2014年09月23日

菅平でブルドーザーの出番なし?

今朝はN時に起床してN+1時に出発。何と菅平では全国に先駆けて冬日を観測したのだが、情けないことに610は寝過ごしてしまった。
センター到着後、カワゲラ卵の整理をして昼食後宇原川渓谷へと出かける。目的地に着いたときにちょうど川遊びにやってきた親子連れの車がやってきてびっくりしたが気にせずカワゲラを探す。一瞬黄色くて大きな何かが飛び去ったのが見えてクロヒゲカワゲラの可能性を期待したが見失ってしまい、その後の状況によりツマグロオオヨコバイ説が浮上、そう信じることにしてユビオナシカワゲラを3匹くらい捕まえて菅平に戻ることにしたのだが・・・


上田市に差し掛かる直前に、対向車線の路肩に動物が横たわっている姿を認識。後続車に気を付けて停車し、現物を確認してみたところアナグマであった。8月に見つけたものよりも小柄で片手でも重さを感じるが運搬可能、そして気になる状態のほうは左目が鳥か何かにつつかれたか無くなっていたが僅かな出血のほかに外傷は見られず、頭も砕けていない。肋骨は ? 大丈夫。内臓は? ちょっと膨れている気がするが許容範囲だろう。死後硬直により四肢が伸びきっているが、それは死後そんなに時間が経っていない証左でもある。そして毛並みは大変美しく剥製づくりを平行させたいくらいである。
さてセンターに持ち帰った時ちょうとBOSSに出会ってしまったが、また変なことやっているのか・・・ということは言われなかった(内心そう思っているに違いないが)ので、心置きなく解剖を開始。皮剥ぎを始めて間もなく、脂肪の洗礼を受ける。前回は状態が悪かったこともあるが脂肪がこんなにたくさんあったという印象が希薄で、やはり性別の違いが大きいのだろう(今回はメス)。この作業がとても体力を要するものであること、脂肪が皮にびっしりくっついてしまっていること、四肢の剥皮の困難/面倒さ、そして収納場所の限界という様々なファクターによって、結局は剥製づくりは放棄されてしまうのだが、やはりこのきれいな毛並みを埋めてしまうのは勿体ない。ということで上半身だけ切り取り飽和寸前の冷凍庫に無理やり詰め込む。皮なめしがまた時間のかかる作業なので、いつ着手できることやら・・・
皮剥ぎが一段落ついたので除肉を開始。先に述べたとおりまだ新鮮な様子だったので食べられそうな筋肉を切り落としつつ、四肢・内臓・頭部を体幹から外していく。内臓は腐敗していなかったが、前回強烈だった硫黄臭がただよってきた。これはアナグマの特徴だったりするのだろうか。胃の内容物は前回と同様にミミズがたくさん見られ、シデムシやゴミムシといった地表性の甲虫もランクイン。だが最も多いのは土であり、切開した途端に真っ黒の流動物があふれてきたのでびっくり。寄生虫がいるかもしれないと探してみたのだが見つからず。そういえば毛皮にはダニやハジラミの類がおらず、冷凍もせずいきなり解剖するので不安だったのだが彼女はクリーンなアナグマだったのかもなあ…
※なおアナグマに産卵する謎の寄生バチがいました。アナグマ本体に産卵しているのか、それともハエか何かに産んでいたのか…
一通り解体を終えた頃には外が暗くなってしまい、今から穴を掘る人生は闇だと悟ったので残りの作業は明日に持ち越し。紛失を避けたい頭蓋骨以外は土に埋めて骨にするつもりである。


解剖や解体にグロテスクさを感じてしまうのは仕方のないことだと思う。610も赤々とした血でまみれている様子はあまり直視したくなく、水をかけて血抜きをしたくなるものである(内臓とか筋肉を見る分には抵抗を感じない)。まあ、ここまで来てしまえばその辺で売っている畜肉と大差ない。だが実際に食べてみると畜肉の偉大さを思い知らされるわけである。今晩は焼肉にしていただいたのだが、フライパンに載せた瞬間にものすごく肉が縮む。そして口に運ぶと筋を食っているんじゃないかと思う程度にかみごたえを感じる。とにかく堅い肉である。下ごしらえなんか何もしていない状態だけあって臭みも感じるのだが、610には気にならない。たぶん適切な下ごしらえをすればとてもおいしく頂けるだろう(610は無処理でも満足なのだが)。前回はやどけんで消費したので、今回は菅平で鍋にでもして食べたいところである。
そうしてアナグマの処理でへとへとになって20時半に帰寮。解剖は思っている以上に肉体労働である。

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明日は朝一でアナグマの処理をして、ゼミや英会話の合間にカワゲラに隷属しなければなりません。忙しそうです。
  


Posted by Impulse610 at 18:10Comments(0)