2013年11月09日

石の下のロマン、ガロアムシ探し

さて今朝は3時10分に起床し、出発の準備を整え、5:28につくば駅を発車するTXの快速に乗って奥多摩へ向かう。
道中に専門語学(英語)CIIの課題とか12月に発表することになろう第2の論文を少しでも読んでおきたいものだが、眠気と寒さの前に挫折しそうである。

Namaさんとつくば駅で落ち合い、奥多摩まで同行。寝ないつもりでいたのだが武蔵野線内で寝てしまう。青梅線内の混雑ぶりは予想以上のもので、バスに無事に座れるのだろうかと不安で仕方がない。
東日原行のバスはやはり2台体制であったが、いずれも超満員。それを予想して急いで改札口へ走った成果があったか、無事に座っていくことができた。なお、乗客の大半は川乗橋で下車していった。


天気予報とは裏腹の曇り空。紅葉はあまり映えないのだが、それもまたよい。昨日のブログではここに5年ぶりに来たと書いてはいたが、よく考えたら高校の成人式パーティーの日に、懇親会を放棄してここに来ていたことを思い出した。この時は地面が凍り付いてしまい全く満足な探索ができず、しかし1匹だけやや大きい幼虫の採集ができたのであった。果たして、今回はいかに・・・


開始してほどなく、大きな石をひっくり返したら成虫が現れた。あまりにもあっけない目標達成に拍子抜けしてしまったが、これこそ610が昆虫学特講を受けて以来あこがれ続けてきたガロアムシの成虫ではある。しかし、本当に素晴らしい虫だこと!


その後も成虫幼虫問わず、数多くのガロアムシが出現。相応しい時期に来れば、これほどまでにあっさりと見つかるものなのか…とても感動である。成虫は幼虫と比べておっとりしていることが多く、生態写真にも何度か挑戦できたのだが、なかなかどうしてうまく撮れない。


朽ち木をひっくり返してみたとき、予想外の生き物が動いている場面に出くわす。始めはヘビを期待したのだが、それにしてはぬめぬめとしている。しばらく訳が分からず硬直していたのだが、その生き物をつまみ出してこれがサンショウウオだということに気が付くと、なぜだか笑いが止まらなくなってしまった。発見当時は種名が分からなかったが、どうやらハコネサンショウウオのようである。眼が出っ張っていたり、尾がやたらと長いのが見分ける特徴らしい。採集してもどうすることもできないため、その場にリリース。


本日の採集環境はかくのとおりである。そこここにある苔むした石をひっくり返したり、或いは小規模な土砂崩れのあったであろう土盛りだとかガレ場をほじくっていると、大小さまざまなガロアムシが出てくる。


自然光下でガロアムシを撮影できる稀有なチャンスに巡り合えたのだが、それでもうまく撮れない。ちなみに今回成虫は逃げられたものも含めて7匹くらい見かけたのだが、おそらくいずれもメスであった。ここに紹介している個体もすべてメスであり、オスがどうしていないのかと採集時に不思議であったのだが、ガロアムシに通じている方から、オスの出現時期は狭い旨のアドバイスを頂き納得する。もうオスはピークを過ぎてしまっているらしい。ひょっとしたら、今から2週間前に予定していた採集が流れていなければ会えたのかもしれないなあ…


幼虫はちょこまかと動き回り、じっとしていることは滅多にないので撮影は難しい。おまけに、フラッシュの設定を把握しておらず、もともと白い幼虫がさらに白くなるような不自然な写真しか撮れない。
結局、10匹を超えるガロアムシの採集に成功。個体数が多かったので、各幼虫段階の標本を揃えようという気になったわけだが、上手く取り揃えられたかは分からない。ひとまず、これほどたくさん見つけられたのはおそらく生まれて初めての経験であり、(長年連れ添っている相棒の手鍬を置き去りに仕掛けるハプニングがあったが)実に幸せなひと時であった。

だいたい4時間半ほど現地で採集を楽しみ、早めのつくばっくを始める。片道3時間近くかかる上に交通費もばかにならず、やどけんの企画としての奥多摩遠征の困難さを痛感したわけだが、これだけ収獲が見込めるのなら(Grylloblattodea holic:ガロアホリックな学生がいれば)秋口に何度か行くのもありかも知れない。610はもう関与できないだろうが…

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明日は明日で宝篋山散策を行います。こちらはやどけんの表企画のはずですが、ブログを執筆している本日4時過ぎ現在、参加者は1人だけ…  


Posted by Impulse610 at 18:10Comments(0)