2011年08月06日

樺太は青森より北海道に近い!

昨日18時半過ぎにA池にて黄昏ヤンマの観察に入ったのですが、明るいうちに確認できたギンヤンマが2匹それらしい行動をとっていたのが紛らわしく、またのちに1匹加わったがそれがギンがそれ以外かを判別することができませんでした。それにしても夕焼けがきれいで、そちらをじっくり眺めていられないのももどかしい思いでした。

5時起床。いつも3時に目覚ましを入れているはずだが、ここ最近記憶に残っていない。
支度をしてさっそく宝篋山へ向かうが、大学を出てほどなくした道の上に黒い何かが佇んでいる。一旦通り過ぎてしまったが、それはカブト・クワガタとは質を異にするシルエットのように見えた。慌てて引き返してみると・・・昆虫競歩界の第一人者、マイマイカブリの珍しくも朝練をしている最中であったのだ。

まったく風がなく蒸し暑いのでウェーダーに履き替える意欲が一時減退。しかし下草は濡れ放題で耐水性に欠ける作業靴で突入すると一日干しておく事態になりかねない。
およそ1か月ぶりにやってきたのだが、その間サラサポイントまで踏み入った人間が居ないかのごとく草が繁茂していて、クモの巣も貼り放題。マムシを踏んづけたりスズメバチの巣を横切ったりしてはいないか不安になりつつ湿地を進んでいくのだが、かつてあった道すら見分けられないほど地形の様子が変化した錯覚に陥る。ところどころ掘り返された跡があるが、人間が目的もなく草むらの中で忽然と土を掘り返す様子は想像しがたく、まあイノシシがやったんだろうなと推定してその場を後にすると、見慣れぬ何かが草むらを横切る。草むらに身をひそめる姿に眼の動きが追い付いたとき、意外な正体を見た610の心は躍った。



あまり虫を知らない方なら混乱をきたしかねないトンボのようなムシ。それにしてはずんぐりとしていて、しかも触角が長い。こんなトンボをムシ屋はこぞってツノトンボと呼ぶ。じゃあトンボとは何が違うのかというと、彼らの幼虫は陸上にいて、しかも蛹になる。簡単にいうとアリジゴクの仲間なのだ。

ようやくサラサポイントに到達したはいいが、ここにお目当ての虫がやってくるのか想像もつかない。



サラサ全盛期には泥だらけの地表面がはっきり見えていたのだが、いまとなっては当時の様子を思い出すのも難しい。お目当ての虫は中1の時、ヤマビルにやられた鬼怒川で採集してはいるものの生育環境を確認したわけではなく、なおかつその後の遭遇がないのでいまいちここで見られる実感がわかない。その後色んな場所を回った経験と文献からの推測でなんとなくイメージはわくものの、どうもこの場所はしっくりこない。本当はこの先にもう少し希望が持てる場所があるのだが、今の時期にそこに立ち入る気力がどうしてもわかなかったので今回は見送ってしまった。



こういう植物ではなく、もっとガマやスゲが茂っているところの方が希望が抱ける。ここも数か月前まで一面泥世界で、今まで見たことの無い奇妙な場所だったのだが…

帰り道でゴイシシジミが多数発生していることに気が付く。ここでも益田でも採集をしているので、撮影をしっかりしておきたいと藪に片足を踏み入れたところ、どうもそこがくぼんだ水路の上だったらしく豪快に転落してしまう。しかしその衝撃で飛び立った数匹のシジミチョウがすべてゴイシシジミだったことにいたく感動してしまった。実際飛んでいると判別はできないのだが、ササの上でおとなしくしている様子を見ていると、この模様を碁石に見立てた先人のまなざしが投影されているような気がしてくる。
ズームをかけると高確率で動かなくなってしまうのが非常に惜しいところだ。




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宿舎に戻って洗濯・二度寝・買い物。一昨日から気になっている作務衣のことを調べたりしてから『南鳥島特別航路』を読む。作者は物理学科を中退され、地学が好きなようで読んでいて非常に楽しい思いになる。中には(来年行くであろう)サハリンのことも書かれていて参考になるとともにimpulseもふつふつと湧きあがってくるのである。まあまずは明後日から出かける勝山のことを調べておくようにしよう。これで3回目(個人的な訪問を含めると4回目)の訪問となり、ベテランの部類になる(?)のだが、魚や虫以外のことにはほとんど何も知らないのだから。

というわけで明日は図書館で勝山の地質図にアプローチをかけようと思います。  続きを読む


Posted by Impulse610 at 18:10Comments(0)