2013年09月29日

未だに続くペテル時間

昨日は夜になってもまったく眠気がやってこない。朝も11時頃まで寝ていたわけだが、どうやら時差ボケが続いているようで、未だに日本より5時間早いサンクトペテルブルク標準時に体が順応しているようだ。
そこで、30日までに提出しなければならない動物発生学臨海実習のレポートに着手し始めたのだが・・・実習から1か月過ぎてしまっていることと、実習中自分があまりに無能すぎて殆ど実験に関与できなかったため、作業内容が思い出せない。その上、データやグラフはエクセルで頂いているのに、頑なにLATEXでレポートを作る方針を貫き通すがために、わざわざ打ち直す無駄な作業をも付随している。

当初は時差ボケを直すべく徹夜をしてみようかと考えていたのだが、5時ごろに眠気がやってきた。ペテルブルクではちょうど日付が変わろうとしている時で、結局解消できずまま13時ごろまで寝続ける。起きてからは散らかっている部屋を少し片付けて気分転換をしてからレポートの続きに着手。途中退場したため、単位がもらえるとしてもCであることが確定していることとか、手元に記録しておくべき時間のメモが見つからないなど、モチベーションを削ぐような環境が整備されている中、まっとうなレポートを作ろうとするのはとても空虚なことに感じる。

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現実が辛いので、ここでロシアの写真を投稿して、気分を高めようと思います。ただ、写真があまりに膨大なので、本日は3枚だけ。


最初はエルミタージュ。なぜ610のくせに虫ではなくエルミタージュを最初に登場させたかというと、ここで実にロシアらしい体験をしたため、ぜひともはじめにお知らせしたかったのです。

エルミタージュは学生証があれば無料で入れます。ところが、我々が持っている学生証は「聴講生」のもので、この学生証が使えるかどうかの基準は存在しません。無料で入れるかどうかは、ひとえに受付の人次第なのです。
Nさんが訪問したときは全てのКасса(カッサ:チケット売り場)で「この学生証は使えない!」と言われたそうで、渋々400ルーブル(およそ1200円)を払ったそうです。ところが、このイベントを知らなかったYさんが同じ学生証でエルミタージュに乗り込んだ時には、何事もなくチケットを入手できたとのこと。

芸術に疎い610はよく知らなかったのですが、エルミタージュは世界的に有名な場所なようです。そんな場所ですら、学生証に関する統一見解が存在しない無秩序さに、610は胸が熱くなりました。2人の話を聞いた後、さっそくエルミタージュに乗り込んできました。

【第一ラウンド:9/17】
無料で館内に入るには、Кассаで学生証を提出すればよい。受付のおばさんは表情一つ変えず学生証をチェックするが、何かを言って突き返してくる。どうやら、あんたは聴講生だからダメで、400ルーブル払えとのことである。610はここで反論を試み、友達がこの学生証で無料で入ったと言ってみようとしたのだが、こちらの言い分は全く聞こうとしない。610も610で何を言っているのか聞き取れず、無駄に足掻いても仕方がないので諦め、別のКассаに並びなおす。
そして、ここでもダメだと言われる。こちらでも反論を試みたが、無表情で大きな声で何かを言ってきて、ああ何を言っても駄目なんだろうなあ、それに今日は見学時間も少ないのでいいか、ということで二戦二敗の成績を残し、エルミタージュを去った。

【第二ラウンド:9/18】
この日は何と午後からの授業が休講になり、一気に暇になってしまった。エルミタージュに行くしかない!
昨日の帰り道、新たな言い訳として、Yさんからチケットを借りて、「おかしいなあ。前はこの学生証で入れたんだけどなあ、ほら、これが証拠だよ!」という具合に、実物を見せれば対応が変わるかもしれないなあなどと考えていたのだが、結局Yさんには会えず、この戦法は使えない。まあ、チケットが無くても、前は入れたぞ、と答えればいいのだが…
並ぶ前に、全てのКассаをチェックして、昨日のおばさんたちがいないか確かめる。エルミタージュは大きな美術館なので受付の人も沢山いるらしく、昨日とは違う人しかいない。これで安心して第二の戦いを始められる。
それにしても、手渡した学生証をじっと見る受付のおばさんの様子を見ている時ほど、ロシア滞在時に緊張を強いられたことは無い。
さて、おばさんは表情一つ変えないまま、しかしこちらに学生証を突き返すことはしないで、キーボードに何かを入力し出した。

これこそ、待ちに待った勝利の瞬間である! 昨日は紙切れのような待遇を受けた聴講生の学生証が日をまたいだ途端に価値を獲得した、歴史的な瞬間をこの目でとらえたのである!

