2014年05月11日

カワゲラに隷属するための滝見

寮のすぐ横には小規模な小川が流れており、日夜610を監視するネモウリーデ部隊が1年に及ぶ厳しい鍛錬を行っている。


センターに向かう前に寮の外周を一回りしてみたところ、いるわいるわ。彼らも610の人生を支配するのにかなりの労力を割いているようだ。610の管理が悪いからなのか、オナシカワゲラはやたらに採集できる割りには全然産卵してくれない。こんなに採集できても1卵塊しか得られないかもしれない。でも、卵を産んでくれることに期待したい。

今朝は7時半起床、9時出発。11時から2時間ほどセンター内でカワゲラ探し。


出発する直前、建物の窓から外を見やるとエサを漁っているキジを発見。のんきである。


外に出て撮影したり、わざと駆け寄って逃げていくところを動画に収めたりしている最中、反対側にアカゲラが登場。2週間くらい前だったか、ドラミングの音を認識して一人で沸き立っていたのだが、そういえば最近聞かない。その代わり日暮れ時に鳥の鳴き声がすごい騒ぎになってそれはそれで面白いのだが。


沢に向かう道を歩いているとトラフシジミが降ってきた。降ってきたというのは比喩ではなく、飛ぶのが下手くそで飛んでいるようには見えなかったのである。それが証拠に、この後610の顔に正面衝突した。


菅平でも雪はほぼ消え、わずかに日陰に残る程度になってきた。そのため沢の水量も減ってきた。


なぜだかわからないのだが、滝の周り、水しぶきと風が激しいあたりにはカワゲラがたくさんいる。しかしここから僅かでも離れると密度ががくんと下がり、全然見つからないと言い切ってしまえるぐらいである。探す方にとっては習性が分かりつつあるので効率の良い採集ができるメリットがあるが、いい迷惑である。カワゲラに支配される人生を歩み始めなければ、こんな苦行を強いられることもなかっただろう。これが真夏で暑いところなら極楽だろうが、忘れることなかれ、ここは菅平である。今朝も最低気温が氷点下に達している寒いところなのである。レインコートを持参した方がいいのだが、荷物がかさむのもまた面倒…
ちなみにこの写真のカワゲラはParaleuctraというホソカワゲラ科の一種で、昔の調査では存在しないことになっているグループに所属している。要するに菅平での新発見である。もちろん、自分が新発見をしたことを自慢したいわけでも何でもないし、そもそもこの程度のことは自慢に値する発見ではない。最低でも同定を終え紀要か何かで報告を行わなければ意味の無い行いとなってしまう。とにかく、つい先日まで菅平ではいないことになっていたグループが簡単に見つかるようになり、実験材料を集めるという観点において非常にありがたいことである。

実験室に戻る途中、上空からきれいな鳥のさえずりが聞こえてきた。運が良ければ声の主を見つけ出せそうだったのでしばらく粘っていたところ、見慣れない鳥が現れた。黒っぽくて、お腹は真っ白…黒? いや、この配色から考えると、黒ではなくて青であってほしいのだが…


青い! オオルリ!! やったぞ日本三鳴鳥!!!





双眼鏡を使ってばっちり観察でき、しかも撮影(レンズの先を双眼鏡に当てる)も珍しくうまくいき、610は幸せの青い鳥を誰にも邪魔されずに観察できるという幸せなひと時を過ごすことができた。オオルリは筑波山で観察できるようで、恐らく宝篋山でもいると思うのだが、今まで夏鳥は無視していたことがとても悔やまれる。しかしファーストコンタクトとしてはこれ以上に無い恵まれた環境であった。
ちなみにこの後、ノスリがカラスにちょっかいを出されている場面の観察に成功。


一旦センターに戻りお昼を摂ってから次の目的地へ移動。すぐ近くにある唐沢の滝という名瀑で、こちらは国道沿いにあり誰でもアクセスできる。前々から気になっていたので、K君に車出しをお願いして捨ててもらい訪問。経験則をもとに、わき目も振らず滝壺に急ぐ。


我らが大明神の滝よりも幅が広いだけあり、水しぶきと風の量はとんでもない。しかしカワゲラは苦行する610をあざ笑うかのごとくたくさん石にへばりついている。しかし実際に610をあざ笑っていたのは、恐らく滝を背景に記念写真を撮っているお兄さんたちだっただろう。滝のそばで吸虫管というわけの分からない装置をもって岩を見つめて、或いは吸虫管を口にくわえて何かを吸っているしぐさを見て、どう思ったことだろう。

