2013年05月04日

ロシア語でムカシトンボを説明せよ

昨晩はヒメハブの皮剥ぎ標本作りに着手。頭部が砕かれていたのできれいな全身骨格標本は望めないのだが、それでもなかなか寸胴でヒメハブらしい体つきをしており、易々と体を捨てられない。実はもう一匹きれいな個体を持っているのだが、こちらは小さいのである。どうしようかしら・・・

今朝は7時半起床。今朝の最低気温は6.5℃で、3日連続して7℃に達していない。去年も一昨年も、5月になってこんなに寒い朝が続いたことはなかったのだが・・・

さて昨日は、宝篋山散策の午前の部と午後の部とを統合するつもりだとブログで宣言していたのだが、残念ながら今日に限ってはそれができなくなってしまった。というのも、Ingaさんを宝篋山に案内することになったのである! いやはや、何とアクティブなことだろう。
イルカの解剖を見るという衝撃的なやどけんデビューを果たし、ヘビを手に乗せたり、訳の分からない海の生き物を愛でたり、鉄道唱歌をお気に召したり・・・ただでさえ生き物好きな留学生が来てくれたことが驚きなのだが、もっとすごいのは彼女が単身で乗り込んできたことだ。

というわけでIngaさんと合流するまで、自宅でお勉強。専門英語で発表しようと思っているムカシトンボの論文を読む。610は宝篋山マスターとこそ名乗れども、ムカシトンボマスターには程遠い存在である。しかし論文を読んでいると最近見つかった中国産のムカシトンボが欲しくなってくる。むろんヒマラヤのムカシトンボにも会いたいものだ。

11時になってIngaさんと合流して宝篋山へ向かう。筑波山へは2回上ったことがあるとのことだが、もちろん宝篋山のことは知らなかった。
彼女は610がロシア語を勉強していることを知っているので、途中からロシア語でやり取りしながら山を歩くことになった。自然観察の場で、しかも宝篋山でロシア語を駆使するとは全く予期していないことで、単語が出てこない上に彼女が話すネイティブのロシア語が聞き取れない。Душа с телом расстаётсяとかОй какой же был скандалといった全く使えない表現が出てきてしまうのだが、カタコトでもそれなりに意味を汲み取ってもらえてとてもありがたい。



嬉しいことに、ムカシトンボ自体は昨日よりも多く観察できた。610は何とか産卵個体の撮影に成功したのだが、Ingaさんはあと一歩で逃げられてしまっていたのが残念であった。彼女はよくムカシトンボを認識していて、610よりも早く見出したこともあったので大層驚かされた。


足元に舞い降りたカワトンボを撮影するIngaさん

いやはや、留学生の方と名もなき沢に侍り、ひたすらムカシトンボが来るのを待つといった体験ができるとは・・・
610にとって実に不思議なひと時であった。我々が沢でじっと何かを見つめている姿を、登山客の方々はどう思ったことだろう。作業着姿のさえない男が不釣り合いなべっぴんさんを連れてデートをしているなどと曲解なされていたら、前半の推測はともかく後半は是非とも訂正していただきたいものだ。610は宝篋山マスターとして、自然が好きな留学生に日本を代表する素晴らしいトンボを披露していただけである(´Д`)



平地では全然見かけないヒガシニホントカゲは、ムカシトンボの観察をしているとよく出会う。Ingaさんはトカゲを飼ってみたいと仰っていたのだが、逃げられてしまい、彼を提供することはできなかった。

14時半ごろになるとすっかりムカシトンボがやってこなくなったので、下山して宿舎へ戻る。Ingaさんはムカシトンボとかカワトンボとか、日本語の単語をすぐに覚えてしまうのに比して、610は右と左が分からないし、聞いてもすぐに忘れてしまう。基本的なコミュニケーション能力(会話、語彙、リスニング)が圧倒的に不足していることを痛感させられてしまう。
しかし、これほどのチャンス(自然が好きで、ムカシトンボ観察のような地味な活動にも参加してくれるロシア語話者がやどけんにいること)は早々に来ないだろう。Ingaさんを相手に、ロシア語の練習ができたら幸いである。

~・~・~

さて今日の未明から明日の明け方にかけて、お茶の水のニコライ堂でПасха(ロシア正教の復活祭)が行われます。行きたいと言えば行きたいのですが、明日も明日とて宝篋山に行きたいのでПасхаに行ってしまうと体力的に辛い気がしています。諦めるかあ・・・  続きを読む


Posted by Impulse610 at 18:10Comments(0)