2013年12月11日

ツチブタの呪い

今朝は6時起床。前日の就寝がおそらく日付を超えてしまったので―ろくでもないことを寝る前に考えてしまう悪癖があるのだ―目覚めがとても悪い。水曜日は唯一1限があり、7時とか7時半に起きてしまうと余裕が無くなり大変な思いをするので、苦しくても早起きをしないといけない。

1限:発生生物学II
主に再生について、ちょこっとだけ老化と死に関するお話。

2限:動物進化学特講
脊椎動物の進化について。今日は今までになく英語が苦に感じなかったのだが、昨年度ほぼ同じ内容を日本語の授業で聴いているからと言うことだけでなく、以下に紹介する論文でdorsalとかventralとかvertabraeという言葉をいやと言うほど目にしたこともあろう。思うことは、日本語であろうが英語であろうが、専門用語をインプットしておけば難易度に差がないのでは、ということだ。

こういう意見を書くと「お前は英語ができるからそう思うんだろう」と言われかねないのだが…的外れの指摘ではなかろうか。英語云々ではなく、単に授業を聞く気があるか否かの問題ではないのか?
授業に対するやる気の無さと言うものを、英語ができないということにすり替えているのではないのか?
英語ができないことにしておいた方が自分にとって都合が良いだけではないのか?
「英語ができない」ことが学生の多数派だと思い込み、「英語ができない」状態は安全だと誤解しているのではないのか?
英語ができないことを教員側の英語力に転嫁して、悪いのは自分ではなく教員の英語であるという、環境のせいにしているのではないのか?
あるいは、
同じ授業を英語ではなく日本語でおこなってもらった方がより深く理解できると信じ込んでいるのではないのか?
やる気をそぐのは英語ただその一点のみであり、英語さえなくなればすべてがうまくいくと思い込んでいるのではないのか?


―半分くらいは植物系統分類学I,IIを舐めてかかっていた過去の自分に対する訓戒でもあるわけだが、「英語」に関して執拗に批判することは、「悪いのは自分ではなくて英語である」と言うことにしておけば、自分が責められることは無いという学生の「ずるさ・弱さ」の表出に過ぎないのではなかろうか。
まあ610がこんなことを言える、と言うか考えられるようになったのは多分に哲学カフェの影響を受けているからなわけだが、そうだとすると、世の中にはこういうことを考えない人が数多くいるはずである。いや、もっと絞ると、生物学類生の中ですらいっぱいいるのだろう。そうなってしまうのは分からないでもないが・・・

そんでもって、授業の最後に配られた「英語化に関するアンケート」には、常日頃この授業に関してここでコメントしてきたことの要約を書きなぐっておいた。概論レベルの知識ではこの授業は難しいだろうこと、2年次に動物系統分類学関連講義を受けたうえで履修できるような制限をかけたほうが体系的な理解をする上で有意義だろう教室の混雑具合を考えても、もっと人が少ない方が良いだろうということを書いておいたのだが、果たして来年度はどうなるのだろうか。

4限:専門語学(英語)BII
ツチブタの尾の機能解剖学なる論文を読み発表。秋学期に初めて日本人の著者の論文を読んだのだが、確かに読みやすさと言うものを感じた。それにしても、色々な筋肉や骨の名称が登場して何とも面白い論文であった。個人的にはツチブタの写真をいろいろ漁ってみて、その可愛らしさに魅了されてしまった。


「ピグレット、君は何のために、何のために遺伝子組み換え食品を食べたんだ?」
すべては突然変異ではなく、普通のツチブタである。
ツチブタ-アリクイの顔、ウサギの耳、子豚の丸い鼻づら、カンガルーの尾を持った珍しい動物

これはプーさんのロシアバージョンвинни пухをもとにしたパロディだと思うが、ここからわかることは、一般のロシア人にとって、遺伝子組み換え食品というものは何やらとてもアブナイものだと認識されていることである。というわけで、珍しく610が生物学に関連しそうな観点に注目しているわけだが、ロシア人とこのことについて話し合い、ロシア人から得ることがたくさんあって、その結果何か新しいものが生み出されるようでなければサイエンスコミュニケーションらしきものは成り立たない、ロシア人の考えは間違っているとか、彼らの認識を正そうなどと思ったところで一方的であって、コミュニケーションと呼んでいいのかすら怪しい、と言うことを念頭に置くことはとても意義があるだろう。
この様に、すぐに論理がすり替わってしまうのが我が難点である。

ロシア語でツチブタはтрубкозуб、管の歯という名前で呼ばれているのだが、これでyoutubeの検索にかけるとほほえましい動画が出てきて笑ってしまった。リボンがされている仔ツチブタはどうやら動物園で初めて産まれた個体で、生後2か月くらいらしい。

その後、電顕バイトに向かい、終了したらI氏と専門語学(英語)CIIの最後の打ち合わせを行う予定である。

~・~・~

もうロシア政治が終わってしまい、明日は専門語学(英語)CIIしかありません。もうИгорьのたわ言が聴けないのかと思うと胸が張り裂かれそうになりますが、そんなことを言っていないで、サンスクリットとヘブライ語の課題をとっとと片付けてしまいたいものです。  


Posted by Impulse610 at 18:10Comments(0)