写真の黄色いカワゲラはミドリカワゲラ科で、成虫を見るのは初めてである。どことなく羽化して間もない印象を受けるが、それは体色に由来するであろう誤解である。そのほか、菅平で記録が無かったもう1つのグループであるシタカワゲラ科の成虫を発見。これによって、日本に産するカワゲラ全9科が徒歩圏内で採集できる目途が立ってしまった




センター内でもそうだが、沢にいるとよくキセキレイと遭遇する。これは宝篋山では1度しか体験していないのでなかなか新鮮である。


少し場所を移動。すると砂地に足跡らしきものを発見。参考までに右側に自分の足跡をつけてみたのだが・・・これはクマか、それともヒトのこどもか・・・個人的にはクマであってほしいのだが、ちょっと状態が悪く自信を持って判断できない。


やはりここでも滝を離れると全然カワゲラが見当たらない。彼らは610に滝めぐりの苦行を強いたくてたまらないのだろう。

この後歩いてのんびりセンターに戻っていったのだが、途中ヤマガラ、アオジ、ホオジロ、キジ(ペア)などを目撃。カワゲラもそこそこいたが、鳥もなかなか豊富であった。

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流石に2箇所も巡ると疲れますね。本日は早く切り上げたので、早く寝て体力の回復に努めたいです。

明日は何とドイツから研究者がやってきます。1年間菅平に滞在していろいろやるそうです。ドイツ語に興味関心が湧かなかったつくば時代の自分が残念です。
  


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2014年05月10日

カモシカとお花見

フジ小保方氏パロディ、何が問題?風刺成立せず、テレビの“弱い者イジメ体質”露呈

私人をエンターテイメントとして消費し、嘲笑の対象にするのは学校の教室で起こるいじめと大して変わらない、というか本質的に同一だろう。
こういう番組の内容をいじめとは思わず、単なるお笑いのネタだと見なす人がたくさんいるから、こういう騒動が起こるのだろうなあ…

この話題とは直接関係ないのだが、寮には共用のスペースにテレビがあり、テレビを見ながら談笑する学生がいる。当然610がこの和(輪?)に参加することは不可能で、こういう場面に鉢合わせしたときにはひとり『世界動物図鑑』を持ち出し、世界の動物たちと対峙しながら、誰とも会話することなくテレビに背を向け黙々と質素な食事を摂っている。
※ちなみに食事に関しては寮にいないときも一人でぼそぼそと焦げた食パンを食べていたりする。テレビの有無ではなく、談笑しながら食事するのが根本的に苦手らしい。

菅平はつくばと比べて格段に人間関係が近く、それは学生同士に限らない。先日、610がこんにゃくばかり食っている逸話をあまり話したことのない先生から告げられてびっくりしたのだが、ああこれが菅平のクオリティなんだなあと再認識したとともに、この近さは610にとっては近すぎる。
つくばにいたときには菅平では今以上に孤独な日常が送れるのだろうと思っていたのだが、現実はそうではなかった。つくばにいたときの方がもっと孤独を享受できていたような気がする。菅平はある意味でムラ社会である(もちろん本来の意味ではない)。あるいは、共同体の構成員であるという意識が強い、と言った方がニュートラルかもしれない。
もちろん狭い環境の中である程度の縛りがあるのは必然で、それがために日々の生活が円滑に行われている事実は批判する対象でもなんでもなく、人間関係の近いことによるメリットはたくさんあると思う。ここで610が嘆くのはこの構造的な問題ではなく、この構造にうまく迎合できない自分の歪んだ人間性である。

―だんだんうまく書けなくなってきたので、ひとまずこの辺でおしまい。

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今朝は7時半起床。午前中は買い物に連れて行ってもらう予定。




山道を下っている途中、610はある光景を前に発狂。




あああカモシカがいるうぅぅぅぅ!!!




カモシカと一緒にお花見だあぁぁぁぁぁぁ!!!

※菅平ダムに差し掛かったところ、湖畔の野原で大きな動物が草を食んでいる姿を確認、それを見逃さなかった610は突如奇声を発し車を停めてもらうように頼み、現場に急行。途中リスがハッと逃げ出す場面にも立ち会いテンションの上昇はとどまることを知らない。
地形的にカモシカに近づく障壁が無かったのでどこまでいけるかチャレンジしてみたのだが、10メートルくらい?まで来たところで動き出されてしまったのだが、逃げられたというより、これから向かおうとしていた場所へ駆け足へ移動していった感じであった。そこで撮影したのが下の2枚の写真である。ご覧のとおり、左側の角と右側の耳が一部欠損している。
610は生きているカモシカを見たのは記憶にある中で初めてなのだが、このカモシカにはどことなく見覚えがある。この角の欠損具合、ひょっとしたらBOSSのカモシカかもしれない。どういうことかというと、BOSSの家の生け垣を食べにくるカモシカがいて、どちらか一方の角が欠けているのが特徴なのである。その写真を去年の冬の実習で見たのだが、ひょっとしたら当該個体かもしれない。

