2014年09月27日

久々の豊漁

今朝は眠い中7時半ごろに起床しセンターへ向かい、9時前に出発。人通りがほとんどないエリアにてスウィーピング採集を行い、ミネトワダ1・クロヒゲカワゲラ2・ノギカワゲラ1・オナシカワゲラ属多数の成虫を得ることができた。ミネトワダはスウィーピングのプロS氏が多数のハチと一緒に採集したもので、こういう方法でも見つかることは知っていたのだがあっさりとその現場を目撃して胸が熱くなった。それにしても、ノギカワゲラは2か月前にライトトラップで採集しただけであったのだが、突然ここで現れたのには驚かされた。文献では10月中の採集記録もあるので可能性は否定していなかったが、菅平でもいるのかあ…しかも早速産卵を始めるではないか。幼虫もなかなか見つけられない割に広範に棲息しているようで、謎の多いカワゲラである。副産物としてキタササキリモドキを採集。ササキリモドキっぽい虫を今まで何度か捕まえてきてはいたが、確信をもってササキリモドキだと言えるのは今回が初めてである。その後もう一か所のポイントを巡ってからセンターに戻り構内でガロアムシやミネトワダの幼虫を探したりベニテングタケを収獲してお昼ご飯の後解散。ライトトラップ、アナグマ採集からハードなスウィーピング採集を経て石めくりをした影響で610選手は疲弊しきってしまい、以降は廃人と化して種々の処理を行うことに。




一段落したところで昨日の成果を検鏡。まずはハジラミ。去年の虫捕り実習の時にスケッチをしたグループでもあり、こうして新鮮な状態の標本を見ることができることに喜びを覚える。ハジラミは動物の毛に寄生するので、しっかり毛を把握するように肢が特化している。顎も結構立派である。おそらく体中に分布していたのだと思われるが、下半身腹側に近い毛の根元の方で多数毛についていた。血を飲むこともあるようで、体内にあるアナグマの血が透けて見える個体も確認できた。体長はノミの半分程度である。






続いてノミ。鼠蹊部で歩き回っている個体を確認したが、4個体しか見つからなかった。ハジラミよりも歩き回りやすそうだから逃げてしまった可能性もある。4個体虫3個体は体が大きく、腹部に卵っぽいものが詰まっていたのでメスだと思われるが、1個体のみ明らかに小さい個体がいた。これはオスだろうか。複数種のノミが付くことがあれば別種かもしれないが、私にはわからない。
さてこのノミ、背部から見てみるととても扁平な体をしていることが分かる。その扁平の仕方はハジラミとかカワゲラのような背腹方向ではなく左右方向であることが特徴的である。wikipediaを見ると、この扁平さはホストの毛の中を走り回るのに効率的であるとされておりなるほどと思ったのだが、他の昆虫の姿を思い浮かべてみるとノミのような左右に扁平な体をしている昆虫が思い浮かばない。背腹扁平が圧倒的に多いように思える。昆虫の形態や適応を考えるうえで面白いケースだと思ったのだが、隙間を通り抜けるときは背腹扁平の方が効率的だろうなあ。


夕食には収獲したてのベニテングタケを使ったすまし汁を試してみることに(全部食べても仕方がないので1本分相当だけ、残りは塩漬けで保存)。前にも書いたが、ベニテングタケは一般的には有毒のキノコだが、菅平や周辺地域では食用にする習慣がある。簡単に湯がいて塩漬けにしたり、乾燥させてダシをとったりして食べるようだが、数少ない経験的には茹でたり焼いたりしただけのものを少量食べる分なら問題がない。


そして茹でること数分。あっという間に水が変色しベニテングタケの危険そうな色に染まる。菅平産ベニテングタケを100パーセント利用した素敵なすまし汁の完成だ。ちょっと水の量が多かったからか薄味(他の調味料は入れていない)だったが、上品な味がする。においはあまり分からなかった。工夫を加えればもっとおいしく頂けそうである。なんだってそうだが、一度に大量に食べすぎると危ないので馬鹿食いを控えて、何度か味わっていくことにしたい。
ベニテングタケに満足し20時過ぎに帰寮。今日は早く寝たいところだ。

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明日は停滞気味のカワゲラ隷属を再開させ、あまり採集できなかったミネトワダ幼虫の追加採集をしたいところです。
  


Posted by Impulse610 at 18:10Comments(0)