2014年06月21日

без названия

今朝は7時起床、定期清掃が始まる9時までのんびり過ごす。何だか6月に入ってから9時過ぎてまで寮にいることがまったくなかった気がするので、やることも贅沢な二度寝をすることくらいしか思いつかない。寮の掃除が終わってから棚の設置を行い、久々に自室に掃除機をかけてストーブを片付ける等片づけも行い10時半出発。お昼後にカワゲラ探しに出かけたが全然見つからないのと眠気に襲われ全くやる気が出ず、トワダカワゲラの水を変えるために水を汲んだだけで戻る。6月に入ってから最低でも1日10時間程度はカワゲラに隷属されているためか1日を通してフル活動することができず、近頃は特に昼食後に猛烈な眠気に襲われる。研究室はブラックではないので好き勝手に昼寝できるため、それで体力が回復するのだが、デスクで寝るのは首筋を痛めやすいのでより快適な方法を模索したいところである。目覚めた後ノルマになっている卵の固定を終え、夕食を摂り、菅平を去る先輩が遺していった雑誌を漁る。最初はPlecopteraの記述を探したのだが、ColeopteraとかLepidoptera,Dipteraというグループばかり登場してカワゲラのマイナーさを痛感。結局カワゲラは見つからなかったのだが、邦文誌『昆蟲(ニューシリーズ)』においていくつか有益であろう文献の発見及び採集に成功。例えば「進化発生生物学の隆盛と松田隆一博士(1920-1986)の'汎環境主義'」とか「幾何学的形態測定学的アプローチによる昆虫の翅形態定量化」といったものは非常に興味をそそるものであり、特に前者はカワゲラに隷属するのであれば必ず目を通しておくべき昆虫形態学に関する3部作を著した張本人で、菅平に訪問し記念樹まで植えられている松田博士と生前に交流のあった方の総説である。寮に戻る前にざっと読んでみたが、昆虫の、あるいは形態学の神髄というか一つの極致とやらが垣間見えたような気がした。それを理解し会得するにはいったいどれくらい時間がかかることだろうか…20時半を回って帰宅。おそらく携帯電話を置いてきてしまい、明日の7時以降オフィスが騒がしくなるであろうことが気がかりである。

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今まで、夜の菅平は静寂が支配する世界でした。ところが今日寮に戻ってみると、何処からか若い男衆の声が聞こえてくる現実に直面しました。窓を閉め切れば聞こえない程度の距離なので今はそう困ることもありませんが、冷房が無い夏場はそうもいかないでしょう。スポーツマンの密度が今よりも上がることを思うと恐ろしいです。
彼らにとっては旅館と運動場、そしてリニューアルしたコンビニが菅平のすべてで、レタス農家とかカワゲラに支配されている奴隷の存在は認識できないでしょうし、何といってもむなしいのは彼らに抗議しても本質的に無意味だということです。だって、彼らに怒って静かになったとしても、明日か明後日には下界へ降りるわけでしょう。夜は怒られたし練習もきつかったけど、楽しい合宿だった! 菅平最高! という具合に、自分たちが合宿の主役であることからは降りようとせず、楽しさ至上主義によってそこで生活する人々の訴えを無効化してしまうでしょう。夜に大騒ぎして地元の人間に怒られることに対する反省とか申し訳のなさ、もっと踏み込めば、そういう構造の認識とか問題点を見出すこともなく、日常生活に戻っていくのがオチです。

どうしてこんなわけの分からない言い方しかできないんでしょう。そう考えてみて思い浮かぶのは氷山の一角という言葉でした。窓の外から聞こえてくる声は氷山の一角で、そこばかりに気を取られて静かにしろ!と怒鳴り込んでも、水面下の氷塊を認識していないと問題の根本的解決に至らない。また、合宿に来る彼らは、菅平=合宿所という式でしかこの地を解釈しようとせず、この地で日常生活を営んでいる人たちの存在を認識せずにいるから夜でも外に聞こえるくらい大きな声でバカ騒ぎをする。地元の住民と合宿の参加者双方が氷山の一角しか見ていないでいたら、不毛な激情のぶつかり合いが起こりそうですね。

個人的には夜に大きな声を出すことが蛮行であること、菅平地区の住民の存在、合宿の夜の過ごし方といった観点の認識を彼らに行っていただきたいのですが、果たして彼らはそういう機会を得ることができるのでしょうか…  


Posted by Impulse610 at 18:10Comments(0)