2012年07月09日

単独調査は気楽な反面…

今朝は、と言うか日付の変わったあたりにたびてつのメーリスに起こされる。その目覚めがすこぶる快適であったことと、隣の部屋からの話し声が耳障りであったことから再び寝つくことができず、2時くらいまでゲンゴロウの様子を観察したりしながら過ごすことに。

そして6時半頃目覚めて身支度を整え、一昨日いった所よりは若干手前の地域で探索にあたる。なんというか、里山的風景は宝篋山だけに残っている訳では無いことを実感。自転車でいける所にこのような光景が残っていたことをこの目で確かめることができて大変に感動。大体このあたりの水生昆虫相は想像が付くので無闇やたらに網を入れることはせず、ひたすら水面を覗き込み、休耕田状態になっている場所には足を踏み入れる。



世代交替を向かえたのであろう、状態の良いタイコウチの成虫がこと切れていた。これくらいは問題ないであろうと採集。休耕田は昨日の雨の影響もあるのかもしれないが、結構環境が良好に思えてきて、これモートンがいたら嬉しいなあと思っていたのだが、目の前に表れたイトトンボはというと・・・



まさか、まだ生き残っているとは思っても見なかったホソミオツネントンボであった。交尾も1ペア確認できたのだが、一体越冬成虫たちはいつまで生存しているのだろう。

ある場所にてため池を発見。610はこのあたりで見かけるため池には全く手を付ける気分にはなれずにいた。と言うのも、結構深いことや水質がよくないこと、ウシガエル、コイ、ザリガニといった水生昆虫の繁栄を阻害する生き物たちに満ちあふれている印象があったからである。ところがここはどうだろう。そこまで深くないし、川の水が流れ込んでいるのだろうか非常にひんやりしている。ザリガニやウシガエルの姿もない。こんな場所があったのかと感心しながら探索を進めていると、いつものゲンゴロウ達のほかに、ミズスマシが1匹だけ泳いでいた!



これは生涯を通じて初めての発見であり思わずテンションも昂ぶる。色々見ていると、もしこの付近にナミゲンが生き残っていたのなら飛び込んできそうだなあという印象を受ける。まあ実際にはまだ野外で1箇所でしか見ていない私の推測だから結構素っ頓狂なものかもしれないが、今まで抱いてきたため池に対する印象を改めるに相応しい品格を備えているのである。
そして、池の所有者の方がやってきて「ここうちの池なんですけど。あまり採らないでくださいね」といわれる。先日の反省をせず今回も勝手に忍び込んでしまった610には何も弁解することはできないように思うのだが、「勝手に入らないでください!」と言われなかったことは不思議である。これが非常に婉曲的な表現なのか、言葉通り捉えてよいものかは甚だ悩む所だが、いずれにせよ今回以降きちんと所有者から許可を得ない限り、ここでの捜索は控えなければならない。いずれにせよ、ここはもしかしたら「楽園」なのかもしれない。時期や方法をずらしたりして再調査する価値はあるように思う。

帰宅、昼食を経て図書館へ。昨日本を買ったばかりなのに6冊も借りてしまう。そして19日に迫った陸域生態学実習、合否不明の隠岐の臨海実習の2つの経路を考える。前者は単純でよいのだが、後者は島根まで行くのが非常に面倒で旅程が組み立てにくい。22日から始まるのだが、20日までSCIBOでつくばにいるので、出発は21日となる。ただ、普通列車だけで行くとなるとその日のうちに松江には着けないようで、しかもそんな苦行をするつもりは無い。でも金銭の余裕もないため、結局はつくばから岡山までは18きっぷで行くことになりそうだ。
そして行きは色々な制約があってルート藻しぼり易いのだが、帰りがまた困ってしまう。27日のお昼に解散し、松江に戻ってくるのは18時ごろ。サンライズ出雲号で一気に東京へ戻る超絶手段、せっかくだから奮発してチャレンジして見たいとは思うのだが、水生昆虫に目覚めてしまった610としては、島根を単なる経由地点にしてしまうのは非常に惜しいことである。でも宿代なんて計上するつもりは無い。さあどうしたものか・・・このあたりは参加が確定したら考えることにしよう。

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明日明後日は集中授業。植物進化学のお話を(日本語で)聞きます。作務衣はきませんが、パソコンを持ち込んでひたすらノートをとることになるでしょう。  続きを読む


Posted by Impulse610 at 18:10Comments(0)