買い物の前にK君と一緒にラーメン屋で昼食を摂り、買い物を済ませてから徒歩で研究室に向かい昨日のうちに仕込んでおいた卵の蛍光観察を行う・・・しかしまともに蛍光を発しているのはわずか2卵、殆どが正しく染まっていなかった。おそらく染色の手順ではなく卵の固定法に問題があるのだろうが、原因が推定できるまで絶望を繰り返すばかりで非常に辛く、午前中のカモシカの喜びも相殺を通り越して失われてしまうほどであった。

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明日は特に予定がありませんが、上田に降りる方がいたら途中まで便乗させてもらってカワゲラ探しを行いたいところです。  


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2014年05月09日

他者を巻き込む失敗学は避けねばならない

圧迫面接やら、内定辞退にあれこれみたいなのは、誰かが録音してネットに流して炎上みたいなのが2~3回起きて、ニュース沙汰になれば、衰退するんじゃないかね? いいか悪いかは別として - 情報の海の漂流者

ネットで炎上することで誰が得をするのか分からない悪習が消えるのであれば喜ばしいことだが、炎上という現象が色々な対象に矛先を向けていることを考えると単純に賛同できないのが悲しいところである。

月80時間の残業では「ブラック企業」にならない?(上西充子) - 個人 - Yahoo!ニュース

現状が全うな状態ではなく、それを就活生が警戒し、望まないのは当然であろう。こういう場合に、就活生に対して甘ったれるなと言って自分たちの価値観への適応を要求するのか。或いは彼らの声に真摯に耳を傾け、自らの全うでない現状を認識し、ともに是正していこうという提案を行えるか。



実に愉快である。

どう考えてもモテる必要など無い - HYLEにっき
なんだか、モテ(恋愛関係だけでなく、ある人間関係の中で人気者になったり名誉を得るようなことを総称して)に執着し追い求める人たちの心が垣間見えてしまったようで、すごく苦しい気分になってしまった。そんなに他人からの承認とか愛、或いは名誉に拘泥し求め続けるとはどういうことなのだろうか…

日本人の「文化的民度」が落ちぶれ、いつまで経っても向上しないという深刻な問題について - ボン兄タイムス

最後の方にある、ごちそうさまを言うかどうかの問題については錯誤があるような気がするのだが、見世物をする側と見る側との絶望的な距離感というのはよく分かる。なぜかというと、610の文化的民度が落ちぶれに落ちぶれ、粗野で野蛮、リアクションに乏しいからなのである。何というか、見世物を素直に受け入れられないというか、感情の無い世界から分析しようとする態度が優先してしまうのである。

クールジャパンを吹聴する日本人がコンテンツの「カッコいい魅せ方表現」をできなくなっている問題について - ボン兄タイムス
若者の○○離れと関連がありそうな気がした。オトナがコンテンツを魅せられなくなり、若者が興味を失うというストーリーはあり得る…?


結婚式の業者ってヤクザだと思う。

嫁を愛してはいるけれども、この程度で周りがみえなくなって金額で誠意をはかるようなことされると辛い。

切ない心の叫びだと思う。

人気ブロガーが身バレせずにブログを書き続けることの難しさについて - 人生夢オチ

このブログは不人気なブログの中でも群を抜いて運営期間が長いどうしようもないブログなのだが、そんなブログの管理人でも、ある時ふと「610のブログ見てます!」などと言われるとドキッとしてしまう。そう、面と向かって告白されるということは、実名でブログを見られていることと同じことである。ここ最近はどうでもよくなってきて、誰が見ていようがあまり気にすることは無かったのだが、先日ちょいと衝撃的な光景を見てしまってビックリさせられたものである。

雑談力(特に女子との)が無いヤツは、安いキャバクラにいけ。

雑談力に乏しい610は、別にそれが必要に感じたり、それを克服したいとは思わないため、お金を払って女性と話をしようという気にはならない。他人に対する興味が乏しい(相手に質問ができないというよりかは、取り立てて質問したいことが思い浮かばない)という根本的な問題があるので、こういう所に通っても私の雑談力は向上することは無いだろう。