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どうですか。610は、これこそがロシアの神髄だと思います。統一されたルールが存在しない、人によって対応が違う、この無秩序さがたまりませんね。



さて、これは610がロシアで初めて見つけた甲虫のテントウムシです。ロシア入りしてしばらくは遠出ができず、ずっと市街地にいた訳ですが、見つかるのはハエとハナアブばかり…昨年この研修に参加したKさんや火曜日の授業や現地でお世話になったK先生からは虫が全然いないと言われていたので、それから、空港で没収されるとダメージが大きいので、大した採集道具を持っていきませんでした。
しかし、このテントウムシを皮切りに、郊外に出かける機会を得てからは、そこそこの昆虫を発見、撮影、採集することができました。勿論、日本と違ってセミなんていませんし、鳴く虫もせいぜい1種類、家屋害虫すら存在しないといった具合でしたが、日本の感覚で虫さがしをしたらそれなりの虫が見つかりました。
写真も含め、これもおいおい紹介していきます(ブログよりもwebページを中心に掲載します)が、採集した標本は雙峰祭で展示します。ロシアの昆虫はネットで検索すれば出てこない訳ではありませんが、英語、学名、もちろんロシア語の操作が必須なので手間がかかるでしょうから、手っ取り早く異国情緒を味わいたい方は是非「つくば生き物見本園」にご来場ください。



本日の最後に、研修期間中通った大学の写真を掲載します。
610が所属していたのはサンクトペテルブルク大学言語学部付属ロシア言語文化センターで、外国人がロシア語を学ぶための場所です。なので、エルミタージュの件でもあるように、正式な学生としてではなく、あくまでも聴講生という扱いです。
ここでは平日の5日間を使い、1日3時間、週15時間の授業が行われます。担当教員はもちろんロシア人で、授業は全てロシア語で行われます。クラス編成は、学生のロシア語能力に応じて振り分けられ、610は文法、読解、会話の授業を学びました。

お気づきでしょうが、いくらロシアに留学したとはいえ、留学場所はあくまで外国人がロシア語を学ぶための学校なので、同じくらいの年代のロシア人と会うことはできません。610のクラスは途中から日本人、中国人、韓国人の体制になったため、授業中は異国情緒をあまり感じることはできませんでしたし、構内ではどこに行っても中国人の留学生がいたため、基本的には授業が無いときには大学にはいないようにしていました。

昨日の記事にも書いていますが、ロシアで友達ができなかった最大の理由は恐らくここにあると思います。
せっかくロシアに来たのに、日本人の留学生とつるんでいるのは意味がないことだと感じていたことと、周りがアジア人ばかりで日本にいるのと変わらない感じでしたから、日本でいるときと同じような感じで講義を受けていました。
授業後は大抵一人でペテルブルクの街をフラフラしていました。友達と遊びに行くとか、友だちの家に行くといったイベントは皆無でした。
このことに関しては、友だちがいなくて寂しくはなかったですし、そもそもあまり交友関係を増やそうという意欲が無く、単独行動をすることの方に意味を感じていたので、大した問題ではありませんでした。流石に10ヵ月とか1年も留学するとなれば事情は変わってくると思うのですが、3週間程度だと現地で一人も友達ができずに帰国するようなことがあっても、別段おかしいことではないと思います。

ただ、友だちを作ることのメリットはとてもたくさんあると思います。日本人でなければ、誰であってもロシア語で意志疎通しなければなりませんし、もしかしたら自分よりもっとアクティブな友達が、自分だけでは出来ないようなイベントに導いてくれたりだとか、ロシア人以外の考えや行動を間近に体験できることを思うと、一人でいるより有益かもしれません。

ちなみに、教員の話しているロシア語は易しいものであるとはいえ、意味の分からないことがとてもたくさんありました。きっと、分かった部分よりたくさんあったことでしょう。ただ、言葉の意味が理解できなくても、仕草とか周りの学生の動き方とか言葉が登場する場面など、そういうものを活用すると言葉の意味が補えたりもするので、語学力に自信が持てなくても、授業に参加してみることで吸収できるものがあるということが良く分かりました。
  


Posted by Impulse610 at 18:10Comments(0)