2011年08月20日

デジカメより大きなカエル

 寝たのは日付が変わったころだったが5時起床。そみあ氏に怪しい残暑見舞いを投函し、Maxvalueで「地ジューズ」マリーブを購入。946mlという中途半端な数字といい、この大胆なパッケージデザインといい、そして甘ったるい味といい、610好みである。ウスバキトンボの死骸や灯りにやってきたバッタ等、昨日よりも虫の姿が目につく。



 出発時刻が遅れてしまいそうだったので、その間に速やかな昆虫整理ができるように三角紙を補充したり、保冷剤をフロントから借りてきたりしておく。保冷材はもちろんGXのために使うのである。Mさん、Tateさん、U君、Yさんは西表島へ向かうようで、Astroさん、GTさん、Gen君と610は石垣に残って虫探し。



 まずはぶざま岳を目指す。途中海沿いを経由したのだが「ちびマングローブ」が随分かわいらしい。今回は活動できる3日間ぶっ続けで虫探しをする予定で海を満喫できないのが若干残念なのだが、これだけたくさん虫がいるのに探さないで過ごすことは出来ないのだ。ただぶざま岳の登山道と思しき所は鬱蒼としており、度胸のない者の立ち入りを拒んでいる。ほかにもたくさん面白そうなところがあるし、ハブの恐怖と隣り合わせの中で採集する必要もないと判断したので次なる目的地、屋良部岳へ。



 しかしここも崖崩れのため通行止め。また引き返すのは惜しいので、徒歩にての散策を決行。入口あたりではそんなに面白い虫を見つけることは出来なかったが、しばらく上っていたあたりに山の中へ続く踏み跡を見つけて迷わずそちらに突入。ずいぶん倒木が転がっており、どことなくマメクワ・ルイスツノがいるかもしれないなあと感じる。ナタや根ほりは持ち込んでいないのでそこまで詳しく調べられないのだが、素手でできる範囲で気を崩したらサキシマヒラタ♀が登場。ここで一気にテンションが高まって2匹目のどじょうを狙うのだが、やはりそう簡単に見つかることも無く、S字ムカデを見つけ出して一気に気分が減退。木々を見渡すと樹液が噴出していた跡があり、もう少し早く来ていればもう少し簡単にクワガタを見つけられていたのかもなあ…
 Gen君と合流し、踏み跡手前の側溝にカメがいたといって写真を見せてもらう。これはセマルハコガメじゃないかと思ってしばらく付近を捜索してみたが…残念なことにすでにどこかに行ってしまったらしい。ぜひとも「箱」にしてみたかったなあ。側溝から出られないようなら、天然記念物と言えども触ることは出来たと思うのだが… 車がある場所まで戻ってAstroさんの帰還を待つ。ここは見晴良好でいい景色だ。 昼食は市街地まで戻って八重山そばをいただく。建物が昔ながらの赤瓦の民家を利用したもので、扇風機を回すだけでも十分快適に過ごせる。瓦の下がヤシの葉(?)で葺かれていたことは発見だった。個人的にはこういった昔ながらの民家もじっくり見てみたかったが…やはりムシの誘惑が強かった。









 続いて宮良川上流部分へ。例によって通行止め部分があったものの迂回することで無事に到着。途中からダートに入るが、この道は今回走った中で最も野性味あふれていた。林道に入るとほどなく沢が道を横切っていて、すぐにコナカハグロトンボを発見! これが見たかったんだ!! あまり遠くまで飛んで行かないことを確認し、たくさんいることも分かったので採集ののち撮影会。保冷剤で冷やしておいたGXはしばらくして動かなくなってしまう。それまでの間に撮りたい構図で決めておけなかったのは大きな痛手だった。沢沿いは湿っているのでハブにエンカウントする可能性は高そうだが、コナカを見られた感動から恐怖はすっかり飛んでしまい奥へどんどん進んでいく。クロイワカワトンボもいるのだが、薄暗いところにいる上に敏感で撮影態勢に入れない。



 沢歩きの後は林道歩き。今回訪れた中で唯一の未舗装路だが、ここはこのままで良いと感じる。ちょっとした水たまりには無数のオタマジャクシがうごめいている。こういう光景は本土の未舗装路でも見かけはするが、よくこんなところで生きていられるものだと思う。いったい何を食べているのだろう。しばらく進むとサキシマカナヘビが目に留まったので捕獲を試みる。全身黄緑色でとてもきれい。天然記念物でも採集禁止種でもないので持って帰っても大丈夫なのだが、これを飼育できる自信がないので逃がす。
 一応道が通じている終点に到着。堰があって水たまりの底にはハゼのような魚がたくさんひっついている。川砂は白っぽく、本土で見慣れた渓流の脇に亜熱帯の植物が繁茂している様子に違和感を覚える。この場所が気に入ったのでしばらく探索をして記念撮影(22日冒頭の写真)。水量はいつもより少ないようだ。



 車を停めたところまで引き換えして、今度は別の道沿いを歩く。開けたところでアオタテハモドキを採集。目玉模様に吸い込まれてしまいたい…下地の青色がとても魅力的だ。このあたりの雰囲気も良かったのでトラップを仕掛けてみる。ここから再び於茂登へ移動し、トラップに焼酎をかけて熟成。いい香りが広がっているので何かしら期待ができるかもしれない。ただ工事のおじさんの話だと、ここよりもバンナ岳の方がクワガタがいるとのこと。

 夕食は山組4名でコロッケ定食の店に入ってタコスを注文。






夜間灯火めぐりではコキブリ・サソリモドキ・ザトウムシくらいしか見つけられなかった。移動中に雨が降ってきたりして於茂登林道あたりではおびただしいカエルが路上でボーっとしていたのが見えた。巨大なオオヒキガエルが道の真ん中で堂々と控えておられたので車を飛び出して観察ののち脇へ追いやったのだが、つくば市街でよく見かけるカエルの石像に匹敵するサイズではなかっただろうか。要するに置物として十分通用するレベルなのだ。ここまで成長するのに、どれほど多くの昆虫が犠牲になったことだろう…
 そして雨が降り湿った路上で、ついにヘビを発見! すわハブか、と思って確かめに行ったが、自分の知っているハブと模様が違う気がする。それでも正体が分からないので腰が引けながらも逃げていくところを何とか撮影。後日調べてみたところ、これはハブではなく無毒なサキシママダラであることが判明。サキシマハブでなかったのはちょっぴり残念であったが、これが今回見かけた唯一のヘビであった。宮良川付近のトラップを見て(なにもいないことを確認し)車に戻る間に、巨大なオオゲジのようなものが我々の前を横切っていく! かなり大きく見えたのであるが、ゲジにしては脚が太くはっきりしていたように思い、これはクモではないかと疑問が生じる。後に調べたところではオオクロケブカジョウゴグモあたりが該当しそうだが、これとて若干小さい気もする。いずれにしてもこんなところに一人で来るのは相当な度胸がいるなあと実感。

 明日はレンタカーの返却のため夜間灯火めぐりは出来ない。そのためスクーターを借りようと思っていたが、こうやって雨が降られると困ってしまう。ただ、♂が一匹も取れていない現段階で最後の夜に見回りに行かずに過ごすなんてできっこない。
  


Posted by Impulse610 at 06:10Comments(0)