もう30代の大人だけど、根本的にコミュ障で社会性が無い - 能面ヅラ美

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今朝は7時起床。昨晩は嵐がやってきて菅平で初めて雷を目の当たりにした。
そして実験室に来て早々にとんでもない失態を犯したことが明らかになった。蒸留水を入れるべき容器にエタノールを入れてしまっていて、研究室の先輩がそれを知らずに利用してしまったのである。蒸留水が入っている大きなタンクの横にもう一つ同じようなタンクが置いてあるのだが、610はそれも蒸留水が入っているものだと思っていた。だが実はそれはエタノールのタンクだった…
自分でいじっている時にミスをしてしまったのなら救われたのだが、他者を巻き込むことはあってはならない。すっかり取り乱してしまい、しばらく絶望感に打ちひしがれ、午前中いっぱい、普段のカワゲラに支配されている人生が、まるで自分とは違う他人が私の殻をかぶって演じているに過ぎないのではないかという奇妙な感覚に苛まれた。

午後には立ち直りゼミに参加したのだが紹介された論文の理解が追い付かず苦しい思いをする。今回の場合は自分の専門ではなく遺伝子発現に関するものということもあり、生物学類生的な生物学の教養が欠けている610には得られるべき有益な情報が格段に少なかった。これは由々しき事態なわけだが、そのまま菅平に来るまでの3年間如何に適当に生きてきたのかの一種の表出であるわけだから、挽回を考えるのなら3年分以上の努力が必要になるわけである。ただでさえ専門の勉強もしなければいけないしロシア語もヘブライ語もアイスランド語も勉強したいのに、いったいいつやる時間があるというのだろうか…

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ゴールデンウィーク中、買出しに行けなかったので食糧が枯渇しています。車がない+車がある方が買出しに行かない、とこういう目に遭うのですよね。

明日はつくばで大学院説明会がありますが、610は出席しません。せっかくの機会だから行こうかなとも思ったのですが、BOSSから行く必要はないだろうと言われたので、大人しく菅平でカワゲラに支配されています。
ただ、BOSSや先輩方はつくば入りされるので、研究室に興味がある方はぜひ足をお運びください。こんにゃくを持っていくとものすごく受けが良いと思います。  


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2014年05月08日

SEMに支配される我が1日

今朝は7時半起床だった気がする。
センターに到着してしばらくしてから徒歩で帰宅する20時になるまで、殆どの時間を走査型電子顕微鏡関連の作業に費やし、その大半は資料作りの時間であった。すなわち、昨晩水和させたとあるカワゲラの卵を再び固定し、脱水させ、乾燥させ、金蒸着をして、ようやく観察にこぎつけたのである。比較的大きくて丈夫そうな卵を8つ用意したのだが、気が付けば全ての工程をクリアできたのはわずかに4つ。ある程度無くすことを前提にして準備するのが吉だろう。それが許されるほどにカワゲラの産卵数は多く、卵は小さいのである。
ちなみに資料の出来は良好で、大変きれいな卵を観察することができた。もちろん比較的頑丈な卵を採用したこともあるのだが、これで610は一人でSEMをいじるためのお作法がある程度身についてきていることが確認できた。たいそう時間を食ってしまうことがネックなのだが、資料を作ってしまえばあとから何度でも観察できるわけだから、行程中に生じる待ち時間をうまく利用することで、ほかのグループの卵もどんどん準備していきたい。

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明日はゼミがあります。前回発表を行ったので今回は聞く側です。先輩方の話し方や着眼点、議論の仕方などを学びたいところです。
SEMでいい写真を撮れたこの気分を利用して、明日は蛍光染色の下ごしらえに着手したいものです。  続きを読む


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2014年05月07日

ロシア(政治)に行って人生の指針を見失った話をしたい

今朝は7時過ぎ起床。しかし眠く30分くらい二度寝してしまった。

本日も例によって卵を観察し、卵膜を剥いたり孔を開けたり固定をしたり、あるいは固定したものを洗浄したりして1日が過ぎていった。
毎週水曜日には英会話のレッスンがあるのだが、今回はテキストとあまり関係の無いお話がなかなか面白かった。

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生物学類の有志がLT(Lightning talk,5分という制限時間の中で話したいこと―生き物に関連した―を話す)と呼ばれるイベントを行おうと計画しているらしいです。この手の有志が企画するイベントは大抵乗り気にならないので見て見ぬふりをするのですが、今回はなんとなく面白そうな気がしたので、ひょっとしたら610がお話しする機会があるかもしれません。
なぜ興味を持ったかというと、大学生活を振り返ってみると「話してみたいなあ」と思うイベントがいくつか思い浮かんだからです。例えば、
・宝篋山に100回行った話
・ロシア語の生物の教科書を読み解く
・Рускии язык(для студентов каторых изчают биологии)
・ロシアの博物館に行ってみた
・ロシア人と動物のトリビア

