する愚行に出てしまった。
文化祭、行けるかもしれないし、熱意ある後輩がいるとのことなのでぜひともお会いしたいが、うーむどうしよう。車で行くのはきついので、高速バス日帰りというもっときつそうな行程を組めばいいのかな?

~・~・~

明日から1週間程度、BOSSや研究室のメンバーの大半がドイツへ出向します。しばらくラボは静かになりますが、粛々とカワゲラに支配されるだけです(とはいっても根子岳のベニヒカゲを見てみたかったり…)。  


Posted by Impulse610 at 18:10Comments(0)

2014年09月01日

カワゲラを撮り続ける人生(暗室蛍光観察篇)

昨日の疲れからか今朝は8時ごろ起床、風呂掃除の後出発し、蛍光観察の準備と並行してカワゲラ卵の固定を行い、夕食を早めに済ませて22時頃まで蛍光観察。これは! と飛び跳ねたくなるような会心の像は得られなかったので残念だが、それなりの結果を得る。例によって染色の時間が足りない可能性もあるので、明日もう一度観察するなどして確かめてみたいものである。

~・~・~

明日はBOSSの誕生日を前もって祝うイベントがあるようです。ロシア的には誕生日の前祝は好ましくないようですが、後になると乗り気なALEXがドイツへ帰ってしまったりするので仕方がないことだと思います。  


Posted by Impulse610 at 18:10Comments(0)