2014年05月14日

二畳紀からの贈り物

(1/2) 成果は理研のもの、不正は個人のもの… 不祥事の際に問われる「格式」について : J-CAST会社ウォッチ
タイトルがすべてを物語っている。この「いいとこ取り」の感じは好ましくない。

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今朝は7時起床、9時出発。いつものようにカワゲラに支配されている人生を送っていたら、K君がハイテンションで実験室にやってきた。彼の研究材料であるナガヒラタムシの成虫が羽化したのである! これは驚くほかない。菅平に来た当初、材料集めに関して絶望的な状態でコオロギへの切り替え待ったなしかと思っていたほどに難易度の高い昆虫であったものが、不思議な力によって「聖地」へ導かれ、そして栄えある今日を迎えたのである。まだ研究は始まったばかりとはいえ、すごくドラマチックな体験が自分のすぐ隣のデスクで起きていると思うと、こちらもワクワクしてきてしまう。
この時にナガヒラタムシの写真を撮影させてもらったり、或いはとても不思議な彼らの行動スタイルを見せつけられたりしたので、それをここで書きたくもなってしまったのだが、そういうことを一番最初に世の中に知らしめるのはK君の役割であり、権利である。私が先取りしてはならない。なので、2008年7月4日に高校のすぐそばにある日枝神社で採集したときの写真で代用させていただく。


これが甲虫目の最原始系統群、古生代二畳紀から存在し続けているというナガヒラタムシ様の御姿である! このつぶらな瞳が数億年の時を見つめ続けているのである。そんな彼らの卵を見て、発生の様子を辿っていけば、地球上で大繁栄をとげた甲虫について、さらに理解が深まるであろう。
とはいえ、まだ分からないことはたくさんある。今後、K君は色々な発見を重ねていくと思われるので、期待したい。

さてナガヒラタムシに関してアツくなってきた一方、カワゲラは冷たくなっていく一方である。まあもともと滝の水しぶきがかかるような所で涼しげにしている彼らではあるが、卵を産む前にバタバタと斃れてしまうのである。特に困っているのは、まだ卵を得られていないグループ(ホソカワゲラ科)のものがあって、そのシーズンの終末が徐々に近づいていることである。
野外で採ったものは交尾を済ませているだろうし、そのうち産卵するだろうと高をくくっていたのだが、1週間飼育しても何の変化も起こらないこともざらである。その一方で、毎日のように卵を産んでは死んでいったものもいる。簡単に言えば宝くじのようなものであり、難しく言えば産卵のポテンシャルがある特定のメス個体に限られているかのようである。つまりは「あたり」を引くのが大変だということである。
もちろん本当はそんなことは無くて、産卵のポテンシャルはどの個体も均等に持っているだろう。それを発揮させるだけの飼育力が610に無いだけのことである。ナガヒラタムシと違って成虫が徒歩圏内で簡単に採れるから「数撃ちゃ当たる方式」で行けばいいだろう、という態度が、こうして裏目に出るのである。

そしてその思いを大して改めることもなく、明日カワゲラ採集に出向くのである。

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さてお昼に先輩からデジカメを安く譲っていただきました。PENTAXのX5というものです。


広角端22.3mmで・・・


望遠端580mm、この焦点距離のカバー範囲は相当なもので、GXR P10Kitの28-300mmを凌駕します。


マクロも1cmまで撮影可能です。体長数mmのミヤマヒナバッタ?一齢幼虫がこの程度には拡大されます。


構内にたくさん咲いていたエンゴサクの仲間。ほかにもスミレがじゅうたんのように咲いている場所があり素晴らしかったのですが、うまく撮れませんでした。
今までコンパクトデジカメを使ってきた身としては、機材の大きさと重さに違和感があるのですが、使い込んでいけば慣れてくるのでしょうか。ズームに強そうなので鳥の撮影に重宝しそうです。その他の用途ではGXRを使うなどして、今後は2台体制で撮影を行っていくことになるでしょう。

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というわけで明日はお昼過ぎからカワゲラ探し+αに出向きます。個人的にはムカシトンボを採りたくてうずうずしているのですが、BOSSから「お前はカワゲラに支配されていろ」と言われてしまいそうです。
新・中古デジカメの練習も兼ねたいです。
  


Posted by Impulse610 at 18:10Comments(2)