などは、ひとまず話題の重複を避けられそうで、聞き手にも体験者がいないだろうし、発表の下手くそさを話題性でカバーできそうです。

・解剖の話
・LaTeXと生物学類生

に関しては被る可能性があり、

・カワゲラに支配される我が人生

に関しては話す段階にないなあと感じています。

などなど、勝手に話題が先行してしまっているのですが、私がいる物理的な環境を考えると参加するのは困難でしょうね。とりあえずお話だけ伺おうかと思います。
  


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2014年05月06日

春と夏鳥が同時に到来

今朝は8時12分起床。目覚ましをかけていたのだが起きることができなかった。ただしスッキリ目が覚めたので寝過ごしも悪くはなかったのだろう。
10時過ぎに歩いてセンターに向かい、例によってカワゲラの卵の処理をしてから採集に向かったのだが、気温が低いからか全然カワゲラが見つからず、滝を前にして非常に辛いひと時を過ごした。


沢に向かう道ではタチツボスミレ?が咲いておりスジグロシロチョウが吸蜜に訪れていた。じっとしていることなくよく飛び回っていたため、ご覧のようなまぐれ写真の撮影に成功。


沢沿いの笹薮をスウィーピングしてみたところ大きな虫が入り期待したのだが、よく見てみるとトビケラであった。ほどなくして網から逃げ出し、近くの石に着地したところを撮影。

本日は研究室のOB・OGさんがいらしてナナフシを採集されていった。


研究室の窓の外にピンク色の花が見えたのだが、菅平でも桜が咲き始めた模様である。上田に降りる途中でも沢山桜が植わっており、下界と菅平を行き来するだけでかなり桜の変化を楽しめたのだが、その楽しみももうすぐ終わるらしい。


キビタキ!!!!! こんな近くにいていいのか!!!!!!!!!!
今まで見たこともないような鮮やかな黄色身を帯びており、それだけでもハッとさせられる。今までどことなく敷居の高いトリだと思っていたのだが、菅平においてはそんなことも無いようで、建物のすぐ外でも見られる(というか、建物の中にいながらじっくり観察も可能である)。
師匠曰く、見つけたら嬉しい気分になるトリらしいのだが、なるほどその通りだと思う。

そして本日は16時半と早めに研究室を後にし、先輩方が企画された渋沢温泉へのツアーに参加。菅平へ向かう山道に入らず、国道をまっすぐ行った先にある温泉で、去年の夏にリニューアルしたらしくずっと気になっていらしたそうだが、鉄が入っていて濁っている温泉であり、露天風呂のお湯加減が絶妙で、いつまででも入っていられそうないい気分になれた。大広間でお茶やお水をサービスして下さるところもまたよいなあと感じる。まさか別所温泉に行ってすぐに他の温泉に行くとは思いもよらなかったが、さらにリフレッシュできただろう。

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明日は染色やSEM観察の準備をしたいところです。それとも、気温が上昇するようなので再び採集に行くのもありかも知れません。  


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2014年05月05日

緩やかな隷属生活

今朝は8時起床。菅平に来てから初めての、目覚まし時計を利用しない目覚めとなった。
10時半過ぎに徒歩で出発し、18時半ごろまでカワゲラに支配される生活を送る。このところ毎日のようにカワゲラの発生過程を撮影しているのだが、撮影技術があまり伴っておらず、果たして意味のある行為なのか、記録を残すのであれば描画する方が有意義ではないかと悩む。扱う種類が単一であれば撮影も描画も並行してやれるだろうが、カワゲラに支配さている610は現在4科5種の卵を見ており、正直乗り気になれないのである。面倒というのも理由の一つだが、例えばある1種のスケッチを行ってしまったら、ほかの4種にも同等のスケッチが求められるわけであるし、今後さらに卵が増えていくわけで、描くべき量も増えていく。これを繰り返し、やがて手が回らなくなる未来が想像できる。もちろん自分で書いた方が理解が深まることは承知の上だが・・・

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明日はゴールデンウィーク最終日。大したことはしていませんが、センターでの滞在時間を意図的に短くして休日を活用しております。明日ものんびりしつつ、カワゲラ探しができればよいです。  続きを読む


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2014年05月04日

カワゲラによる支配からの逃避

今朝は7時半起床したが、夜中に吐き気で目が覚めた。この苦しさは体験したことのないもので、医者に診てもらって薬を飲んでいるのに症状が悪化しているような気がしてくる。
ややのんびりしながら9時過ぎに徒歩でセンターへ向かう。昨日からどっと下界から人々がなだれ込んできて、そこここのグラウンドでサッカーに興じている。彼らはのんびり歩いている610を見て、果たして菅平の住人だと見抜くことはできるだろうか。

14時頃までカワゲラの卵とハツカネズミの骨をいじる。前者はいつも通りだが、後者は小ささと幼獣という二重の困難に直面し苦戦する。

その後再び徒歩で寮に戻り、カワゲラによる支配からの脱却を図る。すなわちバスで上田に降り、上田駅で別所線に揺られて別所温泉に向かうという、温泉と鉄道を楽しむプランである。思えば菅平に来てから毎日シャワーこそ浴びていたが湯船に浸かることは無かったので、足を延ばして暖まりたくなったのである。別所温泉郷には共同浴場があり150円で入浴可能、東京都の銭湯の料金が450円であることを考えると大変に安い。
ついでに上田電鉄にも乗れるのでなお良い(列車自体は東急からのお古で、地元蒲田でも走っている系列である)。


ゴールデンウィーク中は貸し切りバスが運行に入っているようで、行き先表示板を掲げたものに乗車できた。


上田駅で待っていたのは見慣れた東急電車。お古になったものが地方私鉄へ譲渡されている一例である。これに乗って別所温泉まで向かう。


終点の別所温泉駅の脇にはかつて別所線を走っていた丸窓電車ことモハ5250系が留置されている。日中は中に入れるようだが、610が到着したころには駅員も不在だったため当然ながら車両にも施錠されており入ることはできなかった。


駅前の二股の道を左に曲がって歩くことおよそ5分、目的の共同浴場「大湯」が見えてきた。入口の前には飲泉が引かれていて飲んでみたのだが、硫黄のにおいがなかなか強く、何となく水溶きゆで卵を飲んでいる気分になった。
浴場内には菖蒲があり季節を感じ、手狭ながらも露天風呂があったのでしばしのんびりして何とか時間を潰すのだが30分程度しか持たず、予定より1本早い電車で帰ることにする。


駅にいた列車は「自然と友だち」らしく、各種生物のラッピングが施されていた。


昆虫の形態を学ぶものとしてはイラストが事実を反映していない点が見えてしまったりもするのだが、それをあげつらって馬鹿にするのは視野の狭い証拠であり、生き物のイラストが上田市民の足として機能している公共交通機関に掲載されている意味とか、デザインの効果や意義を完全に無視したみっともない考えなのである。むしろ、こういうデザインが施された電車が走っていることに喜びを覚える方がよっぽど健全であろう。


しかしながらこの虫のデザインには議論の余地がある。その理由は、パッと見て何のグループの虫なのか判断できないところにある。610はゴキブリがモチーフになっていると推測しているのだが...

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明日からは再びカワゲラに支配される人生を送ることになるのでしょう。  続きを読む


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2014年05月03日

卵よりは大きいが、小さいものは小さい

今朝は7時起床。どうしようもないほど目覚めが悪く気が済むまで寝たくなったのだが、カワゲラはそれを許してくれない。というわけで8時出発、卵の固定に終始するのだが、ひとつ真新しい現象を観察できていい気分になる。
午後も引き続き固定しながら、先日センターに届いたハツカネズミの遺体を譲り受けたので、その解剖に向けての準備も進める。ただ現物を見たところ予想以上に小さく、まともな標本ができるかどうか心配である。状態が良さそうなので骨を取るだけでなくフラットスキンなる皮革標本も残しておきたいなあと思うのだが、薬品が足りなさそうである。

それはさておき、ゴールデンウィークに入り帰省する方々が多いようで、15時前にはセンターに残る学生が610だけになってしまった。まあ寮までは歩いて20分位で着くし、何度か徒歩で行ったり来たりしているので問題ないのだが、センター内で一人になったのは初めてのことである。菅平に来てから1カ月以上、1日も休むことなくセンターに通い続けてようやく到達した「狂地」である。一人でいることが好きな610にとっては至福のひと時である。
しかしその時間は20分ほどで終了…

本日のノルマを達成したので、いよいよ菅平での初解剖を行う。検体は、昨日ナチュラリストの方から私ではなく同期の方に届けられたハツカネズミである。


全長9センチ、そのうち尾の長さ4センチ程度の小さな小さな遺体である。ハツカネズミの成獣はもっと大きいはずなので、これは幼獣なのだろう(現在の610にはネズミ類の同定力は備わっていない)。体重は何と5.5グラム…こんな小さいものを相手にするのは初めてのことである。
目立った外傷が無かったのだが内部にも損傷が無さそうで、その上鮮度も申し分なく、剥皮はとてもラクちんであった。体サイズの小ささのメリットは、皮剥ぎが十数分で完了するところにあろう。タヌキでは数時間かかっていたはずだから、その差は歴然である。小さなネズミといえども哺乳類であることには変わりなく、内臓や筋肉、骨格の作りは何度か見てきた光景とそっくりである。ただ違う所があって、イタチ・タヌキ・ウサギでははっきりしなかった鎖骨が大きく発達していることである。
細かい除肉の方はパイプ洗浄剤に任せればいいのだが、皮剥ぎ標本の方は上手くいかない。ネズミ等小型の哺乳類の皮革標本は、しばしばフラットスキンという方法で保存される。厚紙に皮を貼り付けたもので、収納に便利な形になっている。きっとそれなりのフォーマットがあるはずなのだが、そういうことが記載されている文献を持ち合わせていないのでいい加減な台紙を作って適当に張り付けてみたのだが・・・そもそも防腐処理もいい加減なのでまともな標本にはならないかもしれないなあ…


折角なので胃の内容物を見てみたのだが、大半が消化されてしまっていた。ただいくつか残っているものもあり興味をそそった。虫をはじめとする節足動物の残骸が残っていたらある程度グループを推定できるので期待していたのだが、それは見つけられなかった。

夕食もセンターで済ませ、寮へ戻るまでの1時間程度の時間を使って、およそ3カ月ぶりに聖書ヘブライ語文法の勉強を復活させてみる。なんとまあ色々なことを忘れてしまっていることだろうか。これを取り戻すにはゴールデンウィークを捧げる必要がありそうだが、悲しいことに聖書ヘブライ語文法の勉強はそこまで優先順位が高くないので難しいところである。

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明日も懲りずにカワゲラに支配される人生を送ろうと思います。  


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2014年05月02日

材料集めのゴールは近い?

今朝は7時起床。
夜中に交わされていたらしい一連のtweetを眺めていると、某A氏がtweetに対して過剰に敏感で、twitterに支配される人生を歩み出しているのではないかという感じがしてきた。どうやら、自分が呟いた意見に呼応するような他者の意見が気に食わないらしい(空中リプというスラングを用いたほうが理解されやすいのかもしれない)。
この場で知己の個人を分析するのは気が引けるのだが、A氏よ、他者のつぶやきに自分の感情を支配され、振り回されることでエネルギーの配分を誤るようであれば、twitterから距離を置くべきではなかろうか。そのような対価を支払ってまでtwitterの利用に価値を置くというのであればお節介この上ないわけだが…率直に言えば、見るべきものは他人のつぶやきではなくゾウリムシであって、応答すべきは自分宛か不明な空中リプではなくてゾウリムシの挙動であろう。
あるいは、それが難しかったり無理であるならば、何も直ちに反応しなくてもよいのでは。急いでコミュニケーションを図る必要性はいったいどこから生じたものなのだろうか。そういうものはtwitterの利用規約にでも書かれているのだろうか、いやそんなことは無かろう。twitterでやり取りをする以上、コメントを見たら直ちに応答せねばならないなどと勝手にルールを作り、守ろうと思い込んでしまっているだけはないのか。

というわけで、今の610にはtwitter上で長々と議論するだけの余裕とか意欲が無いので、何かしらのレスポンスを頂いても、直ちに答えられないばかりか、突然応答を中断するなどの無礼を働くかもしれません。1回の返答に要する所要時間は、24時間程度を目安にしていただければと思います。 >A氏

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午前中は病院に行き診察を受ける。昨日宣言したとおり胃カメラを飲むことは無く、1カ月ほど薬を飲んで様子を見てみようとのこと。
午後は教職員とセンター関連のあれこれについて話し合う連絡会に出席した後、カワゲラ探しに出向く。オナシカワゲラの卵もち個体を無事に入手でき一人歓喜するとともに、昔の記録には掲載されていないParaleuctra属らしきカワゲラも数多く採集。こいつらが卵を産んでくれるととても助かるのだが、体サイズがみやもとくろかわげらに匹敵する小ささなので、卵も小さいのだろう…

明日から連休が始まりますが、カワゲラに支配されている人生には平日も休日もあったものではないので、実感がわきません。
わざわざ人でごった返すこの時期に出かける必要はなく、むしろ平日を活用した方が良い気もするのですが、何処かしらでカワゲラ探しとかムカシトンボ撮りとかできたらいいですね。まあ後者に関しては今年は諦めるしかないかもしれませんが…
Peltoperlidae(ヒロムネカワゲラ科)に出会うことができれば、日本産9科のカワゲラのうち8科に出会ったことになるので、この機会に見つけられたらなあと思います。

それから、少しゆっくりできる可能性があるので、この機会に休止状態のロシア語とヘブライ語の学習を復活させたり、或いはwebページの更新(カワゲラ成虫の画像があまりヒットしなかったり、その他にも不便さを感じることがあるので、カワゲラ関係の情報を載せる)などできればよいのですが・・・  


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2014年05月01日

菅平でも克服できない飲み会嫌悪症

さて、昨日は生物学類の方で学類パーティーなる企画があったようだ。これは新入生は実質強制参加のイベントで、クラスごとに出し物を行い互いの親睦を深めるものとなっているのだが・・・610としてはこんなものに参加を強制する意義が感じられない。実態としては、上級生が仕組んだ新入生のエンターテイメントとしての消費の場、という程度のものではなかろうか。
ただでさえ過酷な時間割に縛られ、勉学に励むべき新入生に出し物の準備の時間を割かせ、しかもその出しものをエンターテイメントとして上級生が消費するような構図は引き継がれてはいけないと思うのだが・・・
※今でこそこんなことをほざく610ではあるが、新入生だった当時はこんなことを考えることもできず、考えられたとしてもどうすればよいか分からなかっただろう。フワフワしている雰囲気の中でひとこと、こういうことに興味が無いので不参加でもいいですか? と問うことができればよかったのに!

http://rail-uploader.khz-net.com/index.php?&id=8916

福井鉄道610形の写真が多数掲載されていて、実物を見てみたくなった。ちなみに200形は福鉄オリジナルの列車で、数年のうちに無くなってしまうらしい。こちらも併せて見たり撮ったり乗ったりしたいものである。


反天連にカウンターに来た右翼団体に、作家・松井計さんが取り囲まれて警察沙汰 - Togetterまとめ


見ず知らずの人を罵倒する団体の人たちの言葉の中から、彼らがおかれている苦しい立場というものを見事に洞察している一連のtweetのまとめである。そういえば高校時代は土地柄、しばしば街宣車が校舎のすぐ脇を通ってうるさかったりしたものだが、もしかしたら今のご時世だともっと頻度が高くなったり、あるいは歪んだ主張が響いてきたりするのかもしれない。

登 大遊 様【ソフトイーサ株式会社代表取締役、CYBERDYNE株式会社顧問】|FUTURESHIP CREWS' MESSAGE|筑波大学基金


ものすごく面白い記事だが、こんなものが大学のwebページに掲載されている事実がまた面白い。ハムスターを購入云々のくだりでは訳が分から無すぎて吹き出してしまった…

卒業研究・修士研究時の悪循環を防ごう - 発声練習


tubaさんのwebページのリンク先に掲載されていた記事。色々と参考になる。関連記事のリンクも貼ってあり、それを読むのもとてもためになる。どうやらこのブログには卒研生が何人か目を通しているようなので、私のくだらない文章よりこのリンク先のブログを見てもらいたい。

TeXはテック - Talpa memorandum

ごく一部の人間にとっては衝撃的な記事である。情報処理実習の講義やY先生はテフと発音していたような気がするが・・・

人々からの批判が怖いのか!?スカイマークはミニスカートを着用させる事が正しいと思うなら堂々と機内でメディアに撮影させろ! - 飛行機、航空会社、空港

女性性を強調させるような服装の着用を義務化するような動きとか、露わになった肢をクローズアップするようなメディアの報道の仕方といったものに違和感を覚えるのだが・・・なぜこんなことがまかり通ってしまうのだろうか・・・

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今朝は7時起床。午前中は例によってカワゲラの処理をして、午後には採集に出かけようとしたのだが通り雨が降ってきたので中止し、他のことをして時間を潰す。
17時半から新人歓迎会が行われる。梅酒を2杯、菅平の恋人と書いてあるよく分からないアルコール飲料を1杯飲んでみたところ、頭がフラフラしてきて耳が遠くなる現象に見舞われた。ああ、ここは標高1300メートルの地なので平地よりも酔いが回りやすくなるのだなあと合点がいったわけであるが、やはり酒がおいしいとか積極的に購入して飲んでいきたいとは思えない。水に勝る飲み物はあるのだろうか・・・
この飲み会は学生だけでなく教職員もほぼ全員が参加していたのだが、そんな会場の様子からどことなく恐ろしさを感じたと同時に、ああ、やはり私にはこういう場は好ましいものではないのだなあと再確認するに至った。

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明日は胃カメラを飲みます。楽しみですが、苦しいのでしょうか・・・


日中に病院に電話したところ、明日は胃カメラを飲むわけではなくて、担当の先生に診てもらうことになっている、と言われました。  


Posted by Impulse610 at 18:10Comments(2)